PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ

平成27年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問1

事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。

問題

情報システム開発プロジェクトにおけるサプライヤの管理について プロジェクトマネージャ(PM)は、自社で保有する要員や専門技術の不足などの理由で、システム開発の成果物、サービス、要員などを外部のサプライヤから調達して、情報システムを開発する場合がある。 システム開発の調達形態には、請負、準委任、派遣などがあるが、成果物が明確な場合、請負で調達することが多い。請負で調達する場合、サプライヤは成果物の完成責任を負う一方、発注者はサプライヤの要員に対して指揮命令することが法的にできない。したがって、プロジェクトを円滑に遂行できるように、発注者とサプライヤは、その進捗や品質の管理、リスクの管理、問題点の解決などについて協議する必要がある。 仮に、プロジェクトの進捗の遅延や成果物の品質の欠陥などの事態が生じた原因がサプライヤにあったとしても、プロジェクトの最終責任は全て発注者側のPMにある。そのため、発注者とサプライヤの間で進捗の管理と品質の管理の仕組みを作成し、実施することが重要になる。 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。 設問ア あなたが携わった情報システム開発プロジェクトにおけるプロジェクトの特徴、及び外部のサプライヤから請負で調達した範囲とその理由について、800字以内で述べよ。 設問イ 設問アで述べたプロジェクトにおいて、発注者とサプライヤの間で作成した進捗の管理と品質の管理の仕組みについて、請負で調達する場合を考慮して工夫した点を含めて、800字以上1、600字以内で具体的に述べよ。 設問ウ 設問イで述べた進捗の管理と品質の管理の仕組みの実施状況と評価、及び今後の改善点について、600字以上1、200字以内で具体的に述べよ。
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判断と根拠のつながりを確かめる

情報システム開発の管理や評価を考える際は、判断とその根拠のつながりに注目しましょう。与えられた情報から分かることと、自分が補っている推測を分け、判断の支えになる情報を整理してください。

この問題で問われていること

管理や評価について何かを判断するとき、その判断がどの情報に基づくのかを確かめてください。印象や経験だけで意味を補わず、与えられた条件の中に根拠があるかという一点から考えてみましょう。

視点

判断の根拠とは、その判断を支える情報のことです。自分の知識から補った推測と、与えられた情報を区別して整理すると、どこまで根拠があるのかを捉えやすくなります。

確認ポイント

  • 判断の根拠として使っている情報は何か
  • その情報は与えられた条件に含まれているか
  • 根拠のない推測を付け加えていないか
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解説

本問は、請負調達におけるサプライヤ管理の実践を論述する問題です。プロジェクトの特徴と調達理由を土台に、直接指揮命令できないことを考慮した進捗・品質管理の仕組みを説明し、その実施状況、評価、改善点まで一貫して示します。

問題の全体像

本問は、自社の要員や専門技術の不足などを背景に、システム開発の成果物を外部のサプライヤから請負で調達する場面を扱います。問題文の重要な前提は、サプライヤが成果物の完成責任を負う一方、発注者はその要員に直接指揮命令できず、プロジェクトの最終責任は発注者側のPMにあることです。添付の第2資料は具体的な答案例ではなく出題趣旨であり、発注者とサプライヤが協議しながら目標を達成するための管理の仕組みと、その実施状況などを具体的に論述することを求めています。設問アで背景と調達内容、設問イで管理の仕組み、設問ウで実施状況・評価・改善点を示し、PMとしての知識、経験、実践能力が伝わる構成にします。

設問ア

「プロジェクトの特徴」「請負で調達した範囲」「その理由」の三点に着目します。800字以内で、対象システムの目的と、後続の管理の工夫に関係する特徴を示し、どの成果物や開発範囲を外部に委ねたのか、その理由を説明します。問題文にある要員や専門技術の不足は、理由を整理する際の手掛かりですが、自分の経験に即して具体化する必要があります。また、成果物が明確な場合に請負で調達することが多いという記述を踏まえ、委ねた範囲と完成させる成果物の関係を明確にします。採点講評では、ここで述べた特徴が後続の論述と関連しない、又は整合しない答案が指摘されています。そのため、一般的なシステム紹介に字数を使い過ぎず、設問イで説明する進捗・品質管理がなぜ必要だったのかにつながる特徴を選ぶことが大切です。

設問イ

「発注者とサプライヤの間で作成した」「進捗の管理と品質の管理の仕組み」「請負で調達する場合を考慮して工夫した点」に着目します。800字以上1、600字以内で、設問アの特徴を踏まえ、進捗と品質の両方について、誰が、いつ、何を報告・確認し、問題があればどのように協議して対応を決めるのかを具体的に説明します。進捗では計画と実績を確認する方法、品質では成果物の品質を確認する方法と判断基準などを、自分が実際に作成した仕組みに即して示すと内容が明確になります。その際、仕組みの紹介だけでなく、なぜその方法を採用したのかを請負の条件と結び付けます。採点講評では、サプライヤの責任者を通じた間接的な管理が必要なのに、直接配下のメンバを指導するような論述が見られたと指摘されています。したがって、サプライヤの要員への直接指示ではなく、責任者との協議、対応方針の合意、対応結果の確認という関係を明確にすることが重要です。

設問ウ

「設問イで述べた仕組みの実施状況と評価」「今後の改善点」に着目します。600字以上1、200字以内で、進捗と品質の管理を実際にどのように運用したか、その結果をどう評価したか、残った課題をどう改善するかを説明します。実施状況では、設問イで示した報告や確認、協議がどのように行われたかを具体的な出来事や記録に基づいて述べます。評価では、その仕組みが遅延や品質上の問題の把握・対応にどう役立ったか、どこに不足があったかを根拠とともに示します。改善点は、その不足に対応する形で、報告内容、確認時期、協議の進め方など、実際の課題に応じて具体化します。出題趣旨では管理の仕組みの実施状況などを通じてPMの実践能力を評価するとされているため、仕組みを作ったという説明だけで終わらず、運用の結果と次の改善まで示すことが大切です。設問イにない仕組みの評価へ話を移さず、進捗と品質の両方について論述をつなげます。

学習のポイント

請負の責任関係を理解し、プロジェクトの特徴、管理の工夫、実施結果と改善点を因果関係で結ぶ論述を練習しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)

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