SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成30年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
検討する対象の範囲をそろえる
検討を始める前に、何を対象として考えるのか、その範囲を確かめましょう。広い範囲の話と一部分の話が混ざっていないかに注目し、与えられた情報の中で、同じ範囲に関わる内容を整理すると考えやすくなります。
この問題で問われていること
この分野の課題を考える際は、検討対象の範囲が途中で変わっていないかを確認しましょう。ある内容を別の範囲にも当てはめたくなったときは、そこまで含めて考える根拠が与えられているかを立ち止まって確かめてください。
視点
対象の範囲とは、今回の検討に含める内容の広がりです。範囲が異なる内容をひとまとめにせず、どこまでを扱う話なのかを意識して整理しましょう。
確認ポイント
- 今回の検討で扱う範囲を確認したか
- 範囲の異なる内容を混ぜて考えていないか
- 与えられた根拠を超えて対象の範囲を広げていないか
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解説
本問では、人材開発関連の三つのシステムを改善するために、業務の時系列から運用上の問題を特定し、利用場面に応じた連携要件を導く。さらに、異なる主キーをもつ情報の照合と、過去の受講日数を正しく集計するための履歴管理を考える。
問題の全体像
A社は人材開発の高度化に向け、目標管理・受講管理・資格管理の三つのシステムを改善する。現行運用には、昇進時研修の案内時期や異動前の所属表示に問題があり、改善では推奨講座の表示、受講申込みへの連携、資格情報の取込みなどが求められる。公式の出題趣旨では、現行システムを理解した上で、利用者のニーズや将来の変更をシステム要件としてまとめる能力を評価するとしている。
設問1(1)
昇進時研修は4月上旬に開催されるが、昇進者が決まるのは3月中旬です。開催5週間前には受講者が決まっていないので、通常の案内メール送付時期に対応できない。公式解答例では「開催5週間前に案内メールを送付する運用」を挙げている。25字以内では、この送付時期と運用内容を押さえる。
設問1(2)
新入社員研修と昇進時研修は、本人が申し込まず、人事部から情報を入手し次第、人材開発部が受講者を登録する。この情報入手時点なら昇進時研修の受講者が分かるため、案内メールもその時点で送付する。公式解答例では「人事部から情報を入手し次第、受講者に案内メールを送付する。」としている。35字以内では、情報入手を送付の契機にする点を示します。
設問1(3)(受講者)
社員基本情報は、人事異動の発令日の3営業日前に変更情報が連携され、直ちに更新される。したがって、所属表示の問題が生じる対象は、その人事異動によって所属が変わる社員です。公式解答例では「人事異動の発令を受けた社員」としている。20字以内では、人事異動の対象者であることを明確にする。
設問1(3)(タイミング)
変更後の所属は発令日の3営業日前に登録されるが、実際に異動が発効するのは発令日です。その間に開催される講座の名簿を再出力すると、開催日時点ではまだ旧所属なのに、新所属が表示される。公式解答例では「異動発令日の3営業日前から前日までに開催される講座」としている。採点講評でも、異動後に旧所属が出るという逆の説明が多かったと指摘している。30字以内では、この期間を正確に示す。
設問2(1)
当初の要望は、目標確認画面から当期推奨講座一覧などを参照できるようにすることです。整理後の要件では、面談中に受講を合意した講座を選択し、そのまま受講管理システムで申込手続を行う機能が追加されている。公式解答例では「当期推奨講座一覧から受講管理システムに連携すること」としている。30字以内では、一覧から申込みにつながる連携を示します。採点講評でも、既存の要望を満たす対応と新たな要件を区別する必要性を指摘している。
設問2(2)(a)
表2の項番1では、社員基本情報から推奨講座を選ぶための条件を取得する。改善要件で社員基本情報に追加されるのは「専門分野」と「レベル」であり、項番2では同じ条件をもつ講座を講座レベル情報から取得する。公式解答例ではaは「専門分野」です。aとbは順不同とされている。
設問2(2)(b)
専門分野が同じでも、社員の習熟度に合った講座を選ぶ必要がある。本文では社員の専門分野とレベルに合致した講座を推奨するとしているため、専門分野と組み合わせるもう一つの条件は「レベル」となる。公式解答例ではbは「レベル」であり、aとbは順不同とされている。
設問2(2)(c)
表2の項番3は、推奨講座から当該社員が既に修了した講座を除外する処理です。受講履歴は申込みや受講状況も含む一方、修了履歴は講師が修了と判定した場合に登録される。修了の事実を確認する情報なので、公式解答例ではcは「修了履歴」としている。空欄の後に「情報」があるため、記入する字句は「修了履歴」となる。
設問2(2)(d)
項番3では修了履歴情報から、当該社員が修了した講座を取得し、項番2で抽出した講座から除く。これにより、専門分野とレベルが合致し、かつ未修了の講座だけが当期推奨講座一覧に残る。公式解答例ではdは「修了した講座」です。申込み済みの講座ではなく、修了した講座を除外する点に着目する。
設問2(3)
試験主催者の情報は受験番号を主キーとする。一方、表1の取得資格情報は社員番号と資格名を主キーとしており、受験番号だけでは登録先の社員を直接識別できない。公式解答例では、主キーが異なる二つの情報をどう照合するかが課題とされている。30字以内なら「主キーが異なる二つの情報をどう照合するか。」と要点を示せる。漢字氏名や生年月日は照合を検討する材料だが、公式解答例は特定の照合方法まで示していない。
設問3(機能)
現行システムでは、年度末に社員個人別の過去3年間の年間受講日数一覧表を出力する。講座基本情報には講座日数があり、過去の受講日数を集計するには受講当時の日数が必要となる。このため、講座の変更履歴を保持できない影響を受けるのは、この一覧表の出力機能です。公式解答例も同機能を挙げている。25字以内なら「過去3年間の年間受講日数一覧表の出力機能」と示せる。
設問3(不具合の内容)
適用開始日を主キーに加えなければ、同じ講座番号について変更前後の講座基本情報を別々に保持できず、更新によって古い講座日数が失われる。その結果、過去の受講実績にも変更後の日数を使ってしまい、年間受講日数を正しく計算できなくなる。公式解答例では、講座日数の変更時に年間受講日数が正しく計算できない不具合を挙げている。40字以内なら「講座日数の変更時に過去の年間受講日数を正しく計算できない。」と示せる。採点講評でも、履歴の消失と過去3年間の集計を結び付ける必要性を指摘している。
学習のポイント
業務上の発効日と情報更新日の違い、要望と追加要件の対応、情報連携時の識別方法、履歴保持と過去集計の関係を学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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