PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
令和7年度秋期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
前提とリスクの見直し
生成AIを活用する計画では、目的や前提が曖昧なまま進めず、期待する成果、利用条件、関係者の役割、不確実性への備えを順に整理し、実行後に見直せる形にする観点で考えます。
この問題で問われていること
計画とリスク対応のつながりに注目し、想定している不確実性が具体的な確認事項や見直しの契機として扱われているかを、問題文の条件と照らして検討してください。
視点
導入計画を評価するときは、目標、前提、関係者、利用場面、制約を切り分け、起こり得る不確実性をどの時点で確認し、状況変化に応じて誰が見直すのかという視点で整理します。
確認ポイント
- 計画の前提が明確に整理されているか
- 変化や不確実性を確認する時点があるか
- 見直しに関わる役割が整理されているか
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解説
本問は、生成AIを用いた採点支援システムについて、従来のSaaS導入との違いを踏まえた計画作成と、採点信頼性・講師負荷に関するリスク対応を問う。
問題の全体像
Q予備校は、生成AIで採点基準の補足情報作成や採点を支援し、採点の信頼性を過去と同等以上に保ちながら講師の作業負荷を減らそうとしている。本文では、初期学習データの準備、全講師による効果検証、稼働後の追加学習、経営陣への報告を計画方針として示している。設問は、生成AI活用プロジェクトを従来のSaaS導入と同じように扱わず、学習データの品質、継続改善、関係者の納得を重視して計画・リスク対応を考えられるかを確認する。
設問1
下線①の目標は、採点の信頼性と講師の作業負荷軽減を同時に実現することにある。本文では、信頼性を保つことが生徒の理解度を高める前提とされているため、成果の観点では「生徒の理解度を高める効果」を狙った目標と捉える。
設問2(1)
表1は、SaaS導入では主にデータ移行や機能追加を行うのに対し、本プロジェクトでは学習データの準備・追加学習によって処理品質を高める点を示している。この違いを計画に反映する目的なので、公式解答例のとおり「作業の違いを踏まえてプロジェクト計画をテーラリングする」とまとめる。
設問2(2)
初期学習データには、問題、採点基準、補足情報、答案、採点結果が含まれる。採点基準作成の経験値が高い講師を担当者にするのは、適切で正確なデータを作成し、学習データの正確性を担保するためです。
設問2(3)
効果検証では、補足情報の精査によって採点信頼性が過去と同等以上になるかだけでなく、講師の作業負荷が減るかも確認する。全講師を参加させることで、稼働後も全員が新たな学習データを用意して追加学習に関わる体制を確立する狙いを押さえる。
設問2(4)
一部の役員は、採点信頼性が低下して生徒が退校することを懸念し、生成AI導入は時期尚早と考えている。したがって、達成見通しを適宜報告する狙いは、導入に慎重な役員の意見を変え、プロジェクトへの理解を得ることです。
設問3(1)
既存の問題や採点基準などだけでは、最新の入試問題に現れる用語や記述スタイルが不足する可能性がある。教材のキーワード集や最新問題の記述例を追加することで、網羅性が不足する領域の学習データを補う効果を狙っている。
設問3(2)
毎回の習熟度テストでは、講師が問題、採点基準、補足情報、答案、採点結果を扱う。これらは講師が採点を通じて正確性を確認したデータであり、講師が正確性を担保した新たな学習データとして追加利用できるためです。
設問3(3)
多くの講師は生成AIの効果に納得しておらず、現在の方法に固執する可能性がある。そのため、生成された補足情報の正しさや負荷軽減を実感できなければ、生成AIを使わず、作業負荷軽減を達成できないリスクがある。
学習のポイント
生成AIプロジェクト特有の学習データ管理と関係者の受容を、計画とリスク対策に結び付けて読む。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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