PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成28年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
リスクと要求の対応を見極める視点
プロジェクト上の懸念と要求事項を結び付けて読むときは、個別の用語や印象だけで判断せず、何を守るための対応かという目的と、要求にどう関係するかを同じ軸で一貫して整理しましょう。
この問題で問われていること
確認する観点を一つに絞り、各記述が示す対応について、リスクへの働きかけと要求事項との関係が同じ目的に向かっているかを、問題文の条件に照らして順序立てて確認してください。
視点
リスク対策と要求事項は、対応の目的、対象、期待する結果という観点で整理すると、記述同士の関係を落ち着いて比較できます。個別の表現だけでなく、設問の条件との整合性に注目しましょう。
確認ポイント
- 対応が何を対象にしているかを確認する
- 要求事項との関係を整理する
- 設問の前提や制約と矛盾しないか見直す
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解説
本問は、プラントの日常点検を支援する新システムの開発を題材に、業務特性と要求事項を踏まえたリスクの予防的な把握と対応を問う問題です。
問題の全体像
J社は、紙中心の設備点検をタブレット活用型の新システムへ移行する。プラント停止につながる作業手順の誤りを防ぎつつ、現場作業の効率化、技術継承、通信による協働を実現する必要がある。しかも年末年始の切替期限が固定されているため、早期のプロトタイプ検証、試用、データ整理などを計画に組み込み、要求事項ごとのリスクを先回りして抑えることが出題の中心です。
設問1
新システムでは、従来と異なるタブレットを使った日常点検の業務プロセスを導入する。本文は、K氏がこの変更に起因するスケジュールリスクを軽減するため、早い段階からステークホルダと協働すると述べている。したがって、公式解答例の「新たな業務プロセスを早期に検証してもらうこと」のように、現場関係者に新しい業務の実現可能性を早期確認してもらう狙いを書く。
設問2(1)
下線①は、総合テスト後に試用期間を設け、従来の書類作業と新システムを並行利用して、新しい実務や業務フローに沿って確実に作業できるか確認する対策です。機能要件への不適合は作業手順の誤りにつながり、プラント停止を招く可能性があるため、公式解答例のとおり「作業手順の間違いでプラントを停止させてしまうこと」が回避対象となる。30字以内では、手順誤りとプラント停止を押さえる。
設問2(2)
下線②は、設計段階でプロトタイプを作り、日常点検の現場で作業員に使ってもらう検証です。作業員は器具を使ったり設備を操作したりするため、画面操作が作業の妨げにならないかが確認点となる。公式解答例の「日常点検の作業を実施しながら利用が可能であること」のように、実作業と併用できる操作性を示します。
設問2(3)
下線③では、試用期間中に試行移行したデータを用い、実際の日常点検の環境でタブレットを使わせる。現場と事務所の協働効率を確認するには、従来のように書類を取りに事務所へ戻る必要がなく、現場で点検を完了できるかを見る。公式解答例の「事務所に戻らずに作業を完了することができること」に対応する。
設問2(4)
タブレットは現場へ持ち運ぶため、紛失や盗難の可能性がある。端末にデータを保存しない機能は、端末が第三者の手に渡っても情報を直接取得されにくくする対策です。したがって、公式解答例のとおり「タブレット端末の紛失や盗難による情報漏えい」をリスクとして書く。
設問2(5)
現システムでは入力間違いや入力漏れが発生しており、データの完全性に問題がある。これを整理・検証せず新システムへ移行すると、誤ったデータを基に点検対象や点検項目が抽出される。公式解答例の「入力間違いのデータが移行され,正しい点検票が表示されないこと」のように、誤データ移行と誤った点検票表示を一続きで示す。
設問3
追加要求には、Z社のソフトウェアパッケージと、Z社に委託する追加開発が必要です。Z社は市場実績が多い一方、J社との取引実績がないため、要求調整、進捗確認、品質確認などの管理負荷が高まる。公式解答例の「取引実績のないZ社に対する管理負荷が高まること」を中心に、単なる開発工数増加ではない外部委託先管理のリスクを書く。
学習のポイント
対策の目的を本文の業務上の問題や要求事項から逆算して説明する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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