SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和5年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問13

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

製品Xと製品Yを販売している企業が,見積作成と提案書作成に掛かる業務時間を,それぞれ20%削減できるシステムの構築を検討している。Activity-Based Costingを用いて,次の条件が洗い出された。本システム構築による製品Xの見積作成と製品Xの提案書作成に関する月間総人件費削減効果は幾らか。 〔条件〕 ・製品Xの見積作成に掛かる月間業務時間は,50時間 ・製品Xの提案書作成に掛かる月間業務時間は,50時間 ・製品Yの見積作成に掛かる月間業務時間は,100時間 ・製品Yの提案書作成に掛かる月間業務時間は,400時間 ・製品Xと製品Yの見積作成に掛かる月間総人件費は,60万円 ・製品Xと製品Yの提案書作成に掛かる月間総人件費は,360万円 ・見積作成と提案書作成は,それぞれ人件費単価が異なる部門が担っている ・製品Xと製品Yの見積作成に掛かる人件費単価は,同じである ・製品Xと製品Yの提案書作成に掛かる人件費単価は,同じである

選択肢

  1. ア
    4万円
  2. イ
    8万円
  3. ウ
    12万円
  4. エ
    14万円
解き方のヒントを見る

配賦の前提と変化する範囲を確かめる

活動基準原価計算の問題では、どの資源の費用をどの業務へ結び付けるのかという前提を先に整理することが大切です。そのうえで、施策によって何が変わり何が変わらないのかを問題の記述から丁寧に読み取りましょう。

この問題で問われていること

確認すべき観点は一つ、施策の前後で配賦の基礎となる要素のうち何が変わるのかを見極めることです。変化しない部分まで削減効果に含めたり、逆に変化する部分を見落としたりしないよう、前提条件を一つずつ照合しましょう。

視点

活動基準原価計算は、資源の費用を活動に、活動の費用を対象に結び付けて原価を把握する考え方です。削減効果を考える際は、計算に入る前に『施策が影響するのはどの段階のどの要素か』を言葉で整理しておくと、条件の読み違いを防ぎやすくなります。

確認ポイント

  • 施策の対象となる業務や資源が、問題の記述のどこで定義されているかを確認する
  • 施策の前後で変わる要素と変わらない要素を、自分の言葉で書き分けてみる
  • 求められている値が、どの範囲・どの単位の効果を指しているかを問題の記述と照合する
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

見積作成と提案書作成は人件費単価が異なるため、活動別に時間当たり単価を求め、製品Xの各50時間に20%削減を適用する。見積作成は60万円÷150時間=4、000円/時間、提案書作成は360万円÷450時間=8、000円/時間です。したがって削減効果は、50時間×20%×4、000円/時間=4万円と、50時間×20%×8、000円/時間=8万円の合計12万円となる。

理由

見積作成の総時間は製品Xの50時間と製品Yの100時間を合わせて150時間、総人件費は60万円なので、単価は60万円÷150時間=4、000円/時間です。製品Xの削減効果は50時間×20%×4、000円/時間=4万円となる。

比較

提案書作成の総時間は50時間と400時間を合わせて450時間、総人件費は360万円なので、単価は360万円÷450時間=8、000円/時間です。製品Xの削減効果は50時間×20%×8、000円/時間=8万円となり、両活動の合計は12万円です。

選択肢ア

これは不正解だよ。4万円は、見積作成について製品Xの削減効果だけを計算した値と一致する。しかし設問は見積作成と提案書作成の両方を対象としている。提案書作成でも製品Xの50時間について20%削減が生じるため、その効果を加える必要があり、4万円だけでは月間総人件費削減効果にならない。

選択肢イ

これは不正解だよ。8万円は、提案書作成について製品Xの削減効果だけを計算した値と一致する。提案書作成の単価は360万円を450時間で割った8,000円/時間であり、製品Xの削減効果は8万円である。ただし、見積作成の削減効果4万円も対象なので、8万円だけでは不足する。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。見積作成の単価は60万円÷150時間=4,000円/時間で、製品Xの削減効果は50時間×20%×4,000円/時間=4万円である。提案書作成は360万円÷450時間=8,000円/時間なので、削減効果は50時間×20%×8,000円/時間=8万円となる。合計は4万円+8万円=12万円である。

選択肢エ

これは不正解だよ。公式条件から求められる活動別の削減効果は、見積作成4万円と提案書作成8万円である。したがって合計は12万円となり、14万円には一致しない。14万円になるには、いずれかの活動について時間、削減率、人件費単価、または対象範囲を公式条件とは異なるものとして扱う必要があるが、そのような条件は示されていない。

学習のポイント

ABCでは製品別平均ではなく、活動別の人件費単価で削減効果を計算する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問13(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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