PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

令和4年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問12

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

工場の生産能力を増強する方法として,新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で,期待金額価値の高い案を採用するとき,採用すべき案と期待金額価値との組合せのうち,適切なものはどれか。ここで,期待金額価値は,収入と投資額との差で求める。 〔条件〕 ・新規システムを開発する場合の投資額は 100 億円であり,既存システムを改修する場合の投資額は 50 億円である。 ・需要が拡大する確率は 70%であり,需要が縮小する確率は 30%である。 ・新規システムを開発した場合,需要が拡大したときは 180 億円の収入が見込まれ,需要が縮小したときは 50 億円の収入が見込まれる。 ・既存システムを改修した場合,需要が拡大したときは 120 億円の収入が見込まれ,需要が縮小したときは 40 億円の収入が見込まれる。 ・他の条件は考慮しない。
採用すべき案と期待金額価値の組合せ表。アは既存システムの改修・46億円,イは既存システムの改修・96億円,ウは新規システムの開発・41億円,エは新規システムの開発・130億円。
採用すべき案と期待金額価値の組合せ表。アは既存システムの改修・46億円,イは既存システムの改修・96億円,ウは新規システムの開発・41億円,エは新規システムの開発・130億円。

選択肢

  1. ア
    既存システムの改修,46億円
  2. イ
    既存システムの改修,96億円
  3. ウ
    新規システムの開発,41億円
  4. エ
    新規システムの開発,130億円
解き方のヒントを見る

期待金額価値の比較で前提を揃える

確率を伴う投資案を比べるときは、計算に入る前に各案の金額が同じ基準で表されているかを確かめることが大切です。利益か損失か、初期の投資額を含むかどうかがそろっていないと、比較の結論が変わり得ます。

この問題で問われていること

この分野では、各案について起こり得る状況ごとの確率と金額の対応を読み取り、比較の土台となる金額の意味を統一できているかが問われやすいです。数字を拾う前に、その金額が何を表す値なのかを言葉で整理しましょう。

視点

期待金額価値は、不確実な結果を確率を考慮して一つの目安にまとめる考え方です。ただし、まとめる前の個々の金額の基準が案ごとに異なると、目安同士を比べても意味をなしません。売上なのか利益なのか、費用が差し引かれているのか、損失がどのように表されているのかを案ごとに整理してから比較に進むと、判断の根拠が明確になります。

確認ポイント

  • 各案の金額が利益・損失・売上のどれを表しているかを確認したか
  • 投資に必要な費用が金額に含まれているか、別に扱う必要があるかを確認したか
  • 損失となる状況の金額を、利益と同じ基準の向きで扱えているか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

需要拡大時と縮小時の収支をそれぞれ求め、確率を掛けて合計すると、既存システム改修は46億円、新規システム開発は41億円となるため、前者を採用します。

理由

既存システム改修の期待金額価値は、需要拡大時が(120億円−50億円)×70%、縮小時が(40億円−50億円)×30%です。したがって、49億円−3億円=46億円となります。

比較

新規システム開発は、需要拡大時が(180億円−100億円)×70%、縮小時が(50億円−100億円)×30%で、56億円−15億円=41億円です。46億円の既存システム改修の方が高くなります。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。既存システム改修では、需要拡大時の収支が120億円−50億円=70億円、縮小時が40億円−50億円=−10億円です。確率を反映すると、70億円×70%+(−10億円)×30%=46億円となり、新規開発の41億円を上回ります。

選択肢イ

これは不正解だよ。採用案として既存システムの改修を挙げている点は、期待金額価値の比較結果と一致します。しかし、公式の条件では、拡大時70億円、縮小時−10億円の収支から期待金額価値は46億円であり、96億円にはなりません。

選択肢ウ

これは不正解だよ。新規システム開発の期待金額価値は、拡大時の収支80億円と縮小時の収支−50億円を確率で評価し、56億円−15億円=41億円です。41億円という数値は条件に合いますが、既存改修の46億円より小さいため採用案が適切ではありません。

選択肢エ

これは不正解だよ。新規システム開発では、投資額100億円を収入から差し引くため、拡大時80億円、縮小時−50億円となります。確率を反映した期待金額価値は41億円であり、130億円は公式の収入・投資額・確率から得られる値と一致しません。

学習のポイント

期待金額価値の計算と、複数案の比較方法を確認する問題です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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