SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




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判断の対象と前提をそろえる
検討を始める前に、何について判断するのか、その対象の範囲をそろえましょう。同じ言葉でも、どこまでを含めて考えるかによって意味が変わるため、与えられた条件に沿って整理することが大切です。
この問題で問われていること
この分野の検討では、話題となっている全体と、今回判断する対象の範囲を混同しないように意識しましょう。記載されている条件を手掛かりに、自分が対象を広げたり狭めたりしていないかを確かめてください。
視点
対象の範囲を確認するとは、判断に含める部分と含めない部分の境界を、与えられた条件に沿って意識することです。知っている事例を当てはめる前に、今回どこまでを対象としているかを整理しましょう。
確認ポイント
- 判断する対象の範囲を意識できているか
- 条件にない範囲まで対象を広げていないか
- 検討の途中で対象の範囲が変わっていないか
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解説
本問は、ショッピングモールの要望を具体的な機能仕様とシステム構成に落とし込む問題です。割込み再生の対象指定、プレイリストによる管理、移動端末の対策、時刻同期、省電力、サーバ資源の調整、付加サービスの負荷を関連付けて理解します。
問題の全体像
E社は、従来個別に開発していた電子看板システムを統合し、ショッピングモール全体の広告宣伝に対応するシステムを開発します。大型・中型・小型の端末をサーバで管理し、予定に従った再生と割込み再生を実現するとともに、省電力や将来の付加サービスにも対応する必要があります。入力に示された出題趣旨では、利用者の要望を分析し、システムアーキテクチャを決定して機能仕様を策定する能力が問われています。設問ごとに、どの利用場面に対して、どの情報・機能・構成が必要かを具体化することが中心です。
設問1(1)①
着目するのは、複数のディスプレイ端末が共有スペースや店舗に設置され、店舗独自の案内を割込み再生するという点です。コンテンツと再生時刻だけでは、どの端末で再生するかが決まりません。公式解答例では「ディスプレイ端末の識別情報」を挙げています。答案では、再生対象の端末を特定する情報という要素を押さえ、この表現で15字以内にまとめます。
設問1(1)②
着目するのは、店舗独自の案内と、ショッピングモール全体を対象とした案内が区別されている点です。サーバが店舗独自の指示を扱うには、対象端末の識別情報に加え、その指示がどの店舗に関するものかを示す情報が必要です。公式解答例では「店舗情報」を挙げています。二つ目の答案は、店舗を特定する情報という要素を押さえ、「店舗情報」と15字以内で表します。
設問1(2)
本システムでは、再生するコンテンツと再生日時を一定期間分まとめてプレイリストに指定します。そのため、記憶デバイス内のコンテンツが今後の予定に必要かを判断する際は、プレイリストの登録内容を参照します。公式解答例は「プレイリスト」です。保存された順番やファイルの古さだけでは、今後使うコンテンツかどうかを判断できません。答案は参照するものの名称を10字以内で答えます。
設問2(1)①
着目するのは、小型端末を商品の近くに設置し、表示したまま移動することが多いという利用場面です。通信を無線化して移動しやすくすると、小型端末を持ち去られることも考慮する必要があります。公式解答例では「盗難対策」を挙げています。ここでは無線LANの通信性能だけに注目せず、移動しやすい端末の運用上の課題を捉えます。答案は「盗難対策」と10字以内で表します。
設問2(1)②
「表示したまま移動する」という条件に着目します。無線LANは通信ケーブルの制約を解消しますが、表示を続けるための電力も確保する必要があります。移動中に電池が切れると、表示を継続できません。公式解答例では「電池切れ対策」を挙げています。通信の無線化と電源の確保を分けて考え、二つ目の答案は「電池切れ対策」と10字以内で表します。
設問2(2)
プレイリストにはコンテンツの再生日時が指定されます。同じプレイリストを配信しても、端末ごとの時計がずれていれば、指定時刻に再生を始める実際のタイミングもずれます。そこで必要なのが、各端末の時刻を合わせる機能です。公式解答例では「ディスプレイ端末の時刻を合わせる機能」としています。答案は、対象がディスプレイ端末であることと、時刻を合わせることを30字以内で明示します。
設問2(3)
屋外では周囲の明るさが変化するため、見やすさを保つのに必要な画面の明るさも変わります。周囲が暗いときは画面の明るさを下げても見やすさを確保でき、消費電力を抑えられます。公式解答例では「周囲が暗い場合,画面も暗くする。」としています。答案は、暗い周囲という条件と、画面を暗くする制御を20字以内で結び付けます。単に画面を常時暗くすると、明るい場所での見やすさを損なうおそれがあります。
設問3(1)
サーバの内部構成の説明には、処理負荷に応じてプロセッサの台数を増減し、記憶するデータサイズに応じて必要な容量・台数のHDDを設置するとあります。端末数や処理負荷の違いに対応するには、処理能力と記憶容量を調整することが要点です。公式解答例では「プロセッサの台数やHDDの容量」を挙げています。答案は、この二つの調整対象を20字以内で具体的に示します。
設問3(2)
表2のルーティングスイッチの仕様にある「同時に,複数のデータ伝送経路を設定できる」に着目します。単一バスでは複数の伝送が共通の経路を使うため、その利用が競合します。一方、ルーティングスイッチでは、異なるポート間の伝送を同時に行えます。公式解答例では「異なるポート間であれば,同時に複数の伝送が可能」としています。答案は、異なるポート間という条件と、複数伝送を同時に行える利点を30字以内で示します。
設問4(1)(a)
ショッピングモールの要望にある「画面に触れて詳細情報を表示」に着目します。利用者が画面上の表示を触って選択するには、その接触を入力として検出する機能が必要です。公式解答例では、表1の入出力I/Fの空欄aを「タッチパネル」としています。非接触ICカードリーダライタは携帯電話との通信に使うもので、画面への接触を検出する役割とは異なります。答案は「タッチパネル」と10字以内で答えます。
設問4(2)
設問は、URLだけを送ることによる「本システムにとっての利点」を求めています。詳細情報そのものを送る場合に比べ、URLの送信ではディスプレイ端末が扱う送信データを少なくでき、詳細情報を携帯電話へ直接送る処理の負荷を抑えられます。公式解答例では「ディスプレイ端末の負荷を抑える。」としています。答案は、利用者側の利便性ではなく、ディスプレイ端末の負荷軽減を20字以内で明示します。
学習のポイント
要望から必要な機能を導く力を養い、設問が指定する対象・比較条件・字数に合わせて、具体的な要素を簡潔に表す練習をしましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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