SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
判断の根拠を確かめる視点
業務改善とデータ更新について考えるときは、判断の根拠となる情報に注目しましょう。日常業務の経験や思い込みをいったん脇に置き、与えられた条件から確認できる事実に沿って考えを整理することが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、考えた内容がどの情報を根拠としているかを意識して検討しましょう。根拠として使う内容が、与えられた条件で確かめられることなのか、自分で補った前提なのかを区別すると、判断の筋道を整理できます。
視点
考えを整理する際は、その考えを支える情報に立ち戻ります。確認できる事実と自分の推測を混ぜず、根拠が曖昧な部分を、確定した条件として扱っていないか点検しましょう。
確認ポイント
- 判断を支える情報を確認したか
- 経験から補った前提が混ざっていないか
- 推測を確定した条件として扱っていないか
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解説
固定資産管理の問題を、設置場所の変更漏れ、同一シールによる個体識別の不足、遠隔地の存在確認の不確かさに分けて考える問題です。枝番による管理、照合結果の更新、移動時の状態確認、証ひょうを伴う運用を対応付けます。
問題の全体像
C社の固定資産管理では、一覧表の設置場所と現物の所在が食い違う、照合済みでも機器の数が不足する、遠隔地で存在確認した資産が回収時に見つからない、といった問題が発生しています。新システムは枝番による内訳管理と搬出・搬入の記録を導入し、遠隔地の確認は運用面で改善します。提示された出題趣旨では、業務変更仕様からシステム変更を適切に設計する能力が問われています。
設問1
〔現物照合業務の問題点〕(2)の「設置場所名の変更漏れ」に着目します。現行業務では一覧表を基に資産を探すため、移動後も旧設置場所が登録されていると、実際には存在する資産を見つけられません。公式解答例では「固定機器の設置場所移動時に,設置場所名の変更漏れがあった」としています。35字以内では、固定機器の移動と設置場所名の変更漏れを結び付けて述べます。
設問2(1)
現行業務では、同じ資産シールを複数枚発行し、スキャン回数がシール枚数に達すると照合済みになります。この方式では同じ機器を重複してスキャンしても区別できず、現物の不足を見逃し得ます。枝番をバーコードに含めれば、内訳ごとに識別して照合できます。公式解答例では、同一シールを複数枚発行している資産の現物の数が足りない問題を挙げています。35字以内では、この対象と数量不足を押さえます。
設問2(2)①
一つ目の属性は「最新現物照合実施日」です。E-R図では資産テーブルと現物照合テーブルの双方に照合の日付があり、本文には現物照合レコードに基づいて資産テーブルを更新するとあります。公式解答例では、資産テーブルの最新現物照合実施日を「現物照合レコードの現物照合実施日で置き換える」としています。更新方法は35字以内で、更新元のレコード名、属性名、置換という操作を示します。
設問2(2)②
二つ目の属性は「照合内訳数」です。毎年の照合前に内訳テーブルの現物照合実施日を初期値に戻すため、更新前の日付が初期値なら、その内訳は当年初めて照合されたと判断できます。公式解答例では、この場合に照合内訳数へ1を加算します。同じ内訳を再度照合した場合の重複加算を防ぐ条件です。35字以内では「更新前の内訳テーブルの現物照合実施日が初期値なら1加算」とまとめられます。①と②は順不同です。
設問3(a)
公式解答例のaは「内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード」です。表3の処理1で資産番号と枝番から抽出した内訳について、搬出元として読み取った場所と登録済みの場所が一致するかを確認します。aには、その比較対象となる現在の設置場所を指定します。属性名だけでなく、内訳テーブルの当該レコードの属性であることまで記述します。
設問3(b)
公式解答例のbは「移動レコードの移動場所コード」です。表2では、搬出時に搬出する場所のカードをスキャンしてから資産をスキャンします。その場所コードが移動レコードに記録され、aの登録済み設置場所コードと比較されます。一致を確認することで、登録された場所からの搬出であることを検証します。aとbは順不同です。
設問3(c)
公式解答例のcは「内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード」です。表3の処理4①では、搬出した内訳の設置場所コードに999999をセットします。搬入時は、その内訳が搬出済みの状態になっているかを確認するため、内訳テーブルに登録されている設置場所コードを調べます。搬入先の場所コードを確認する欄ではありません。
設問3(d)
公式解答例のdは「999999」です。表3の処理4①で、搬出時の設置場所コードにこの値をセットすることが明記されています。したがって搬入時には、cが999999であることを確認します。この値は、表3の処理上、搬出済みで搬入先がまだ登録されていない状態を表しています。
設問3(e)
公式解答例のeは「内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード」です。搬入時には、搬出時にセットした999999を実際の搬入先の場所コードへ置き換えます。更新先は資産全体の情報ではなく、資産番号と枝番で特定された内訳の設置場所コードです。どのテーブルのどのレコードを更新するかを明示します。
設問3(f)
公式解答例のfは「移動レコードの移動場所コード」です。表2では搬入先の場所カードを読み取るので、搬入の移動レコードにはその場所コードが記録されます。これをeへセットすると、内訳テーブルの設置場所が搬入先へ更新されます。搬出時と搬入時で同じ属性を使用しますが、記録される場所はそれぞれ搬出元と搬入先です。
設問4(1)
〔現物照合業務の問題点〕(4)と、遠隔地では電話などによる確認報告で照合済みとする現行運用に着目します。報告に基づく記録をシステムが保存しても、現物が実在する裏付けにはなりません。公式解答例では、遠隔地の資産を回収したとき、システム上照合されていた資産が見つからない問題を挙げています。40字以内では「遠隔地で照合済みとされた資産が、回収時に見つからないこと」と要点を示します。
設問4(2)
遠隔地の資産は直接スキャンできないため、存在確認の報告に証拠を伴わせる運用へ変更します。公式解答例では「バーコード付の資産の写真など,存在を証明する証ひょうを提出させる」としています。写真にバーコードを含めることで、現物の存在と確認対象の資産を結び付けられます。35字以内では「バーコード付き資産の写真など、存在を証明する証ひょうを提出させる」と、証拠の内容と提出を押さえます。
学習のポイント
業務上の問題をデータの管理単位と更新条件に結び付け、機能追加と運用変更の役割を区別する力を養いましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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