SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

平成23年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問7

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

データ中心アプローチに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    データ資源の重複だけでなく,データを更新するプロセスの重複も排除することを目的としている。
  2. イ
    データとその処理手順のカプセル化に見られるように,オブジェクト指向の方法論をデータベース設計に応用しようとする試みである。
  3. ウ
    データの流れに着目してシステム分析を行い,再利用可能なモジュールを抽出することによってソフトウェアの生産性を向上させることを目的としている。
  4. エ
    プログラム設計では,構造化設計技法を用いて業務システムを機能分割する必要がある。
解き方のヒントを見る

開発手法ごとの設計の起点を見極める

開発手法の特徴を問われたときは、名称に惑わされないことが大切です。その手法が何を設計の出発点・中心に据えるのかを一つの軸として確認し、各内容がその軸と整合しているかを自分の言葉で照らし合わせましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、手法の名前と特徴を暗記で結び付けることではなく、その手法が何を中心に据えて設計を進めるかという考え方を理解しているかです。他の手法と混同していないかを意識して検討しましょう。

視点

システム開発手法は、設計の中心に何を置くかによって考え方が分かれます。ある手法の特徴を判断する際は、まず中心に置く対象を確かめます。次に、その対象を軸に他の要素をどう関係づけるかを順に考えると、手法どうしの違いを区別しやすくなります。

確認ポイント

  • その手法が設計の中心に据える対象が何かを、自分の言葉で説明できるか確認する
  • 検討中の内容が、その中心に据える対象の扱い方と矛盾していないか照らし合わせる
  • 他の開発手法の特徴を取り違えて当てはめていないか、中心となる対象の違いから見直す
正解と解説を見る

正解

ア

解説

データ中心アプローチは、組織で利用するデータを共有資源として捉え、データの重複や更新処理の重複を抑えて整合性と再利用性を高める考え方です。したがって、正しいのはアです。

理由

データ中心アプローチでは、業務で扱うデータを組織全体の共有資源として管理する。そのため、同じデータを複数箇所に持つことだけでなく、同じデータを更新する処理が各所に重複することも避け、データの一貫性を保つことを目的とする。

比較

イはデータと処理を一体として扱うオブジェクト指向の説明であり、ウはデータの流れとモジュール化を重視する説明です。エは構造化設計による機能分割の説明で、いずれもデータ中心アプローチの説明としては適切でない。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。データ中心アプローチは、データを組織全体で共有する資源として扱い、データそのものの重複を抑えるだけでなく、同じデータを更新する処理の重複も排除して、データの整合性や再利用性を高めることを目的とする。

選択肢イ

これは不正解だよ。データと処理手順をカプセル化して一体に扱うという説明は、オブジェクト指向の考え方に対応する。データを共有資源として捉え、データや更新処理の重複を抑えるデータ中心アプローチとは、重視する対象が異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。データの流れに着目してシステムを分析し、再利用可能なモジュールを抽出して生産性を高めるという説明は、データフロー分析や構造化分析・設計に関するものである。データの共有管理を中心とする説明ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。構造化設計技法を使って業務システムを機能分割するという説明は、処理機能を階層的に分割してプログラム構造を設計する考え方である。データを共有資源として管理するデータ中心アプローチの目的を述べたものではない。

学習のポイント

データ中心アプローチと、処理・機能・オブジェクトを中心とする技法の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問7(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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