PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成28年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
関係者との伝達を整える視点
関係者ごとに必要な情報と伝達の目的を整理し、内容・手段・タイミングが目的に合っているかを一つの軸で確認しましょう。
この問題で問われていること
判断では、誰に何を共有するかという整理よりも、その共有が相手の理解や協働にどうつながる設計になっているかへ注目してください。
視点
コミュニケーションを考えるときは、発信者の都合だけでなく、受け手が必要とする情報、理解の前提、行動につながる流れを同じ視点で整理します。
確認ポイント
- 共有する相手と、その相手が担う役割を確認する
- 伝える内容が目的に対して過不足ないかを確認する
- 伝達の時期と方法が協働の流れに合っているかを確認する
正解と解説を見る
解説
本問は、過去の手戻りや顧客不満、チーム内の発言不足を題材に、要求事項の解釈、顧客報告、内部コミュニケーションを改善するPMの考え方を問う。
問題の全体像
P社は、A社の放送番組編成支援システムを継続的に追加開発しているが、過去に要求事項の解釈違い、要求漏れ、他システムへの影響漏れによる大きな手戻りが発生していた。さらに、A社のステークホルダの不満と、P社開発チームの連携不足もあった。Q課長は、要求事項レビューの手順、顧客報告の方法、チーム内の情報共有を改善し、問題の早期発見と手戻り削減を目指した。
設問1(1)
図1の(i)は、現場部門が実現したい要求事項をA社システム部が要求事項一覧として提示するまでの過程です。(ii)は、その一覧をP社が解釈して開発への入力とする過程です。本文では、前回開発の後に置かれるものとしてP社が解釈した内容が示されているため、aは「P社が解釈した要求事項」となる。
設問1(2)
A社システム部が現場部門の要求をそのままP社へ渡していたことが、要求の背景や目的の欠落につながっていた。そこでQ課長は、要求事項一覧を定義し、内容に責任を持つ主体を明確にする合意を得た。公式解答例では「要求事項一覧を定義するのは、A社システム部の責任であること」とされている。
設問1(3)
(2)は、要求の目的や実現したい内容を現場部門に確認し、一覧を見直すため、(i)の要求形成側の問題に関係する。(3)は、要求漏れや考慮不足、利用者・他システムへの影響を整理し、A社側で見直すため、(i)に関係する。(5)も、現場部門や他システム担当者が要求内容と影響を確認するため、(i)に関係する。公式解答例は(2)、(3)、(5)です。
設問2(1)
表1の要望1は、認識の違いを早期に見つけ、影響を小さくしたいという内容です。R主任の案は、文章中心の開発ドキュメントについて図表を活用し、特に開発の早い段階からコミュニケーションを改善するものなので、対象工程は「上流」「要件定義」「設計」と整理される。
設問2(2)
要望3は、P社だけでは解決できない問題について、A社システム部やステークホルダへの相談を早めたいという要望です。単に依頼事項を検討してから報告するのでは遅いため、P社の検討状況を早い時点から開示し、顧客とともに問題解決を図る内容へ見直す。30字以内では、早期開示と共同解決の二要素を押さえる。
設問3(1)
Q課長は、問題を起こした個人を責めるのではなく、チームとして問題に向き合う姿勢を示している。したがって空欄cは「チーム」または公式解答例に示された「メンバ全員」といった、個人ではなく全体で対応する意味の語になる。
設問3(2)
発言するメンバと発言しないメンバが分かれ、相談しにくい雰囲気もあったため、会議で発言しないメンバの意見が共有されないことが課題だった。事前提出した意見も含めて全員に発言させることで、全員に内容を認識させ、共通認識を形成する意図です。
設問3(3)
過去は、問題が明確になるまで報告されず、後工程で大きな手戻りになっていた。そこで悪い話や予兆の段階から共有させ、問題を早期に発見して対処し、手戻りを最小化する改善につなげようとした。採点講評でも、早期発見と対処による手戻り削減の理解が重視されている。
学習のポイント
責任分担、早期共有、全員参加、問題の早期発見を本文の事実と結び付けて説明する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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