PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

平成29年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問9

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    クリティカルパス上の遅れているアクティビティに人員を増強した。
  2. イ
    コストを削減するために,これまで承認されていた残業を禁止した。
  3. ウ
    仕様の確定が大幅に遅れたので,プロジェクトの完了予定日を延期した。
  4. エ
    設計が終わったモジュールから順に並行してプログラム開発を実施するように,スケジュールを変更した。
解き方のヒントを見る

適用例は目的と操作対象で見る

スケジュール管理手法の適用例を判別する際は、手法名の印象ではなく、事例の中で何を変えようとしているのか、そしてその変更が何を目的としているのかを一つずつ切り分けて捉えることが大切です。用語の定義も自分の言葉で確かめましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認すべき観点は一つ、「提示された状況で、スケジュールに対してどのような働きかけが行われているか」です。働きかけの対象と、それによって期待される効果を分けて把握し、各手法の定義と矛盾なく対応するかを確かめます。

視点

スケジュール管理の手法は、それぞれ「何を前提にしているか」「何を操作するか」「何を得ようとするか」という組み立てで定義されています。適用例を判別するときは、事例の記述をこの三つに分けて読み取ります。そのうえで、手法名から連想されるイメージではなく、定義の構成要素と一つずつ照らし合わせると判断がぶれにくくなります。言葉の響きが似ていても、働きかけの中身が異なれば別の手法として扱われる点に注意しましょう。

確認ポイント

  • 事例の中で、スケジュールに対して何が変えられている(または変えられようとしている)かを自分の言葉で言い表せるか
  • その働きかけが、どのような状況や制約を前提にして行われているかを読み取れているか
  • 読み取った働きかけの中身が、各手法の定義の構成要素と過不足なく一致しているかを照合したか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

クラッシングとは、追加の人員や費用を投入して作業期間を短縮し、プロジェクトのスケジュールを前倒しする方法です。特に全体の完了時期を左右する作業が対象になります。

理由

クリティカルパス上の作業が遅れると、プロジェクト全体の完了時期も遅れる可能性があります。その作業に人員を増強して期間を短縮することは、追加資源によってスケジュールを短縮するクラッシングの典型例です。

比較

残業禁止は作業量や稼働時間を減らす施策で、延期は遅延を受け入れる対応です。また、作業を並行化する方法は作業順序や重なりを見直すもので、追加資源を投入するクラッシングとは異なります。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。クリティカルパス上の遅れているアクティビティに人員を増強すると、追加の資源を使ってその作業期間を短縮できる可能性があります。プロジェクト全体の完了時期に影響する作業を対象にする点も、クラッシングの考え方と一致しています。

選択肢イ

これは不正解だよ。承認されていた残業を禁止することは、コストを削減するために利用可能な作業時間を減らす対応です。追加の人員や費用を投入して作業期間を短縮するクラッシングとは、目的も資源の使い方も反対になります。

選択肢ウ

これは不正解だよ。仕様確定の遅れを理由に完了予定日を延期することは、遅延の影響をスケジュールへ反映する対応です。作業期間を短縮するために追加資源を投入するクラッシングには該当せず、期間短縮を実施していません。

選択肢エ

これは不正解だよ。設計済みのモジュールから並行して開発するように変更するのは、作業の順序や重なりを見直して期間を短縮する考え方です。追加の人員や費用を投入して作業期間を縮めるクラッシングとは異なります。

学習のポイント

クラッシングと、作業順序を変える短縮方法との違いを学びましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問9(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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