SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

令和元年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問16

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

グラントバックの説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    異なる分野で特許技術をもつ事業者同士が技術供与協定を締結し,互いに無償で特許の実施権を許諾すること
  2. イ
    自社固有のビジネスモデルに関してビジネスモデル特許を取得した上で,無償で広くその利用を許諾すること
  3. ウ
    ライセンスを受けた者が特許技術を改良して,新たに取得した特許について,ライセンスを与えた者へ譲渡する義務を課すこと
  4. エ
    ライセンスを受けた者が特許技術を改良して,新たに取得した特許は,ライセンスを与えた者に実施権が許諾されること
解き方のヒントを見る

契約条項の主体と向きを読み解く

契約上の条項は、誰が誰に対して何を認めたり制限したりしているのかという関係で意味が決まります。言葉の印象だけで判断せず、条項が当事者間のどの関係を定めているかを一つずつ丁寧に読み取ることが検討の出発点になります。

この問題で問われていること

問われているのは、用語そのものを暗記しているかよりも、条項の文言から当事者それぞれの立場と、許される行為・求められる行為の向きを正しく読み分けられるかという点です。主語と相手方を意識して読むことが鍵です。

視点

知的財産の取引では、権利を持つ側と利用する側がいて、契約の各条項はその間の約束を表します。条項を理解するときは、誰が行為の主体か、その行為が誰に向けられたものか、許可・義務・制限のどれを定めた文か、という文の構造に分けて捉えます。こうすると、似た言葉の条項同士でも意味の違いを整理しやすくなります。

確認ポイント

  • 条項の文言で行為の主体となっている当事者がどちらかを確認する
  • その行為や約束が誰に対して向けられたものかを確認する
  • 許可・義務・制限のどれを定めた文なのかを文末の表現から確認する
正解と解説を見る

正解

エ

解説

グラントバックとは、ライセンスを受けた者が対象技術を改良して取得した新たな特許について、元のライセンス提供者にも実施できる権利を認める契約上の仕組みです。

理由

元の特許技術を利用した者が改良を行い、その結果として新しい特許を取得した場合に、ライセンスを与えた者へその特許の実施権を認めるのがグラントバックです。

比較

特許技術を相互に利用する協定や、ビジネスモデル特許の無償開放とは異なる。また、新しい特許そのものを譲渡させる義務ではなく、実施する権利を許諾する点が重要です。

選択肢ア

これは不正解だよ。異なる分野の特許技術をもつ事業者同士が、互いに特許の実施を許諾する内容は、双方の技術を利用し合う相互ライセンスの説明である。利用者が改良した技術について、元のライセンス提供者に権利を認めるグラントバックとは仕組みが異なる。

選択肢イ

これは不正解だよ。自社のビジネスモデルについて特許を取得し、その利用を無償で広く認めることは、特許の公開的な利用許諾に関する説明である。グラントバックのように、ライセンスを受けた者による改良発明と、その権利関係を扱う内容ではない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。ライセンスを受けた者が改良して取得した特許を、ライセンス提供者へ譲渡する義務を課す内容は、特許権そのものの移転を示している。グラントバックで認められるのは、通常、新しい特許を実施する権利であり、特許権の譲渡ではない。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。ライセンスを受けた者が特許技術を改良して新たな特許を取得した際、その特許についてライセンス提供者にも実施権を認める仕組みがグラントバックである。特許そのものを譲渡するのではなく、実施できる権利を許諾する点がこの用語の要点である。

学習のポイント

改良発明に関する実施権と、特許そのものの譲渡を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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