SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ
令和6年度春期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問30
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アA社と競争関係になっていないB社が,偶然に,A社の社名に類似のドメイン名を取得した。
- イある地方だけで有名な和菓子に類似した商品名の飲料を,その和菓子が有名ではない地方で販売し,利益を取得した。
- ウ商標権のない商品名を用いたドメイン名を取得し,当該商品のコピー商品を販売し,利益を取得した。
- エ他社サービスと類似しているが,自社サービスに適しており,正当な利益を得る目的があると認められるドメインを取得し,それを利用した。
解き方のヒントを見る
保護される利益との関係を確認
不正競争行為の該当性を考えるときは、行為の外形だけで判断せず、制度が保護しようとする利益との関係を軸にして、事実と要件の対応を丁寧かつ慎重に整理します。
この問題で問われていること
選択肢を読む際は、示された事実がどの保護利益に関係し、その関係を評価するために必要な前提がそろっているかという一点に注目し、印象や名称だけで判断しないようにします。
視点
まず、設問中の具体的な事実を拾い上げ、それが誰のどのような利益に影響する場面なのかを整理します。そのうえで、評価に必要な条件が事実として示されているか、単なる推測を混ぜていないかを確認します。
確認ポイント
- 行為者・対象・影響を受ける利益の関係を、設問の事実だけで整理できるか。
- 判断に必要な前提と、読み手が補っている推測を区別できているか。
- 行為の印象ではなく、保護利益との結び付きに基づいて評価しているか。
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
不正競争防止法では、商標権の有無だけでなく、他者の商品や営業との関係、ドメイン名取得の目的、取得後の利用態様などを総合して不正競争該当性を判断する。
理由
ウは、商品名を用いたドメイン名を取得したうえで、その商品のコピー商品を販売し、利益を得ている。このような取得と利用の組合せは、商品表示を利用して利益を得る不正競争行為に該当する。商標権がないことだけでは、該当性を否定できない。
比較
アは競争関係がなく偶然の取得であり、イは和菓子が有名ではない地域での販売です。エも、自社サービスに適し正当な利益を得る目的が認められる。いずれも、ウのような不正な目的・利用態様とは異なる。
選択肢ア
これは不正解だよ。A社と競争関係にないB社が、偶然に類似ドメイン名を取得しただけでは、不正な目的で他社の表示を利用したとはいえない。競争関係がなく、取得も偶然であるという事情から、不正競争行為には該当しない。
選択肢イ
これは不正解だよ。地方だけで有名な和菓子に似た商品名を使っていても、その和菓子が有名ではない地域で販売した場合、需要者が周知された表示と誤認する前提がない。したがって、この事情だけでは不正競争行為に該当しない。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。商標権のない商品名であっても、ドメイン名を取得し、その商品のコピー商品を販売して利益を得る行為は、商品表示を利用して利益を得る不正競争に当たる。商標権の有無だけで不正競争該当性が否定されるわけではない。
選択肢エ
これは不正解だよ。他社サービスと類似するドメインであっても、自社サービスに適しており、正当な利益を得る目的が認められるなら、他社の表示を不正な目的で利用したとはいえない。類似性だけでは不正競争行為には該当しない。
学習のポイント
ドメイン名の類似性と取得目的・利用態様を分けて整理する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問30(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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