PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
令和2年度10月 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
要件とリスクを見極める確認視点
SaaS導入では、実現したい業務目的と設定・運用上の制約を切り分け、変更の影響範囲や優先順位を段階ごとに見直す観点で整理しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点として、要件を増やす判断が業務上の効果、運用負担、将来の変更リスクと整合しているかを、各段階で確かめてください。
視点
要件を検討するときは、目的、必要性、影響範囲、見直し時期を分けて整理し、関係者間で判断基準をそろえることが重要です。最初から細部を固定せず、確認できた事実に応じて優先順位を更新します。
確認ポイント
- その要件は、達成したい業務目的と直接つながっているか
- 変更した場合に、利用者・運用・周辺業務へ影響が広がらないか
- 次の段階で再確認・修正する条件と時期が明確か
正解と解説を見る
解説
R社の人材戦略経営を実現するため、SaaSの標準機能を中心に段階導入し、データ整備、利用者参加、チャットによる記録共有を組み合わせた計画を問う問題です。
問題の全体像
R社は離職率が高く、キャリア形成や人事評価の透明性にも課題があった。そこで、人材管理制度を見直し、A社のSaaSを第1段階と第2段階に分けて導入する。出題の中心は、SaaSの標準機能を活用して将来の拡張に備える方法、標準仕様に沿ったデータ整備、利用者を巻き込んだ要件定義、チャットで認識齟齬や手戻りを防ぐ計画です。
設問1(1)
第1段階では半年後の来年4月からの稼働が必須です。一方、カスタマイズは時間が掛かり追加費用も必要になるため、これを最小化し効果の高い標準機能を選べば、導入作業が長引くことを避けられる。したがって、公式解答例のとおり、人材管理システムの稼働が来年4月から遅延するリスクを答える。30字以内なので、遅延リスクに絞る。
設問1(2)
A社のSaaSでは、標準データ項目仕様に従ったデータ登録が、拡張・改善される標準機能を迅速かつ追加コストなしで利用する前提になっている。現データをそのまま使わず移行・新規登録する理由は、将来の標準機能を継続利用できるデータに整えるためです。公式解答例の「拡張,改善される標準機能を利用し続けるため」を軸に書く。
設問1(3)
キャリア形成機能は第1段階では効果が出にくいが、第2段階では社員のキャリア形成推進が目標になる。そのため、第1段階から業務経験を毎年蓄積しておけば、第2段階で経年情報を用いてキャリア形成を可視化できる。公式解答例の目的と時期の両方を押さえる。
設問2(1)
部長・課長の代表者は、人事評価を行う利用者の立場を持つ。本文では、業務プロセスを主体的に定義し、社員のニーズを反映することが重視されている。したがって、公式解答例のとおり、人事評価業務の運用可否を確認する役割と、人材管理システムへの利用者要求事項を提示する役割を書く。30字以内では二つの役割を簡潔に並べる。
設問2(2)
標準モデルのデモンストレーションで、標準機能のままでも多様な業務プロセスを実現できると理解させている。これは、利用者要求を最初から個別仕様へ広げず、標準機能で実現可能な範囲に収め、カスタマイズを抑えるためです。公式解答例の「利用者要求事項の大部分を標準機能で実現できる範囲に収める効果」を答える。
設問3(1)
従来は電子メールの確認漏れや古い資料の参照により、認識齟齬のまま進み手戻りが生じていた。議事録を未閲覧者にプッシュ通知すれば、議事録の確認を促し、会議結果を共有できる。公式解答例に沿って、認識齟齬のまま進み手戻りが生じるリスクを簡潔に示す。
設問3(2)
チャットルームには、会議資料への意見や議事録への意見が時系列で残る。要件定義の成果物にログを加えれば、討議結果がどの意見や検討過程に基づくものかを後から確認できる。したがって、公式解答例のとおり、討議結果の根拠となる意見が記載されているからと説明する。
学習のポイント
施策の目的と、将来の拡張性やプロジェクトリスクとの因果関係を本文から正確に抜き出す力。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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