SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
平成26年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問22
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア障害発生時,異常終了したトランザクションをロールバックする。
- イ障害発生時点でコミットしていたがデータベースの実更新がされていないトランザクションをロールフォワードする。
- ウ障害発生時点でまだコミットもアボートもしていなかった全てのトランザクションをロールバックする。
- エバックアップコピーでデータベースを復元し,バックアップ取得以降にコミットした全てのトランザクションをロールフォワードする。
解き方のヒントを見る
障害で失われる範囲から考える
障害の種類ごとに適した回復の考え方を整理するには、まず障害によって何が失われ、何が残っているのかを見極めることが出発点になります。この一点を丁寧に押さえると、各回復の手段がなぜ必要になるのかを自分で筋道立てて検討できます。
この問題で問われていること
問われているのは個々の手順の暗記よりも、障害の影響がどの記憶領域や記録にまで及び、どの情報がまだ信頼できる状態で残っているかという状況判断です。この判断を先に行ってから回復の方向性を考える姿勢が求められます。
視点
データベースの回復は、障害によって損なわれた部分を、損なわれていない情報を手がかりにして整合した状態へ戻す作業と捉えられます。そのため、どの手段が適するかは障害の名称だけでは決まりません。影響が及んだ範囲と、手元に残っていて信頼できる情報との組合せによって決まります。障害を「どこまで壊れたか」と「何がまだ使えるか」の二つの面から言い表せるかを確かめると、考えを整理しやすくなります。
確認ポイント
- その障害で使えなくなる情報と、影響を受けずに残る情報を、それぞれ自分の言葉で書き出せるか
- 障害の影響が一つの処理の単位にとどまるのか、それより広い範囲に及ぶのかを区別して捉えられているか
- 残っている情報を手がかりにしたとき、どの時点の整合した状態を回復の目標にするのかを説明できるか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
媒体障害では、利用可能なバックアップコピーからデータベースを復元し、バックアップ取得後にコミットされた更新をログなどから再反映するロールフォワードを行う。したがって、エが適切な回復法です。
理由
媒体障害によってデータベース本体をそのまま利用できない場合は、まずバックアップコピーを使って復元する。ただし、バックアップ取得後にコミットされた更新はバックアップに含まれないため、更新履歴を用いてロールフォワードし、障害発生前の状態に近づける。
比較
ロールバックは、主に異常終了した未完了トランザクションなどを取り消す処理です。一方、媒体障害からの復旧では、バックアップ取得後に確定した更新を再適用する処理が重要になる。
選択肢ア
これは不正解だよ。異常終了したトランザクションを取り消すロールバックは、処理途中の更新を無効にする回復処理である。媒体障害では、まず失われたデータベースをバックアップから復元し、その後に確定済みの更新を反映する必要があるため、この説明だけでは回復法として不十分である。
選択肢イ
これは不正解だよ。コミット済みでもデータベースの実更新がまだ反映されていないトランザクションを再実行する考え方は、障害時の更新反映に関係する。しかし媒体障害では、最初にバックアップコピーからデータベースを復元する手順が必要であり、その前提を欠いているため適切な説明ではない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。コミットもアボートもしていないトランザクションは、処理途中なので取り消しの対象になり得る。ただし、媒体障害では未完了処理の取消しだけでなく、バックアップ取得後にコミットされた更新を復元後のデータベースへ反映する必要があるため、この説明だけでは不十分である。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。媒体障害でデータベースを利用できない場合は、まずバックアップコピーで復元する。バックアップ取得後にコミットされた更新は復元データに含まれないため、更新履歴を用いてロールフォワードし、障害発生前の確定済み状態へ反映する。この手順が媒体障害の回復法に該当する。
学習のポイント
媒体障害ではバックアップ復元と更新履歴の再適用を組み合わせる点を理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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