SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

平成27年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問16

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム開発におけるベンダとの契約方法のうち,実費型契約はどれか。

選択肢

  1. ア
    委託業務の進行中に発生するリスクはベンダが負い,発注者は注文時に合意した価格を支払う。
  2. イ
    契約期間が長期にわたる場合などで,インフレ率や特定の商品コストの変化に応じて,あらかじめ取り決められた契約金額を調整する。
  3. ウ
    注文時に,目標とするコスト,利益,利益配分率,上限額を合意し,目標コストと実際に発生したコストの差異に基づいて利益を配分する。
  4. エ
    ベンダの役務や技術に対する報酬に加え,委託業務の遂行に要した費用の全てをベンダに支払う。
解き方のヒントを見る

契約を考える前提条件の整理

契約に関する内容を検討するときは、判断の前提となる条件を整理しましょう。一般的な知識だけで結論を急がず、どの条件の下で述べられている内容なのかを意識すると、検討の筋道を保ちやすくなります。

この問題で問われていること

着目するのは、判断に使う前提が途中で変わっていないかという点です。示された条件と自分で補った想定を分けて捉え、考えを進める際にも同じ前提を保っているか、立ち止まって確かめましょう。

視点

前提の整理とは、与えられた条件と、自分が経験や知識から補った想定を分けることです。契約について考える際も、この区別を意識し、検討の途中で条件を無意識に置き換えていないか振り返りましょう。

確認ポイント

  • 判断の前提にした条件を把握できているか
  • 示されていない想定を無意識に加えていないか
  • 検討の途中で前提となる条件を変えていないか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

公式画像の設問は「システム開発におけるベンダとの契約方法のうち,実費償還型契約はどれか。」です。入力で欠落していた「償還」を補って解釈します。正解はエで、実際に要した費用をベンダへの報酬に加えて支払う契約です。

実費償還型契約に該当する理由

実費償還型契約では、委託業務で実際に発生した費用を発注者が償還し、それに加えてベンダへの報酬を支払います。エは、役務や技術に対する報酬と、業務の遂行に要した費用の全てを支払うと説明しているため、該当します。費用が増えれば発注者の負担も増えるという特徴があります。

ほかの契約方法との比較

アは、合意した価格を支払い、業務の進行中に発生するリスクをベンダが負う定額型契約です。イは、インフレ率などの変化に応じて契約金額を調整する経済価格調整付き定額契約です。ウは、目標コストなどと上限額を合意し、実際のコストとの差異によって利益を配分する定額インセンティブ契約です。それぞれの金額決定方法を、実際の費用を償還する方式と区別します。

選択肢ア

これは不正解だよ。注文時に合意した価格を支払い、業務の進行中に発生するリスクをベンダが負うという説明なので、定額型契約に当たります。実費償還型契約は実際に要した費用を精算するため、合意した価格を支払うこの条件とは異なります。

選択肢イ

これは不正解だよ。インフレ率や特定の商品コストの変化に応じて、あらかじめ決めた契約金額を調整する説明です。これは経済価格調整付き定額契約に当たり、実際に要した費用の全てを報酬に加えて支払う実費償還型契約とは、金額を変える根拠が異なります。

選択肢ウ

これは不正解だよ。目標コスト、利益、利益配分率、上限額を注文時に合意し、目標コストと実際のコストの差異に基づいて利益を配分する説明です。定額インセンティブ契約に当たり、報酬とは別に実際の費用の全てを支払う実費償還型契約とは異なります。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。ベンダの役務や技術に対する報酬に加えて、委託業務の遂行に要した費用の全てを支払うという説明が、実費償還型契約に該当します。実際に発生した費用を償還する点が特徴であり、注文時の固定価格や目標コストとの差異だけを基準とする説明ではありません。

学習のポイント

実費償還型契約と定額型契約について、支払額の決定方法と費用増加のリスクを比較して理解しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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