SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ
平成26年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問15
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア管理層の業務から機能を抽出し,機能をエンティティとする。次に,機能の相互関係に基づいてリレーションシップを定義する。さらに,全社の帳票類を調査して整理し,正規化された項目に基づいて属性を定義し,全社のデータモデルとする。
- イ企業の全体像を把握するために,主要なエンティティだけを抽出し,それらの相互間のリレーションシップを含めて,鳥瞰図を作成する。次に,エンティティを詳細化し,全てのリレーションシップを明確にしたものを全社のデータモデルとする。
- ウ業務層の現状システムを分析し,エンティティとリレーションシップを抽出する。それぞれについて適切な属性を定め,これらを基にE-R図を作成し,それを抽象化して,全社のデータモデルを作成する。
- エ全社のデータとその処理過程を分析し,重要な処理を行っている業務を基本エンティティとする。次に,基本エンティティ相互のデータの流れをリレーションシップとして捉え,適切な識別名を与える。さらに,基本エンティティと関係のあるデータを属性とし,全社のデータモデルを作成する。
解き方のヒントを見る
検討対象の範囲をそろえて考える
全体に関わる計画を考えるときは、検討している対象の範囲が途中で変わっていないかに着目しましょう。身近な一部分の事情だけで全体を捉えていないか、与えられた情報に戻って確かめることが大切です。
この問題で問われていること
考える際には、ある部分について分かることと、対象全体について言えることの範囲を区別してください。自分が置いた前提によって対象を狭めたり広げたりしていないか、同じ範囲を保って検討しているかを振り返りましょう。
視点
対象の範囲は、考察がどこまで当てはまるかを見定めるための視点です。全体に関する判断をするときには、一部分での理解をそのまま広げていないか、考えている範囲を意識して整理しましょう。
確認ポイント
- いま考えている対象の範囲を意識できているか
- 一部分についての情報を全体へ広げていないか
- 検討の途中で対象の範囲を変えていないか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
正解はイです。全社のデータモデルは、主要なエンティティと関係によって企業全体の大枠を捉え、その後に詳細化する手順で作成します。個別システムの詳細に先立って全体像を定めることがポイントです。
理由
イは、主要なエンティティと相互のリレーションシップで鳥瞰図を作成し、次にエンティティを詳細化して全ての関係を明確にします。全体計画の立案では、このように企業全体の構造を先に捉えることで、各業務のデータを共通の枠組みで整理できます。
比較
アとエは、機能や処理を行う業務をエンティティとしており、管理対象を表すE-Rモデルの捉え方と合いません。エのデータの流れを関係とする説明は、データフロー図に近い考え方です。ウは現状システムの詳細から抽象化する手順であり、全社の大枠を先に定めて詳細化するイとは進め方が異なります。
選択肢ア
これは不正解だよ。E-Rモデルのエンティティは、顧客や商品など、データとして管理する対象を表す。機能をエンティティとし、機能の相互関係をリレーションシップとする点が不適切である。帳票を整理して属性を定義しても、機能を管理対象とする問題は解消されない。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。まず主要なエンティティとその関係から企業全体の鳥瞰図を作り、次にエンティティを詳細化して全ての関係を明確にする。全社の大枠から詳細へ進むことで、個別業務に偏らず、整合性のある全社のデータモデルを作成できる。
選択肢ウ
これは不正解だよ。現状システムから対象と関係を抽出し、属性を定めてE-R図を作り、最後に抽象化する手順は、詳細から全体へ進む方法である。既存システムの分析は参考になるが、全体計画では企業全体の主要な対象と関係を先に捉え、詳細化する手順が適切である。
選択肢エ
これは不正解だよ。重要な処理を行う業務をエンティティとし、業務間のデータの流れをリレーションシップとする点が不適切である。E-Rモデルは管理対象同士の意味的な関係を表す。処理やデータの流れを中心に捉える説明は、データフロー図に近い考え方である。
学習のポイント
E-Rモデルの管理対象と業務処理の違い、および全社の大枠から詳細へ進むモデル化の手順を理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問15(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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