SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅱ

平成23年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅱ 問6

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ソフトウェア開発における分析・設計技法と,その技法における着目点の説明のうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    DFDを用いた分析・設計技法では,データの流れに着目する。
  2. イ
    E-R図を用いた分析・設計技法では,事象と状態の変化に着目する。
  3. ウ
    HIPOを用いた分析・設計技法では,対象となるオブジェクトの関連に着目する。
  4. エ
    ペトリネットを用いた分析・設計技法では,処理機能に着目する。
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技法が何を主眼に捉えるかを確認

分析・設計技法は、それぞれ対象システムの特定の側面を表現するために考案されています。名称の印象ではなく、その技法が主に何を記述対象とし、どの観点から整理するための道具なのかという一点に絞って対応を確かめましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、技法と着目点の対応関係の妥当性です。各技法について、その記法で中心となる構成要素が何を表しているかを自分の言葉で説明できるかを確かめ、その中心が示された着目点と一致するかを一つずつ検討してください。

視点

一つのシステムでも、どの側面を切り出すかによって異なるモデルが描けます。技法ごとに「何を構成要素とし、要素どうしの何を結び付けて表すのか」を思い出すと、その技法の主眼が見えてきます。名前が似ている技法や同じ工程で使われる技法でも主眼が異なることがあります。そのため、使用する工程や名称の響きではなく、表現している対象そのものを手掛かりに区別することが大切です。

確認ポイント

  • 各技法で中心となる構成要素が何を表しているかを、自分の言葉で説明できるか
  • 名称の響きや使用工程の印象ではなく、その技法が表現する対象そのもので判断しているか
  • 示された着目点が技法の主眼そのものか、副次的に扱える事項にすぎないかを区別しているか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

DFDはシステム内を移動するデータの流れを表現する技法です。したがって、データの流れに着目するとした説明が適切であり、他の選択肢は各技法の主な着眼点を別の技法の特徴と取り違えている。

理由

DFD(データフロー図)は、外部・処理・データストアの間でデータがどのように流れるかを表します。よって、設問の「データの流れに着目する」という説明が、技法の中心的な役割と一致する。

比較

E-R図はエンティティとその関連を表す図であり、事象や状態変化を中心に扱うものではありません。HIPOは階層構造や処理内容を整理する技法で、オブジェクト間の関連を主眼としない。ペトリネットはプレース、トランジション、トークンによって状態変化や並行動作を表現するため、単に処理機能に着目するという説明とは一致しない。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。DFDは、外部の入出力、処理、データストアの間をデータがどのように移動するかを表現する分析・設計技法である。そのため、「データの流れに着目する」という説明は、DFDの目的と表現内容に正しく対応している。

選択肢イ

これは不正解だよ。E-R図は、エンティティと属性、さらにエンティティ間の関連を整理して、データの構造を表現するために用いる。事象の発生や状態の変化を中心に表す説明は、E-R図の主な着眼点とは異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。HIPOは、処理を階層的に分解し、各処理の機能や入出力を整理するための技法である。対象となるオブジェクト同士の関連に着目するという説明は、HIPOの特徴ではなく、別のモデルの観点と取り違えている。

選択肢エ

これは不正解だよ。ペトリネットは、プレースやトランジション、トークンを使って、状態の変化や処理の発生条件、並行動作などを表現する。単に処理機能に着目するという説明では、ペトリネットの表現上の特徴を正しく示していない。

学習のポイント

分析技法は名称の暗記だけでなく、何を図示し、どの観点からシステムを捉えるかを対応付けて覚える。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問6(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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