SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成27年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
移行範囲と連携依存を見極める視点
移行単位を考えるときは、対象データのまとまりだけでなく、前後の処理や連携先との関係を確認し、段階化した場合の影響を整理することが重要です。判断は単独の用語ではなく、業務の流れ全体との整合性で行います。
この問題で問われていること
選択肢を読む際は、移行対象の区切り方と、周辺システム・業務との依存関係がどのように整理されているかという一点に注目し、説明の前提と影響範囲が一貫しているかを見ます。
視点
移行の検討では、対象をどの範囲でまとめるか、その境界が業務の流れや情報の受け渡しとどう関係するかを整理します。区切り方だけで判断せず、関係する作業、時点、責任範囲を同じ視点で確認すると、選択肢の説明を比較しやすくなります。
確認ポイント
- 移行対象の範囲が明確に区切られているか
- 関連する業務やシステムとの依存関係を確認する
- 移行の段階と全体への影響が整合しているか
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解説
分散型の現行システムから集中型の新システムへ、営業所を順次移行する事例です。互換性、業務の再実施可否、処理時期の違いを根拠に移行方法を考える。
問題の全体像
B社は、各営業所にサーバを置く現行システムから、M社データセンタの集中型新システムへ移行する。1月から6月まで本社は両システムを併用し、営業所は順次切り替える。問題の中心は、営業所間の業務継続、現行・新システム間のデータ互換性、自販機データの一回性、注文や手数料処理のタイミングを踏まえて、安全な移行方法を判断することです。
設問1
着目点は、在庫管理業務の中に、同じ営業所グループの他営業所から商品を融通してもらう処理があることです。融通では、商品を受ける営業所で入庫登録し、渡す営業所が承認するため、利用システムが異なると処理を連携できない。したがって、公式解答例は業務名を「在庫管理業務」、理由を「営業所が利用しているシステムが異なると、商品の融通ができなくなるから」としている。
設問2(1)
本社では従業員、自販機、商品などのマスタを両システムで維持する必要がある。本文では、両システムのマスタに互換性がない一方、手作業などで移行可能とあるが、本社システムのトランザクションデータは互換性がなく、新システムで読み込めない。したがって、公式解答例は「本社システムのトランザクションデータは新システムでは読み込めないから」または「互換性がないから」としている。
設問2(2)
一度HTと自販機を通信させると、自販機が保持する売上情報がクリアされる。このため、売上金回収後の売上計上業務は同じ売上情報を再取得できず、商品補充業務も売上情報から算出する補充数を再計算できない。公式解答例は、業務名を「売上計上業務」「商品補充業務」、理由を「自販機はHTと通信すると売上情報をクリアする」「売上情報が1回しか取得できず、補充数が算出できない」としている。
設問2(3)
新システムでは、手数料計算書の印刷・送付と手数料振込みを本社で一括して行う。したがって、移行期間中に現行システムを使う営業所でも、営業所ごとの手数料支払業務は不要になる。公式解答例は、業務名を「手数料支払業務」、理由を「本社で一括して行う」としている。
設問3(1)
12月31日に全営業所で手数料計算をすると、営業所の切替時期によって12月分の手数料計算書が分かれる。そこで、12月の締日までは既に計算対象となっているため、締日の翌日から12月末までの売上を新システムへ引き継いで処理する。公式解答例は「12月の締日の翌日から末日までの自販機のトランザクションデータ」としている。
設問3(2)(異なる点)
現行システムでは営業所の注文を朝に本社へ転送し、本社が朝10時にM社へ発注する。一方、移行期間中は現行システムの営業所注文を夜間に新システムへ転送し、新システムから発注する。そのため、公式解答例は発注タイミングの違いを「1日遅れて発注されること」としている。
設問3(2)(理由)
現行システムを利用する営業所の注文は、朝10時の発注処理には間に合わず、夜間に新システムへ転送される。その後の新システムの発注処理で扱われるため、処理タイミングが翌日側にずれる。公式解答例は理由を「営業所の注文を新システムに転送するのは、10時以降だから」としている。
学習のポイント
移行計画では、業務単位とデータ連携の制約を対応付けて考える。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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