SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
平成28年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問19
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア管理者が,システム全体の状況を常に把握でき,システムを構成する個々のコンピュータで起きた障害をリアルタイムに知ることができること
- イ個々のコンピュータでの障害がシステム全体に影響を及ぼすことを防ぐために,データを1か所に集中して管理すること
- ウどのコンピュータで障害が起きてもすぐ対処できるように,均一なシステムとなっていること
- エ利用者が,個々のコンピュータに障害が起きていることを認識することなく,システムを利用できること
解き方のヒントを見る
判断に用いる前提を確かめる
分散処理システムについて考えるときは、判断に用いる前提がどこから得られたものかに注目しましょう。提示された条件と、自分の知識や経験から補った条件を区別し、根拠のない想定が混ざっていないか確かめます。
この問題で問われていること
この問題では、判断の根拠として使う条件が、与えられた情報に含まれているかを意識してください。用語への印象だけで前提を補わず、自分が置いた想定と明示された条件を分けて捉えることが、検討の出発点になります。
視点
前提とは、考えを進める際に土台として置く条件です。明示された条件と、自分で補った想定を区別すると、何を根拠に判断しようとしているかを整理できます。
確認ポイント
- 判断に使っている前提を把握できているか
- その前提が与えられた情報のどこに基づくか
- 明示された条件に自分の想定を混ぜていないか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
障害透明性とは、分散システムを構成する個々のコンピュータに障害が発生しても、利用者がその障害を意識せずにシステムを利用できる性質をいう。したがって、利用者側から見た障害の隠蔽とサービス利用継続がポイントです。
理由
分散処理システムでは、構成要素の一部に障害が起きても、代替処理などによって利用者への影響を意識させずにサービスを継続できる場合がある。この利用者から見た障害の隠蔽が障害透明性です。
比較
アは管理者が障害を把握する監視の説明、イはデータを集中管理する方式の説明、ウはシステム構成の均一性に関する説明であり、障害透明性そのものを表していない。エは利用者が障害を認識せず利用できることを述べており、定義に合致する。
選択肢ア
これは不正解だよ。管理者がシステム全体を監視し、個々のコンピュータの障害をリアルタイムに把握することは、障害監視や運用管理に関する説明である。利用者が障害を意識せずにサービスを利用できるという障害透明性の説明にはなっていない。
選択肢イ
これは不正解だよ。個々のコンピュータの障害による影響を防ぐためにデータを1か所へ集中管理することは、データ配置や管理方式の説明である。分散システムの内部構成を述べているだけで、利用者から障害を見えにくくする性質そのものではない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。どのコンピュータで障害が起きてもすぐ対処できるように均一なシステムにすることは、構成や運用の統一に関する説明である。均一な構成であることだけでは、利用者が障害を認識せずに利用できるとはいえない。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。分散システムを構成する個々のコンピュータに障害が起きても、利用者がその障害を認識することなくシステムを利用できることは、障害の影響を利用者から見えなくする性質である。これは障害透明性の説明に合致する。
学習のポイント
障害透明性は、管理者向けの監視機能ではなく利用者から見た障害の影響を抑える概念として覚える。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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