SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成28年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




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変更の検討を前提から整理する
業務やデータ処理の変更を考えるときは、判断の根拠となる前提に注目しましょう。慣れた運用から補った想定と、与えられた条件とを区別し、どの前提に基づく検討なのかを確かめることが大切です。
この問題で問われていること
変更について検討する際は、その判断が与えられた条件に支えられているかを確認しましょう。条件から分かる範囲を越えて、経験や一般的なイメージを前提に加えていないか、一度立ち止まって点検してください。
視点
前提とは、検討の出発点として置く条件です。与えられた条件と自分が補った想定を分けて整理すると、判断の根拠を確かめやすくなります。
確認ポイント
- 判断の前提を言葉にできているか
- その前提の根拠を条件の中で確認できるか
- 慣れた運用を無意識に前提へ加えていないか
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解説
不定貫商品の導入では、計量後の金額を納品データに反映し、値札の店舗名に従って仕分ける必要があります。商品マスタには商品区分を追加し、検品差異は実納品の原価・売価で補正します。
問題の全体像
約500店舗を展開するA社が精肉販売を始めるため、仕入れ納品システムと取引先B社の加工ラインを変更する事例です。従来の定貫商品は商品1個当たりの単価が一定ですが、不定貫商品は個包装ごとに内容量と価格が異なります。この違いが、価格の確定時点、店舗別ピッキング、検品差異の金額補正に影響します。公式の出題趣旨では、業務要件の変更を正しく理解し、業務フローやファイルレイアウトの設計へ結び付ける能力を問うとされています。
設問1(1)
〔変更の概要〕にある、B社が計量値付機で計量し、納品伝票データと納品明細データを更新する流れに着目します。不定貫商品では100グラム当たりの単価が決まっていても、各パックの実際の重量が分からなければ価格は確定しません。そのため、B社で計量結果を反映したデータをA社へ送り、本部のファイルを更新する必要があります。公式解答例では「不定貫商品の価格を確定させる必要があるから」としています。25字以内の答案では、価格の確定が必要であることを押さえます。
設問1(2)
商品マスタには、定貫商品と不定貫商品を判別するための情報が必要です。両者では単価の意味や検品差異の金額補正方法が異なるため、商品ごとに処理を選べるようにします。公式解答例は「定貫商品か不定貫商品かを表す区分」で、20字以内に収まります。採点講評では、「内容量」といった誤答が見られたと指摘しています。ここでは個包装の計量情報ではなく、処理の違いを判断する区分を答えます。
設問1(3)
表1の商品マスタにある「原単価」「売単価」と、〔変更の概要〕の「100グラム当たりの単価は決まっている」という記述を対応させます。従来は商品1個当たりの金額でしたが、不定貫商品では重量に応じて価格を計算するための単価として扱います。公式解答例では、属性名は「原単価」「売単価」、共通する意味は「100グラム当たりの金額を表します。」です。意味の説明は20字以内で、基準となる重量と金額の関係を明示します。
設問2(1)
計量値付機が商品ごと・店舗ごとに処理し、その結果で納品データを更新する点に着目します。不定貫商品は同じ商品コードでもパックごとに価格が異なります。従来どおり数量だけを基準に店舗別ピッキングすると、計量時にその店舗へ割り当てたパックと別のパックが選ばれ、数量が合っていても実物の価格と納品伝票の価格がずれる可能性があります。公式解答例では、この価格の不一致を不都合としています。40字以内の答案では「実際に納品された商品の価格と納品伝票の記載価格が一致しない。」と要点をまとめられます。採点講評では、ピッキングを値札発行などを含む一連の作業と誤解した答案や、数量と内容量を混同した答案が指摘されています。
設問2(2)
不定貫商品の値札には販売する店舗の店舗名が追加され、計量値付機には1店舗分の情報を送って処理することに着目します。値札の店舗名に従って仕分ければ、計量結果としてその店舗の納品データに計上されたパックを、その店舗へ納品できます。公式解答例は「値札に印字された店舗名を見てピッキングする。」で、25字以内に収まります。採点講評でも、数量だけでなく個々のパックの納品先を意識する必要があるとされています。答案には、判断に使う情報が値札の店舗名であることを明記します。
設問3(1)
表2の従来処理では、商品マスタの原単価・売単価に実納品数量を掛けて、検品差異発生後の金額を求めています。しかし、不定貫商品では個包装ごとに原価・売価が異なるので、実納品数量だけでは、どの価格のパックが実際に届いたか分かりません。そこで、実際に届いた商品の原価と売価を商品単位に合計し、実納品原価・実納品売価として送ります。公式解答例は「商品ごとに原価,売価が異なり,数量だけでは算出できないから」です。35字以内の答案では、個包装ごとの金額差と、数量だけでは金額を算出できないことを結び付けます。採点講評でも、定貫商品と同じ方法では計算できない点が重視されています。
設問3(2)
表3は、検品差異データに追加した実績金額で納品明細データの金額を書き換える処理です。公式解答例では、a=「実納品原価」、b=「実納品売価」、c=「納品明細」、d=「原価」、e=「売価」です。文をつなぐと、検品差異データの実納品原価・実納品売価で、納品明細データの原価・売価を書き換えることになります。その前後の差額を納品伝票へ反映し、原価の差額は買掛金明細・買掛金合計にも反映します。公式解答例の備考ではa・bとd・eはそれぞれ順不同とされていますが、処理としては原価同士、売価同士を対応させて理解します。
学習のポイント
数量と重量、単価と金額を区別し、業務の変更をマスタ属性・データ連携・更新処理へ結び付けることが重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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