PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

令和3年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問6

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    クリティカルパス上のアクティビティの開始が遅れたので,ここに人的資源を追加した。
  2. イ
    コストを削減するために,これまで承認されていた残業を禁止した。
  3. ウ
    仕様の確定が大幅に遅れたので,プロジェクトの完了予定日を延期した。
  4. エ
    設計が終わったモジュールから順にプログラム開発を実施するように,スケジュールを変更した。
解き方のヒントを見る

具体例の目的と操作対象を見極める

スケジュール管理技法を判別するときは、名称の印象ではなく、具体例の中で何に対してどのような働きかけをしているのか、その結果として何を得ようとしているのかを落ち着いて整理することが大切です。用語の定義と具体例を一つずつ対応づけましょう。

この問題で問われていること

この問いで確認したいのは、ある具体的な状況や行為が、どの管理技法の考え方に当てはまるかを判断できるかどうかです。技法の名前を暗記するだけでなく、その技法が何を目的とし、どの段階で使われるのかを自分の言葉で説明できるかが鍵になります。

視点

スケジュール管理の技法は、名前が似ていたり、同じ場面で一緒に語られたりするため混同しやすい分野です。判別の手がかりは、その技法が「何を対象に」「何を変える、または明らかにする」ために使われるのかという目的と操作対象の組合せにあります。具体例に出てくる行為を、目的と対象の二つに分けて言い換えてから、学んだ技法の定義と照らし合わせると、表面的な言葉に引きずられずに判断しやすくなります。

確認ポイント

  • 具体例の中で行われている行為が、何を対象にしているのかを自分の言葉で言い換えられるか
  • その行為によって最終的に何を達成しようとしているのか、目的を一文で説明できるか
  • 言い換えた目的と対象が、学んだ技法の定義のどれと一致するかを、名称の印象ではなく定義に基づいて照合したか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

クラッシングとは、プロジェクトの期間を短縮するために、追加の人的資源や費用を投入して作業を加速するスケジュール短縮技法です。特にクリティカルパス上の作業が対象になる。

理由

クラッシングでは、追加の人的資源や費用を投入して、クリティカルパス上のアクティビティを短縮する。これにより、プロジェクト全体の完了時期を早めることを目指す。

比較

残業の禁止は作業時間を減らす対応、完了予定日の延期は納期を後ろ倒しする対応です。作業順序の変更も、追加資源による期間短縮とは異なるため、クラッシングの例には当たらない。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。クリティカルパス上のアクティビティの開始が遅れた状況で人的資源を追加することは、作業を加速して所要期間を短縮する対応である。追加資源によって遅れを回復し、プロジェクト全体のスケジュール短縮を図るため、クラッシングの例に該当する。

選択肢イ

これは不正解だよ。承認されていた残業を禁止することは、作業に使える時間や労力を減らす対応であり、作業期間を短縮するための資源追加ではない。コスト削減を目的としていても、クラッシングが目指すスケジュール短縮とは方向が異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。仕様の確定が遅れたためにプロジェクトの完了予定日を延期することは、遅延を受け入れて納期を後ろへ変更する対応である。作業を加速して期間を短縮するクラッシングとは異なり、スケジュールを延長している。

選択肢エ

これは不正解だよ。設計が終わったモジュールから順に開発するようにスケジュールを変更することは、作業の実施順序や進め方を見直す対応である。追加の資源投入によって作業期間を短縮するクラッシングそのものを示してはいない。

学習のポイント

クラッシングと、残業禁止・納期延期・作業順序変更との違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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