PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成27年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
変更とリスクを結び付ける視点
変更管理とリスク対応を考えるときは、変更の背景、影響する範囲、対応後に残る不確実性を順に見比べ、計画全体の整合性を確認する視点に集中しましょう。個々の表現に引きずられないことが大切です。
この問題で問われていること
一つの変更を単独で評価せず、なぜ変更が必要になったのか、その影響をどの領域で受け止めるのか、対応状況を後から追えるかという関係性だけを確認してください。この一点に絞ります。
視点
変更の理由と想定される影響を起点に、リスクの見立て、対応の記録、見直しの契機が互いに矛盾していないかを整理します。個別の手順や結論ではなく、情報のつながりと確認可能性に注目しましょう。
確認ポイント
- 変更の背景と、影響を受ける対象の範囲が対応しているか
- リスクへの対応内容と、その判断根拠を後から確認できるか
- 対応後に残る不確実性を見落とさず、見直す契機が整理されているか
正解と解説を見る
解説
現行マニュアルに反映されていない帳票の追加を契機に、外部設計の確認、追加開発の計画変更、構成管理、並行運用のリスク対策を検討する問題です。
問題の全体像
A社の新システム開発では、内部設計の終盤に、現行事務マニュアルに載っていなかった約10種類の帳票を追加でシステム化する必要が判明した。出題の狙いは、PMがスコープ変更に対して、既存設計との整合性、工程遅延、要員の知識不足、構成管理、利用者の習熟といった影響を洗い出し、品質と稼働時期の制約を踏まえて対応する力を問うことです。
設問1(1)
B課長は、帳票の追加漏れが外部設計上ほかにもないか確認するため、最新の現行事務マニュアルと外部設計書を突き合わせる作業をC課長に依頼した。最新資料と設計成果物を比較することで、現行業務に存在する未反映項目を網羅的に発見できる。答案は「最新の現行事務マニュアル」と「外部設計書」の突合せを30字以内で示す。
設問1(2)
開発標準に従っていても漏れが起きたため、外部設計の入力資料について、将来変更される予定の有無と、既に発生しているが資料に未反映の項目の有無を確認する項目を追加する。公式解答例でも、この二つの確認が示されている。20字以内では、変更予定と未反映項目の確認を簡潔に押さえる。
設問2
追加要員は現システムの開発経験者だが、新システム固有の知識は不足している。そのため、要員を急に加えると教育に想定以上の時間がかかり、内部設計を計画どおり進められない問題が生じる。公式解答例に沿って、追加要員の教育時間が想定以上に必要になる点を30字以内で具体化する。
設問3(1)
案2では、当初開発分と追加開発分を別タスクで進め、後から仕様を取り込むため、その間に当初開発分へ行った修正の反映漏れが起きやすい。特に、プログラムのバグ対応結果や設計ミスへの対応結果を追加開発側へ取り込めないことが構成管理上の漏れとなる。40字以内では、修正結果の取込み漏れを対象とする。
設問3(2)
案1では追加開発分の仕様を既存の内部設計へ取り込むため、影響を受ける部分と受けない部分を整理しないと作業が停滞する。したがって、最優先で追加開発分の影響を受けない部分を洗い出し、そこから設計を進められるようにする。公式解答例の内容を30字以内で示す。
設問3(3)
案1は内部設計の段階で追加開発分を統合するため、後工程に進む前に設計全体の整合性を確認できる。その結果、上流工程で品質を確保し、後のテストで発生するバグを抑止できることが品質面のメリットです。15字以内では「上流工程での品質の確保」または「テストでのバグ発生の抑止」に相当する内容を選ぶ。
設問4(1)
並行運用期間が短縮されると、操作訓練の時間も減る。そこで事前に利用方法を周知しておけば、利用者は操作訓練の開始時点で内容を理解し、訓練を円滑に始められる。答案では、事前理解によって短い期間でも操作訓練を円滑に進められる因果関係を30字以内で述べる。
設問4(2)
追加開発分の外部設計後にウォークスルーを再実施するのは、利用者が新旧の業務処理や変更内容を同じように理解しているか確認するためです。認識差が残ると、質問や改善要望が多発して並行運用が進まない、または利用者が従来どおり手作業で処理してしまう。公式解答例では、この二つの混乱が示されている。
学習のポイント
スコープ変更時の影響分析と、品質・工程・利用者運用を両立するPM判断を学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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