SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
令和元年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
自動倉庫を整理する一つの視点
自動化された倉庫を考えるときは、個々の機器名に引きずられず、現場の情報がどこで扱われ、判断や作業へどうつながるかという流れに注目して整理します。全体の役割分担を同じ基準で見比べることが大切です。
この問題で問われていること
確認する観点は、入出庫に関する情報の流れと各役割の対応関係です。収集、判断、実行、結果の確認が、どの順序と関係で結び付くかを丁寧に追い、処理の前後で何が受け渡されるかを確かめてください。
視点
システムを、現実の対象・情報の収集・判断・作業・結果の確認という役割のつながりとして捉えます。役割同士の境界と情報の受け渡しを比べると、構成と運用を落ち着いて整理できます。
確認ポイント
- 現場で起きる事実と、システムが扱う情報を区別して見る
- 情報を受け取る役割と、それを次の処理へ渡す役割を確認する
- 判断や作業の後に、結果を確かめて次へ反映する関係を追う
正解と解説を見る
解説
冷凍倉庫の厳しい環境と多品種ピッキングの問題に対し、固定フローラック、Hロボット、IoTによる集中管理、AIによる作業改善を組み合わせたNWHシステムの設計を問う問題です。
問題の全体像
従来システムはラックを作業者の場所へ運び、作業者が冷凍倉庫内でピッキングしていた。そのため作業者の負担や、多品種注文時の待機ラック増大が問題となった。NWHシステムでは、商品を箱詰め冷凍品に限定し、固定したフローラックをHロボットが巡回して補充・ピッキングする。設問は、この変更に伴う商品条件、在庫管理、ロボットが必要とする情報、集中管理、AI活用の目的を確認している。
設問1(1)
本文は、箱詰めされた冷凍商品に限定することでピッキングを確実に行う方針を示している。多様な形状の商品では無人ピッキングが難しいという前段の問題と結び付け、「ピッキングを確実にしたいから」とまとめる。20字以内なので、冷凍環境への耐性ではなく、箱詰めによる把持・認識の確実性に絞る。
設問1(2)
先入れ先出しは、傾斜した棚板とローラを備えたフローラックの商品移動によって実現する。本文の「先に入庫した商品から出庫されるようにする」と、商品収納にフローラックを用いる仕様を対応させ、公式解答例の「商品の収納にフローラックを用いたこと」に至る。
設問2(1)
マーカだけでは停止対象を特定できないため、各マーカがどのフローラックに対応するかの対応情報が必要になる。本文には、各フローラックに対応した停止位置・分岐位置にマーカを設けるとあるので、「マーカとフローラックを対応させた情報」と答える。採点講評でも、マーカ単独またはフローラック単独ではなく、両者の対応関係が要点とされている。
設問2(2)
Hロボットは一回の走行で最大5件の配送先の商品を扱い、配送箱のバーコードと配送先情報をリンクする。したがって、どの商品をどの配送先の箱へ入れるかを判断できる「配送先ごとの個別商品情報」を事前に受信する。単なる配送先情報だけでなく、配送先と個別商品との対応まで含める。
設問3(1)(a)
ピッキングの失敗率を下げるため、把持時間や失敗回数だけでなく、作業の様子を後から分析できるデータも収集する。本文はAIによる画像認識を利用すると述べているため、空欄aは「動画撮影」となる。
設問3(1)(b)
検品用監視カメラは、商品の間違い、異常に加えて、配送箱への収納状態を確認する。表2には配送箱からの商品はみ出しを確認するとあるため、空欄bは「配送箱からのはみ出し」となる。
設問3(2)
充電を各Hロボットの個別判断に任せず管理・制御部が指示するのは、故障や稼働停止時間を考慮し、全体の作業を妨げない順序・タイミングで充電するためです。公式解答例の「Hロボットの充電を最適なスケジューリングで行うため」という目的を押さえる。
設問3(3)
特定のHロボットを一時停止させて衝突を避けるには、各ロボットがどこを走行しているかを把握する必要がある。したがって監視対象は「Hロボットの位置情報」です。バッテリ残量や作業結果ではなく、走行制御に直接関係する情報を答える。
設問3(4)
収集データは単一ロボットの記録保存が目的ではなく、多数のHロボットの作業結果をAIで分析し、把持時間や失敗などのピッキング上の問題点を見つけて改善するために用いる。40字以内では、データの集約、AI処理、ピッキング改善の因果関係を簡潔に示す。採点講評でも、単に問題点を発見するだけでなく、改善につなげる目的が重視されている。
学習のポイント
業務上の問題を機能仕様へ結び付け、短い答案で原因と目的を明確に表現する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針