SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和元年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
条件が適用される範囲を確かめる
業務の仕組みを検討するときは、記述された条件がどの範囲に当てはまるのかに注目しましょう。一つの条件を全体に広げて受け取らず、与えられた情報で確かめられる範囲を意識して整理することが大切です。
この問題で問われていること
考える際は、ある条件について述べられた内容を、その条件の外側にも当てはめていないか確認してください。適用される範囲が明記されている部分と、自分で補って受け取っている部分を区別すると、検討の前提を整えられます。
視点
条件の適用範囲とは、その条件を根拠として考えられる範囲のことです。記述から確認できる範囲と、推測で広げた範囲を分けて捉えましょう。
確認ポイント
- 条件が当てはまる範囲を確認したか
- 限定された内容を全体へ広げていないか
- 適用範囲を自分の推測で補っていないか
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解説
本問は、測定機器を貸し出すK社のレンタル契約システム再構築を題材に、現行業務と部門の要望を具体的な機能要件へ落とし込む問題です。校正の完了時期と有効期限から機器の引当条件を定め、決裁状況と開始希望日から自動引当の対象受注を抽出します。さらに、付属品欠落時の顧客合意、長期レンタルの満了案内条件、終了処理を待って行う自動延長、購入機器と受注情報の対応付けを読み取ることが要点です。
問題の全体像
K社は、法人顧客に測定機器をレンタルし、契約管理と物流在庫管理に別々のシステムを利用しています。契約システムの老朽化に伴う再構築では、決裁や引当、満了案内、延長処理をシステム化し、物流在庫管理システムとも連携します。公式の出題趣旨では、現行業務を正しく理解し、部門の要望から必要なシステム機能を設計する能力が問われています。各設問では、本文の業務ルールを抽出条件や実行時期、例外処理、機能間の対応付けとして具体化することが必要です。
設問1(1)
機器管理部門の記述にある「校正が完了するまで出荷しない」と「校正有効期限を超えてレンタルすることはない」に着目します。機器ごとに校正に必要な日数が異なるため、引当時には出荷までに校正を完了できるかを確認します。また、貸出期間全体が校正有効期限内に収まる必要があります。公式解答例では、①「出荷までに校正が完了する機器」、②「レンタル終了予定日が校正有効期限を超えない機器」です。いずれも30字以内で、比較する時点を明確にしています。採点講評では、本文を引用するだけでなく、引当可能な機器を判定する条件として整理することが求められています。
設問1(2)
ここで抽出する対象は受注情報です。営業部門の要望にある「決裁が下りた受注情報を対象」と、現行の引当業務にある「レンタル開始希望日の15日前から引当を開始」を組み合わせます。公式解答例では、①「決裁が下りていること」、②「レンタル開始希望日まで15日以内であること」です。どちらも25字以内です。設問で示された未引当の条件も含め、三つの条件を全て満たす受注情報を抽出します。「15日前から」という業務ルールを、抽出時点から開始希望日までの日数の条件に変換するのがポイントです。
設問2(1)
引当業務では、説明書などの付属品が欠けている機器は原則としてレンタルせず、その状態で貸し出すことを顧客と合意した場合に限りレンタルできます。引取業務でも、このような機器は条件付の機器として登録されます。この例外は営業担当者による個別確認が必要なので、手動引当の対象になります。公式解答例では「付属品が欠けている機器」で、15字以内です。
設問2(2)
表1の手動引当機能では、一覧から個々の機器の状態を表示できます。その理由は、営業担当者が欠けている付属品などを確認し、その状態でレンタルすることについて顧客と合意する必要があるためです。公式解答例では「機器の状態を顧客と合意する必要があるから」で、25字以内です。答案では、状態を確認するという操作だけでなく、確認した状態について顧客との合意が必要になるという業務上の目的まで示します。
設問3
現行の満了業務では、短期レンタルは期間満了時に終了し、長期レンタルに対して満了案内確認書を送付します。長期レンタルの定義は6か月以上で、送付日はレンタル期間満了月の3か月前の第一営業日です。表1でも毎月第一営業日に対象を抽出するとしています。したがって、公式解答例では、①「レンタル期間が6か月以上であること」、②「3か月後がレンタル期間満了月であること」です。いずれも25字以内です。抽出条件には、契約の期間区分と、処理する月から満了月までの関係を示します。
設問4
営業部門の要望には、顧客から終了通知があった場合、毎月15日までに営業担当者が必要な処理をするとあります。自動延長を15日の夜間に実行すれば、その日までの終了処理を反映した上で延長対象を抽出できます。公式解答例では、延長しない場合の担当者の処理期限が理由として示されています。35字以内の答案では「延長しない場合は毎月15日までに営業担当者が必要な処理をするから」とまとめられます。採点講評では、「15日前までに引当するから」という解答は、延長処理の実行時期とは直接関係しないと指摘されています。
設問5
現行の引当業務では、在庫がない場合に当該受注情報へ引き当てる機器の購入を依頼し、購入後に引き当てます。表1の購入機能で受注情報を識別する番号を登録するのは、購入した機器の引当先を特定するためです。公式解答例では「自動引当機能」とされており、設問の指示どおり表1の機能名を用いる答案は「自動引当」です。利用する目的は「購入した機器を対象の受注情報に引当すること」と25字以内で示せます。採点講評では、「見積」や「受注」という解答が見られたとされ、購入機器をどの受注へ割り当てるかという機能間の関係を理解することが求められています。
学習のポイント
業務上の制約を日付や状態の判定条件に変換する練習が重点です。機器と受注情報の条件を区別し、手動処理の期限と自動処理の順序、例外時の顧客合意、機能間で番号を連携する目的を整理しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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