PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成31年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
判断の前提条件をそろえる
サービスに関する計画やリスクを考えるときは、判断の前提条件に注目しましょう。同じ言葉でも、想定する状況によって意味が変わることがあります。示された情報と自分の推測を区別して整理することが出発点です。
この問題で問われていること
この分野を検討する際は、どのような条件の下で判断するのかを意識してください。書かれている条件を確かめ、書かれていない事情を勝手に補わないようにすると、根拠の範囲を保ったまま考えを整理できます。
視点
前提条件は、検討の土台となる情報です。考えを整理するときは、与えられた条件と、自分が経験や知識から補った想定とを分けて捉えましょう。
確認ポイント
- 判断の土台にしている条件を確認できているか
- 示された条件と自分の想定を区別できているか
- 考える途中で前提条件を変えていないか
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解説
老朽化したシステムからサービス利用へ移行する際の計画立案と、新機能導入のリスク対応が中心です。過去の不備を踏まえたリハーサル、全オペレータの担当業務を網羅する訓練、標準サービスへの移行を優先した環境分離と目標見直しを読み取ります。
問題の全体像
M社は、老朽化したコンタクトセンタのシステムを、元日の休業時間内に全国一斉にE社サービスへ移行します。同時に、オペレータの負荷軽減を目的として自動対応機能の導入を希望しています。ただし、標準サービスへの移行が最優先であり、自動対応機能は実証実験的な準備を要するため、予定期間内に自動回答率の目標値を達成できるとは限りません。公式の出題趣旨では、サービス仕様と顧客要件を把握した移行計画の立案、新機能導入時のリスク対応について、PMとしての実践的な能力を問うとしています。各設問では、この優先順位と不確実性を具体的な管理策に結び付けます。
設問1
自動対応機能の準備は、シナリオやパラメタを変更して自動回答率を繰り返し計測する進め方です。本文には、準備の体制や期間が不十分だと目標を達成できず、導入時期や目標値の見直しが必要になるとあります。このためF課長は、開始時期の背景や目標値の決め方を確認し、リスクと対応方針を明らかにする必要がありました。公式解答例では「リスクを特定し,今後の対応を計画するため」としています。25字以内では、確認した情報の列挙よりも、「リスクの特定」と「対応の計画」という確認の目的を押さえます。
設問2(1)(検証すること)
着目するのは、過去の移行リハーサルで「作業手順と移行時間の見積りに不備があった」という記述です。今回も元日の0時から24時までに移行を完了させる条件があるため、作成した手順と時間見積りの両方を実作業で検証する必要があります。公式解答例では「作業手順及び移行時間の見積りが適切であること」としています。この表現は30字以内に収まり、二つの検証対象を明確に示しています。移行できることだけを述べると、過去に問題となった具体的な対象が答案から抜けます。
設問2(1)(設定した目的)
過去の問題は、最初のリハーサルで不備が見つかったことに加え、その後の「修正確認と再見積りも不十分」だったことです。したがって、2回目は1回目で検出した不備への対応結果を確認する機会として設定します。公式解答例では、1回目の移行リハーサルで検出された不備の修正結果を確認するためとしています。35字以内では「1回目で検出した不備の修正結果を確認するため」とまとめられます。単に習熟するためと書くと、過去の修正確認不足を防ぐという設問の根拠を表せません。
設問2(2)
移行条件には、現在の応対のサービスレベルを維持し、開始日から全国各拠点の全オペレータが戸惑うことなく操作できることが示されています。訓練環境には、対象者と担当業務の両方を網羅できる機能・構成が求められます。公式解答例では「全てのオペレータが担当業務の全てについて操作できること」としており、35字以内に収まります。採点講評では、M社専用かつ終日利用可能という既述の条件以外に、移行条件を実現するための機能面・構成面の要件を答えてほしかったとしています。「誰が」「何を」訓練できるかを漏らさないことが要点です。
設問3(1)
自動対応機能の検証では、シナリオやパラメタを変更して計測を繰り返します。一方、標準サービスの訓練は、開始日までに全オペレータが操作できるように完了させる必要があります。標準サービスへの移行が最優先なので、検証作業が訓練に影響しないよう環境を分けます。公式解答例もこの狙いを示しています。40字以内では「検証作業がオペレータの標準サービスの訓練に影響を与えないようにするため」と表せます。採点講評では、標準サービスへの移行の優先順位から、訓練への影響を防ぐ必要性を読み取ってほしかったとしています。
設問3(2)(スケジュールに関する対応策)
対象となるリスクは、資源や工程を適切に管理しても、準備期間内に自動回答率の目標値を達成できないことです。本文では、その場合に自動対応機能の導入時期を見直す判断が必要とされています。標準サービスへの移行を最優先とする方針に照らし、自動対応機能の開始を延期する対応になります。公式解答例では「自動対応機能の導入時期を遅らせる。」としており、25字以内に収まります。延期する対象が自動対応機能であることを明確にします。対応策の実施は、本文のとおり両社で協議して決定します。
設問3(2)(品質に関する対応策)
本文では、M社が決めたサービス開始時の自動回答率の目標値を、プロジェクトの品質目標としています。したがって、準備期間内に目標を達成できない場合の品質面の対応は、この目標値の見直しです。公式解答例では「サービス開始時の自動回答率の目標値を見直す。」としており、25字以内に収まります。「自動回答率」「サービス開始時」「目標値」を押さえ、見直す対象を具体的に示します。導入時期を変更するスケジュール面の対応と区別し、両社で協議して実施を決めるという本文の位置付けも理解しましょう。
学習のポイント
本文の制約と優先順位から、検証対象・環境要件・リスク対応を具体化する練習をしましょう。特に訓練の業務網羅性と、スケジュール・品質それぞれの見直し対象を押さえます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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