SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成21年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
判断の前提をそろえて考える
判断の前提となる条件に注目し、与えられた情報と自分の推測を分けて整理しましょう。条件が異なる内容を同じ基準で扱っていないか確かめると、検討の根拠を落ち着いて見直せます。
この問題で問われていること
この問題では、判断を支える前提がどこまで与えられているかを意識してください。見慣れた言葉から条件を補う前に、その条件が実際に示されているかを確認し、根拠と推測の境界を保ちましょう。
視点
判断に使う条件には、明示されたものと、自分が補っているものがあります。両者を区別し、根拠のない前提が入り込んでいないかを点検する視点を持ちましょう。
確認ポイント
- 判断の前提として使っている条件を整理できているか
- 明示された条件と自分の推測を区別しているか
- 見慣れた言葉だけを根拠に条件を補っていないか
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解説
本問では、リース業向けパッケージのサイクルテストを題材に、機能の確認基準、障害管理、テストデータの網羅性、契約期間に応じた日付設定、進捗と完了の判断を学びます。
問題の全体像
E社はリース業向けパッケージをF社向けにカスタマイズし、システム適格性確認テストの計画を作成しています。サイクルテストの対象は、変更していない機能を含むシステム全体です。出題趣旨では、この事例を通じてシステム適格性確認テストの計画作成能力を評価するとされています。業務が正しく遂行できる確認方法に加え、テストデータ、時間の経過、障害対応、進捗管理が整合しているかを読み取る問題です。
設問1(1)(a)
表1の「テストの実施と検証の内容」に着目します。カスタマイズした部分ではユーザ要件との適合を確認しますが、変更していない機能についても、元のパッケージが定める動作を確認する必要があります。公式解答例では「パッケージの仕様どおりに動作すること」としています。25字以内の答案では、確認基準である「パッケージの仕様」と、それに沿った動作の確認を押さえます。
設問1(1)(b)
表2の朝会では、障害管理票の報告を基に当日のテストを開始できるか判断します。また、同表では障害の対応期限を明確にして管理しています。この二つを結び付けると、開始判断に必要なのは期限が到来した障害の解決状況です。公式解答例では「対応期限が到来している障害が解決していること」としています。25字以内で、期限到来と解決済みの両方を示します。
設問1(2)(c)
表2の進捗管理と夕会の記述に着目します。夕会では、当日が対応期限の障害を確認し、未完了なら対応を終えるよう指示します。その対象を特定するため、障害管理票には期限の記録が必要です。公式解答例ではcを「対応期限」としています。cとdは順不同です。
設問1(2)(d)
表2の夕会では、障害管理票に記載された対応担当者に、当日中に対応を終了させるようリーダを通じて指示します。誰が対応するかを明確にしていなければ、この指示や対応状況の把握ができません。公式解答例ではdを「対応担当者」としています。cとdは順不同です。
設問2(e)
方式1は現行業務のデータを加工して使用しますが、そのデータに予定したテストケースの条件がすべて含まれるとは限りません。一方、方式2はテストケースに合わせて取引先データを準備し、契約データを新システムで登録します。公式解答例では、方式1の不足を「テストケースを網羅するデータがない可能性がある」としています。30字以内の答案では、テストケースの網羅に必要なデータが不足する可能性を示します。
設問3(1)
方式2では、テスト中に契約データを新規登録します。契約機能のリース期間は4年又は5年ですが、表1の計画ではシステム日付を4月1日から翌年度4月までしか進めません。再リース機能は「翌々月にリース期間満了となる契約」を対象に通知書兼申請書を作成するので、確認には満了の2か月前に当たる時期まで進める必要があります。新規契約から約1年の範囲では、その時期に到達しません。公式解答例では、想定した1年分のシステム日付では再リース機能を確認できないことを挙げています。40字以内の答案例は「想定した1年分のシステム日付では再リース機能を確認できない」です。
設問3(2)
本文では障害を各チーム内で管理し、管理チームへの状況報告やチーム間への指示は朝会・夕会で行います。表2にも、重大な障害を発生直後に他チームへ伝える手順がありません。このため、他チームのテストに影響する障害でも、情報共有が遅れる問題があります。公式解答例では、他チームに影響が及ぶ重大な障害の発生時に即座に情報が連携されないことを挙げています。40字以内の答案例は「他チームに影響する重大な障害の情報が即座に連携されない」です。
設問4(1)(数値)
表3では、ウがテストケース確認完了件数の予定累計、オが実績累計です。ある時点までの進み具合を判断するには、その日までに完了する予定だった件数と、実際に完了した件数を比較します。公式解答例では「ウ,オ」を選んでいます。当日の件数だけでは、それ以前の遅れや前倒しを含めた進捗を判断できないため、累計を使います。
設問4(1)(大小関係)
確認完了件数の実績累計オが予定累計ウ以上なら、その時点までに予定した件数を確認できていると判断できます。公式解答例では「オがウ以上であるとき」としています。15字以内の答案でも、実績が予定以上であるという比較の向きを明確にします。
設問4(2)(数値)
表3のアは総テストケース数、オは確認完了件数の実績累計です。サイクルテスト全体の完了を判断するには、全ケースの件数と確認完了した件数を比較します。表2では、障害が発生したケースは障害が解決するまで確認完了としないため、確認完了件数には障害解決の条件も反映されます。公式解答例では「ア,オ」を選んでいます。
設問4(2)(大小関係)
確認完了件数の実績累計オが総テストケース数アと等しければ、全ケースの確認が完了しています。障害発生件数と解決件数が等しいだけでは、未実施のケースが残っている可能性があります。公式解答例では「アとオが等しいとき」としています。15字以内の答案では、総件数と確認完了累計の一致を示します。
学習のポイント
本文の業務条件と各表の運営ルールを結び付け、テストで確認できる範囲と管理上の不足を具体的に説明する力を身に付けます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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