PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

平成28年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問22

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

IT投資効果の評価に用いられる手法のうち,ROIによるものはどれか。

選択肢

  1. ア
    一定期間のキャッシュフローを,将来発生するものは割引率を設定して現在価値に換算した上で,キャッシュフローの合計値を求め,その大小で評価する。
  2. イ
    キャッシュフロー上で初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかによって評価する。
  3. ウ
    金銭価値の時間的変化を考慮して,現在価値に換算されたキャッシュフローの一定期間の合計値がゼロとなるような割引率を求め,その大小で評価する。
  4. エ
    投資額を分母に,投資による収益を分子とした比率を算出し,その大小で評価する。
解き方のヒントを見る

評価手法が何を比べているか

IT投資の評価手法は、それぞれ投資額と効果のどの側面を取り出して比べるかという前提が異なります。用語の名前だけで判断せず、各手法が何を基準に良し悪しを決めているのかを自分の言葉で言い直してから検討しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは個々の計算結果よりも、各手法が評価の拠り所としている考え方の違いです。手法ごとに「何と何を比べ、どんな結論を導くのか」を整理し、示された内容がその手法の前提と整合しているかに注目してください。

視点

投資評価の手法を学ぶときは、名称や略語を暗記するより、その手法が評価の物差しとして何を使っているかを押さえると区別しやすくなります。物差しが違えば、同じ投資案でも評価の結論や向いている場面が変わります。

確認ポイント

  • 各手法が比較している量は何かを、自分の言葉で説明できるか
  • その手法の結論(採否や優劣)が、比較している量からどのように導かれるかを確認したか
  • 示された内容が、手法の名称の印象ではなく考え方の前提と食い違っていないかを確かめたか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

ROIは、投資に対してどれだけの収益を得られたかを比率で表す投資評価指標です。投資額と収益の関係を比較し、比率の大小によって投資効果を評価します。

理由

ROIはReturn on Investmentの略で、投資額を基準として、投資によって得られた収益の割合を示します。したがって、投資額と収益から比率を算出し、その大小で投資効果を評価する説明が該当します。

比較

将来キャッシュフローを現在価値に換算して合計する方法は正味現在価値、投資額の回収までの年数を見る方法は回収期間法、合計値がゼロとなる割引率を求める方法は内部収益率法に当たります。

選択肢ア

これは不正解だよ。将来発生するキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し、その合計値で評価する方法は、正味現在価値を用いる考え方である。投資額に対する収益の比率を求めるROIの説明ではない。

選択肢イ

これは不正解だよ。初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかで評価するのは、投資回収期間法の説明である。回収に要する年数を測る方法であり、投資額と収益の比率を示すROIとは異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。現在価値に換算したキャッシュフローの合計がゼロになる割引率を求める方法は、内部収益率法の説明である。求める対象が割引率であり、投資額に対する収益の比率を算出するROIではない。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。投資額を分母、投資による収益を分子として比率を算出し、その大小で評価する方法はROIの定義に一致する。投資した金額に対してどれだけ収益を得たかを割合で比較している。

学習のポイント

ROIの定義と、現在価値・回収期間・内部収益率との違いを区別して覚えましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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