SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和元年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
業務処理とデータ連携の整合性
業務の各段階で生じる情報が、誰の操作を起点に、どの処理を経て次の担当や記録へ渡るのかを時系列で整理し、現場の運用とシステム上の記録が矛盾しないかを確認しましょう。
この問題で問われていること
一つの業務上の出来事に注目し、入力された情報が後続処理へ引き継がれる過程で、必要な記録の対応関係と確認タイミングが保たれているかを、全体の流れに沿って見極めましょう。
視点
業務を開始する契機、関係者が行う処理、生成・更新される記録、次の処理へ渡る条件を順に並べます。そのうえで、現場の出来事とデータの状態を対応づけ、途中で情報の抜けや重複が起きない観点から整理します。
確認ポイント
- 処理の起点となる業務上の出来事は何か。
- その出来事に対応する記録が、どの段階で作成または更新されるか。
- 次の処理へ渡る情報と、現場で確認できる事実が一致しているか。
正解と解説を見る
解説
RFタグで容器単位の状態を管理し、容器の購入から回収・検査までの業務を効率化する問題です。各設問では、状態遷移、ファイル属性、RFタグの読込み特性、使用期限の算出条件を本文から正確に拾うことが重要です。
問題の全体像
D社は、化学品を詰めた容器を顧客へ出荷し、空容器を回収して再利用している。新しい容器管理システムでは、RFタグを容器に貼付し、購入、保管、充填、出荷、回収、検査などの状態を容器単位で管理する。設問は、容器倉庫へ入庫できる状態、製品マスタや容器状態管理ファイルの属性、RFタグの一括読込み漏れへの対応、タグ再利用の処理、出荷実績や使用期限警告の条件を問う。公式解答例では、業務記述とRFタグ・ファイルの仕様を対応させて解答することが求められている。
設問1(1)
容器保管処理では、化学品の充填が可能になった容器を容器倉庫へ入庫する。本文では、購入直後の容器の状態を「未使用」とし、洗浄・検査に合格した容器の状態を「合格」としている。いずれも充填前に容器倉庫へ入庫できる状態なので、公式解答例は「未使用,合格」としている。一方、「容器倉庫入庫」や「回収」は、既に入庫済み又は回収後の状態であり、ここで問う入庫可能な状態には当たらない。
設問1(2)
出庫する容器数は、当日の化学品の生産総量を、製品マスタに登録された容器一個当たりの標準充填量で割って求める。また、化学品ごとに使用する容器種が一意に定められているため、対象となる容器種も必要です。表1の属性名で答えるため、公式解答例は「容器種コード,容器一個当たり標準充填量」としている。
設問2(1)(一致するケース)
容器回収処理では、まずゲートアンテナでRFタグを一括読込みし、その読込み件数を容器返却書の返却数と比較する。不一致時にHTで個別読込みへ切り替えた後、個別読込み件数が返却書の数と一致するのは、実際の容器数は正しく、ゲートアンテナの一括読込みで一部のタグだけが読み漏れた場合です。30字以内では「RFタグの一括読込みで読込み漏れが発生したとき」と要素を絞る。
設問2(1)(不一致になるケース)
個別読込みに切り替えても返却書の数と読込み件数が一致しない場合は、ゲートアンテナの漏れだけでは説明できない。本文の処理手順から、容器返却書に記載された返却数と実際に回収された容器の数が異なる場合だと分かる。公式解答例も「容器返却書の容器返却数と実際の容器の数が違っているとき」としている。
設問2(2)
不合格容器は廃棄するが、貼付されていたRFタグは再利用する。RFタグの容器情報領域には書込みロックが掛かっているため、単に消去するのではなく、まず書込みロックを外し、その後に容器情報領域をクリアする必要がある。30字以内では、この二つの処理を明示する。公式解答例は「書込みロックを外して,容器情報領域をクリアする処理」としている。
設問3(1)
積込指示データとRFタグ情報を照合する。積込対象製品が正しいかを判断するには、受注した出荷単位を特定する「受注伝票番号」と、製品そのものを特定する「製品コード」が必要です。図1のRFタグには両方があり、表1の属性名で全て答えるため、公式解答例は「受注伝票番号,製品コード」としている。ロット番号や充填日は、本文の照合条件として示されていない。
設問3(2)
検品に合格した製品について、容器状態管理ファイルの状態を「出荷」に変更すると記載されている。その後、HTで検品を完了した実績データを販売管理システムへ取り込む流れなので、空欄aには、その実績を出荷実績として計上する処理を入れる。公式解答例は「出荷実績を計上する」としている。
設問3(3)(b)
警告対象は顧客の下にある製品です。販売管理システムの改修では、顧客へ出荷した時点で容器状態管理ファイルの容器状態区分を「出荷」にするため、空欄bは「出荷」となる。公式解答例もこの状態区分を示している。
設問3(3)(c)
使用期限は、製品が充填された日から、製品マスタの「製品使用可能日数」だけ経過した日です。したがって、空欄cは表1の属性名を用いて「充填日から製品使用可能日数後の日付」と表す。本文の「充填日」と製品マスタの使用可能日数を組み合わせて期限を算出する点が着眼点です。
学習のポイント
業務プロセス、データ項目、状態区分を本文の根拠と結び付けて読む力を身に付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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