PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

令和2年度10月 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問12

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

品質の定量的評価の指標のうち,ソフトウェアの保守性の評価指標になるものはどれか。

選択肢

  1. ア
    (最終成果物に含まれる誤りの件数)÷(最終成果物の量)
  2. イ
    (修正時間の合計)÷(修正件数)
  3. ウ
    (変更が必要となるソースコードの行数)÷(移植するソースコードの行数)
  4. エ
    (利用者からの改良要求件数)÷(出荷後の経過月数)
解き方のヒントを見る

指標の測定対象から品質特性を考える

定量的な指標の意味は、名称の印象ではなく「何を数え、何で割り、どの時点で測るか」で決まります。まず指標が実際に観測している対象を自分の言葉で言い直し、それが品質のどの側面を表すのかを落ち着いて結び付けて考えましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、ある数値が品質のどの側面を裏付ける根拠になるかという対応関係です。指標の名前に含まれる語句に引きずられず、測定の対象と、その数値の大小が何を意味するかに注目してください。

視点

品質特性は「利用者や保守者から見て、ソフトウェアがどういう性質を備えているか」という抽象的な観点です。定量的指標は、その観点を確かめるために具体的な事象を数えたり時間を測ったりした結果です。両者を結び付けるには、指標の分子と分母が何を表し、どの場面の出来事を記録しているのかを分解して捉えることが基本になります。同じような言葉を含む指標でも、測る対象が異なれば裏付ける観点も変わります。

確認ポイント

  • その指標は、どんな出来事や量を数えたり測ったりしたものかを自分の言葉で言えるか
  • 比率や平均であれば、分子と分母がそれぞれ何を表しているかを区別できているか
  • その数値が良くなったとき、利用者や保守者にとって何が改善したと言えるかを説明できるか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

ソフトウェアの保守性は、障害修正や仕様変更などの保守作業を、どれだけ容易かつ効率的に実施できるかを示す品質特性です。修正時間を修正件数で割った値は、1件当たりの平均修正時間を表し、保守作業のしやすさを定量的に評価できる。

理由

修正時間の合計を修正件数で割ると、1件の修正に平均してどの程度の時間を要したかが分かる。これは、ソフトウェアの修正・変更作業に伴う負担を表すため、保守性の評価指標になる。

比較

誤りの件数を成果物の量で割る指標は誤りの密度、変更行数を移植行数で割る指標は移植規模の割合、改良要求件数を経過月数で割る指標は要求の発生頻度を示します。いずれも保守作業の平均的な修正負担を直接表す指標ではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。最終成果物に含まれる誤りの件数を成果物の量で割る値は、一定量当たりの誤りの多さ、つまり誤りの密度を表す。出荷物の品質状態を評価する指標であり、修正に要する時間や変更作業の容易さを測る保守性の指標ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。修正時間の合計を修正件数で割る値は、1件の修正に要する平均時間を表す。修正作業の負担や効率を定量的に把握できるため、障害対応や変更対応のしやすさを示すソフトウェアの保守性の評価指標に該当する。

選択肢ウ

これは不正解だよ。変更が必要となるソースコードの行数を移植するソースコードの行数で割る値は、移植対象のうち変更が必要な部分の割合を示す。移植時の変更規模を評価する指標であり、修正作業に要する時間や保守の容易さを直接示さない。

選択肢エ

これは不正解だよ。利用者からの改良要求件数を出荷後の経過月数で割る値は、単位期間当たりに発生した改良要求の頻度を示す。利用状況や要求の発生傾向を把握する指標であり、個々の修正作業の負担を測る保守性の指標とは異なる。

学習のポイント

品質特性ごとに、分子と分母が何を測っているかを対応付けて覚える。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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