PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成29年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
判断の前提と対象範囲をそろえる
システム改修に関する判断では、用語の印象だけで結論を急がず、その判断がどの前提と対象範囲に基づくかに注目しましょう。与えられた情報の中で、明示された条件と自分が補った条件を分けて整理することが手掛かりになります。
この問題で問われていること
検討の焦点は、判断の前提が与えられた条件とそろっているかです。記述や数値などを扱うときも、対象範囲を自分の思い込みで広げたり狭めたりしていないかを確かめ、条件の明示されていない部分は決めつけずに考えましょう。
視点
判断の前提とは、考えを進める際に土台として扱う条件です。明示された条件と自分で補った条件を区別すると、どこまでが与えられた情報に基づく考えなのかを整理できます。
確認ポイント
- 判断の土台にした条件は、どこに示されていますか。
- 対象範囲を、示された条件に沿って捉えていますか。
- 明示されていない条件を、自分で補っていませんか。
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解説
単体テストで必要なバグを早期に摘出して後工程の手戻りを抑え、テストケースの追加に応じた管理目標を設定することが要点です。摘出バグ密度から遅延リスクを捉え、設計変更箇所の特定漏れを防ぐレビューにつなげます。
問題の全体像
D社は、長年改修してきた基幹系システムの三つの機能を変更する。プログラムやデータ構造が複雑になり、単体テストで摘出すべきバグが結合テストで見つかる現象が増えていた。E課長は影響確認のテストケースを追加し、摘出状況からスケジュールを見直した上で、設計工程の改善策を検討する。公式の出題趣旨では、テストの見直しと、バグ・作業・成果物の分析を通じた品質向上策の立案能力を問うとしている。バグ件数の大小だけでなく、どの工程で摘出すべきか、何が発生原因かを読み取ることが重要です。
設問1(1)
着目するのは、結合テストケースを内部設計書に基づいて作成することと、製造時やバグ対応時に発見した設計誤りを設計書へ迅速に反映することです。内部設計工程でケースを作成すると、その後の設計修正に伴ってケースも修正する手戻りが生じる。単体テスト完了後なら、修正を反映した内部設計書を利用できる。公式解答例では、この手戻りの削減を意図としている。45字以内では「内部設計後に発見した設計内容の誤りを修正した内部設計書を利用して手戻りを減らすため」とまとめられる。
設問1(2)
冒頭に、タイミング誤りなどによってプログラムが異常終了し、後続のテストが実行できない場合があると記されている。この状態では予定したテストを進められないため、先にバグ内容を確認・修正する必要がある。公式解答例では、バグの種類の名前ではなく、テストへの影響を示して「後続のテストが実行できないバグ」としている。この表現で20字以内に収まる。
設問2(1)
本文でいう「バグの見逃し」は、単体テストで摘出すべきバグが結合テストまで残ることです。ウォータフォールモデルでは、後工程で発見するほど前工程の成果物の修正や再テストが発生し、手戻りが増える。公式解答例では「手戻りが増え、テストの効率が下がるから」としており、25字以内ではこの二つの要素を押さえる。採点講評でも、類似バグや異常終了そのものへの着目ではなく、後工程でのバグ摘出による手戻りに着目してほしかったと述べている。
設問2(2)(a)
空欄aの直前にある「プログラムの内部構造に基づきテストケースを作成する」が判断根拠となる。内部の処理や分岐などに着目してケースを設計する方式は、ホワイトボックステストです。公式解答例でもaは「ホワイトボックス」としている。空欄の後に「テスト」があるため、記入する字句は「ホワイトボックス」となる。
設問2(2)(b)
空欄bでは「利用者の視点」と「プログラムの外部から見た入出力」に着目する。外部から与える入力と、それに対して得られる出力を基にケースを設計する方式は、ブラックボックステストです。公式解答例でもbは「ブラックボックス」としている。空欄には「ブラックボックス」を記入する。
設問2(3)(分析対象)
見直しの目的は、単体テストで摘出すべきバグが結合テストで見つかる現象を減らすことです。したがって、結合テスト完了後には、そこで摘出されたバグについて、この見逃しに該当するものを分析する。公式解答例の分析対象は「バグの見逃しと呼ぶ現象」であり、15字以内に収まる。結合テストで摘出されたバグ全体ではなく、本文で定義された見逃しを対象とする点を押さえる。
設問2(3)(評価結果)
影響確認のテストケースを追加したことで、従来は結合テストまで残っていたバグを単体テストで摘出できれば、見直しの成果があったと判断できる。そのため、分析対象であるバグの見逃しを過去の改修案件と比較する。公式解答例では「過去の改修案件よりも減っている。」としている。20字以内ではこの比較結果を示し、バグの総数が減ることや見逃しが完全になくなることまで条件にしない。
設問3(1)
過去の同程度の難易度・規模の実績に加えて考慮すべきなのは、今回、影響確認のテストケースを追加したことです。同じプログラム規模でもケースを増やすと、従来見逃していたバグを摘出でき、摘出バグ密度が高くなることが想定される。公式解答例では「単位ステップ数当たりのテストケースの追加量」としており、25字以内で条件を示せる。採点講評でも、ケースの追加によってバグ摘出が増えることを理解してほしかったと述べている。
設問3(2)
表1の摘出バグ件数180件をテスト対象12kステップで割ると、摘出バグ密度は15件/kステップとなり、管理目標の上限12件/kステップを超えている。想定より多くのバグが摘出され、残り期間に行う修正・類似バグ調査・再テストの負荷が増えるため、遅延リスクが高いと判断できる。一方、修正済み80件は管理目標70~90件の範囲内です。公式解答例に沿った35字以内の要点は「摘出バグ密度がバグ密度の管理目標の上限を超えているから」となる。
設問4
分析結果1では、内部設計書の改訂箇所と新規作成箇所の特定に漏れがあった。一方、申し送りの反映、改訂・新規作成した設計書の内容、製造品質には大きな問題がなかった。そこで、追加レビューは変更対象を特定するための影響調査に向ける。本文では、外部設計書と内部設計書の対応関係を確認して変更箇所を特定するため、その確認状況をレビューすることで漏れの防止につながる。公式解答例では「外部設計書と内部設計書の対応関係の確認状況」としており、30字以内ではこのレビュー対象を示します。
学習のポイント
バグの見逃しと手戻りの関係、テスト追加による摘出量の変化、設計書の対応関係と変更範囲の確認を学びましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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