SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和3年度春期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
業務と連携のつながりを確認
融資に関わる業務を考えるときは、各段階で扱う情報がどこから来て、どの判断や処理に使われ、次の段階へどのように受け渡されるかという流れに注目しましょう。
この問題で問われていること
確認の中心を、機能の名称や個別の表現ではなく、業務上の役割とデータの受け渡しが一貫して対応しているかという一点に置き、全体の流れを整理してください。
視点
業務の目的、入力される情報、処理後に残る情報、次の担当や仕組みへ渡る情報を順に並べ、各段階の関係が途切れず説明できるかを見比べます。
確認ポイント
- 各業務段階の目的と、そこで参照される情報の関係を確認する
- 処理の前後で情報の受け渡し先と役割が対応しているか確認する
- 同じ情報が段階ごとに矛盾なく扱われるかを全体の流れで確認する
正解と解説を見る
解説
融資りん議の紙運用をWFシステムで電子化し、複数システムの情報取得、回付状況の管理、期限や信用格付の通知を実現する事例です。設問では、業務の不要化、回付条件、最新情報の判定、進行中案件の抽出条件を問う。
問題の全体像
X銀行は、紙の帳票を回付していた融資りん議をペーパレス化するため、基幹システムとは別にWFシステムを構築する。現状には、複数システムを操作する負担、営業店と本部の処理状況が分からないこと、目標期日の超過、同一顧客の別案件における信用格付の変化を把握しにくいことがある。WFシステムは既存システムの機能をサービスとして利用し、必要データを一括取得するほか、回付、差戻し、担保評価の更新確認、アラーム通知を行う。出題の中心は、現状業務の課題を新システムの処理と表1のデータ属性に結び付けて説明することです。
設問1
下線①は、複数の既存システムにある必要データをWFシステムが一括取得する方式を指します。したがって、現状のりん議書作成時に行っていた、基幹システムや担保評価システムなど複数のシステムを個別に操作する作業が不要になる。公式解答例も、この作業を30字以内でまとめている。
設問2(1)
回付経路に本部を含める必要があるのは、融資希望金額が担当営業店の決裁可能金額を超える場合です。表1では、案件ファイルの「融資希望金額」と店ファイルの「決裁可能金額」を比較するため、この二つの属性と大小関係を答案に入れる。公式解答例は、案件ファイルの融資希望金額が店ファイルの決裁可能金額を超える場合としている。
設問2(2)
りん議書審査画面の起動時には、担保評価システムへ担保明細の最新情報を問い合わせる。表1の担保評価ファイルには評価日があり、保存済みの評価日よりシステム側の評価日が新しければ、添付帳票が古いことになる。そのため差戻しとする条件は、担保評価ファイルの評価日より担保評価システムにある評価日が新しい場合です。
設問2(3)
アラーム通知機能は、信用格付の更新だけでなく、目標期日までの残り日数が3営業日以下になった場合にも画面表示と電子メール通知を行う。したがって、もう一つの現状の問題点は、目標期日の到来に気付かず期限を超過することです。指定字数内では、この原因と結果を簡潔に押さえる。
設問2(4)
WFシステムに保存した案件ファイルの信用格付と比較する最新の信用格付は、既存の顧客情報や信用格付を管理する基幹システムから取得する。よって、空欄には「基幹システム」が入る。
設問3(①)
追加要望は、同一顧客で進行中の他案件を参照することです。案件番号が異なることに加え、表1の案件ファイルにある顧客番号が当該案件と同じでなければ同一顧客とはいえない。したがって、顧客番号に関する条件は、顧客番号が当該案件の顧客番号と同一であることです。
設問3(②)
参照対象は、同一顧客の別案件のうち、現在もりん議が進行している案件です。本文では受付後、作成中、回付中という案件ステータスで進行状況を管理しているため、案件ステータスが「受付」「作成中」又は「回付中」であることが条件になる。公式解答例もこの三つの状態を示している。
学習のポイント
業務課題をシステム機能とデータ属性に結び付けて読む力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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