PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ

令和2年度10月 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問1

事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。

問題

未経験の技術やサービスを利用するシステム開発プロジェクトについて プロジェクトマネージャ(PM)は,システム化の目的を実現するために,組織にとって未経験の技術やサービス(以下,新技術という)を利用するプロジェクトをマネジメントすることがある。 このようなプロジェクトでは,新技術を利用して機能,性能,運用などのシステム要件を完了時期や予算などのプロジェクトへの要求事項を満たすように実現できること(以下,実現性という)を,システム開発に先立って検証することが必要になる場合がある。このような場合,プロジェクトライフサイクルの中で,システム開発などのプロジェクトフェーズ(以下,開発フェーズという)に先立って,実現性を検証するプロジェクトフェーズ(以下,検証フェーズという)を設けることがある。検証する内容はステークホルダと合意する必要がある。検証フェーズでは,品質目標を定めたり,開発フェーズの活動期間やコストなどを詳細に見積もったりするための情報を得る。PMは,それらの情報を活用して,必要に応じ開発フェーズの計画を更新する。 さらに,検証フェーズで得た情報や更新した開発フェーズの計画を示すなどして,検証結果の評価についてステークホルダの理解を得る。場合によっては,システム要件やプロジェクトへの要求事項を見直すことについて協議して理解を得ることもある。 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。 設問ア あなたが携わった新技術を利用したシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクトとしての特徴,システム要件,及びプロジェクトへの要求事項について,800字以内で述べよ。 設問イ 設問アで述べたシステム要件とプロジェクトへの要求事項について,検証フェーズで実現性をどのように検証したか。検証フェーズで得た情報を開発フェーズの計画の更新にどのように活用したか。また,ステークホルダの理解を得るために行ったことは何か。800字以上1、600字以内で具体的に述べよ。 設問ウ 設問イで述べた検証フェーズで検証した内容,及び得た情報の活用について,それぞれの評価及び今後の改善点を,600字以上1、200字以内で具体的に述べよ。
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実現性検証と計画更新の見方

導入を進める前に、検証で得た事実と当初計画の前提を照らし合わせ、変更の必要性を判断するための一般的な視点に注目しましょう。個別の答えではなく、根拠の確かさと計画への影響を順に整理することが重要です。

この問題で問われていること

今回の確認では、検証結果が計画の前提にどの程度影響するかという一点に絞り、得られた情報の確度、影響範囲、次に見直す対象を落ち着いて整理しましょう。判断の順序を意識してください。

視点

検証結果を事実、前提、影響に分けて整理し、計画との関係を確認する。

確認ポイント

  • 検証結果はどの前提に関係しているか
  • その情報の確かさや不足は何か
  • 計画への影響をどの範囲で確認するか
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解説

新技術を利用する開発プロジェクトについて、事前に検証フェーズを設け、システム要件と納期・予算などの要求事項を実現できるか確認する問題です。検証結果を開発計画へ反映し、ステークホルダの理解を得る一連のPM実践が問われている。

問題の全体像

組織にとって未経験の技術やサービスを使う場合、いきなり開発を進めるのではなく、開発フェーズに先立つ検証フェーズを設けることがある。ここでは、機能・性能・運用などのシステム要件を、完了時期や予算などのプロジェクトへの要求事項を満たして実現できるか確認する。検証内容はステークホルダと合意し、品質目標や期間・コスト見積りなどの情報を得て、必要なら開発計画を更新する。そのうえで検証結果と計画を説明し、評価への理解や、必要に応じた要件・要求事項の見直しについて合意を得ることが出題の中心です。採点講評でも、設問の趣旨に沿い、経験に基づいて具体的かつ整合的に述べることが重視され、一般的な技術課題の説明だけでは不十分とされている。

設問ア

まず、自分が携わったプロジェクトを一つに絞り、新技術を利用したことがプロジェクト運営上どのような特徴を生んだかを示します。例えば、実績や知見が少ないため不確実性が高く、事前検証が必要になったという関係を、実際の状況に即して述べる。次に、検証対象となるシステム要件を、機能・性能・運用などから具体化する。さらに、納期、予算、品質、段階的な提供など、プロジェクトへの要求事項を示し、要件と要求事項の両方を満たす必要があることを明確にする。800字以内なので、技術の説明を広げすぎず、プロジェクトの特徴、検証対象の要件、制約・期待される成果を一貫して書く。

設問イ

設問アで挙げた要件と要求事項について、検証フェーズで何を、どの方法で、どの基準により確認したかを具体的に述べる。例えば、試作、性能測定、運用シミュレーション、障害・セキュリティ確認などの活動を、品質目標や受入基準と結び付ける。続いて、検証で得た実測値、課題、必要工数、費用、リスクなどを、開発フェーズの期間、体制、作業順序、品質管理、予算見積りなどの計画更新にどう反映したかを書く。単に問題が見つかったとするのではなく、情報を受けて何を変更したかを示すことが重要です。最後に、検証内容・結果・更新後計画を資料や会議で説明し、技術面だけでなく納期・費用・品質への影響を示して、ステークホルダの理解を得た過程を述べる。場合によっては、要件や要求事項の見直しを協議したことも含める。

設問ウ

設問イで行った検証内容と、得た情報の活用を分けて評価し、それぞれの今後の改善点を書く。検証内容については、実際の利用条件をどの程度再現できたか、品質目標や要求事項を判断できる十分な証拠を得られたか、未検証のリスクが残っていないかを評価する。情報活用については、検証結果が開発計画の期間・コスト・体制・品質対策の見直しに有効だったか、意思決定やステークホルダの理解に結び付いたかを評価する。そのうえで、検証環境の本番適合性向上、評価指標の明確化、早期のステークホルダ参加、見積りの精度向上、未解決リスクの継続監視など、経験から導ける改善策を具体化する。採点講評を踏まえ、一般論ではなく、自分の検証と活用の結果に対応した評価・改善を書くことが必要です。

学習のポイント

新技術の不確実性を、検証・計画更新・合意形成で管理する論述構成を学ぶ。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)

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