PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

令和3年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問7

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

プロジェクトのスケジュール管理で使用する “クリティカルチェーン法” の実施例はどれか。

選択肢

  1. ア
    限りある資源とプロジェクトの不確実性に対応するために,合流バッファとプロジェクトバッファを設ける。
  2. イ
    クリティカルパス上の作業に,生産性を向上させるための開発ツールを導入する。
  3. ウ
    クリティカルパス上の作業に,要員を追加投入する。
  4. エ
    クリティカルパス上の先行作業の全てが終了する前に後続作業に着手し,一部を並行して実施する。
解き方のヒントを見る

手法の目的と行動の対応を確かめる

スケジュール管理の手法名を覚えるだけでなく、その手法が何を変えようとするものかを自分の言葉で説明できるかが鍵です。示された行動が手法の狙いと本当に対応しているか、という一点に絞って落ち着いて検討しましょう。

この問題で問われていること

問われている手法について、まずその目的を一文で言い表してから、示された各事例がその目的を達成するための行動になっているかを照らし合わせる視点が求められます。似た目的を持つ別手法との混同にも注意します。

視点

管理手法は一般に『何を問題と捉え、どの要素に働きかけて、どんな結果を得ようとするか』の組で理解すると整理しやすくなります。名称の響きや言葉の似通いに引きずられず、ある行動がどの要素に働きかけ、何を得ようとしているのかを抽象化して捉えることが、実施例を見分けるための土台になります。

確認ポイント

  • 問われている手法の目的を、用語をそのまま繰り返さずに自分の言葉で一文にできるか
  • 示された行動が、計画のどの要素に働きかけているのかを言い表せるか
  • その行動がもたらす結果が手法の目的と同じ方向を向いているか、別の手法の目的と取り違えていないか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

正答はア。クリティカルチェーン法は、作業の前後関係だけでなく、限られた資源による制約と作業時間の不確実性を考慮し、合流バッファやプロジェクトバッファによって計画を保護する。

理由

クリティカルチェーン法では、資源の競合を考慮して作業のつながりを定め、遅延の影響を抑えるためにバッファを設ける。合流バッファは非クリティカルな経路からの遅延を吸収し、プロジェクトバッファはプロジェクト全体の納期を守るために用いる。

比較

イとウは、クリティカルパス上の作業を改善または増員する個別対策であり、クリティカルチェーン法そのものの実施例ではありません。エは先行作業の完了前に後続作業を並行実施する方法で、一般的な短縮策の説明であり、資源制約とバッファを扱う点が示されていない。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。クリティカルチェーン法は、作業の依存関係だけでなく、限りある資源の制約とプロジェクトの不確実性を考慮する。合流バッファは経路の遅延を吸収し、プロジェクトバッファは全体の納期を守るために設けるため、この記述が手法の実施例に該当する。

選択肢イ

これは不正解だよ。クリティカルパス上の作業に開発ツールを導入して生産性を高めることは、作業効率を改善する個別の施策である。クリティカルチェーン法の特徴である、資源制約の調整や不確実性を吸収するバッファの設定を示していないため、実施例とはいえない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。クリティカルパス上の作業に要員を追加投入することは、作業期間を短縮するための一般的な対策である。しかし、クリティカルチェーン法は単純な増員策ではなく、限られた資源を踏まえた計画とバッファによる遅延管理を重視するため、この記述だけでは該当しない。

選択肢エ

これは不正解だよ。先行作業の全てが終了する前に後続作業へ着手し、一部を並行して実施するのは、作業の重複によってスケジュールを短縮する考え方である。クリティカルチェーン法の中心である資源制約の考慮や、バッファによる不確実性への対応を表していない。

学習のポイント

クリティカルパス法との違いとして、資源制約とバッファ管理に注目して学習する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問7(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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