PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成27年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
導入計画を整理する基本視点
導入計画を考えるときは、機能の多さだけで判断せず、現場の仕事の流れと運用上の制約を順に照らし合わせ、無理なく継続できるかを見極めることが大切です。全体のつながりにも注目します。
この問題で問われていること
一つの観点として、導入対象が既存の業務プロセスに与える影響を確認してください。作業のつながり、担当者の役割、移行時の負担を関連づけ、業務全体への影響を考えます。
視点
導入の検討では、目的と現状の業務を分けて整理し、関係者・手順・制約のつながりを確認します。そのうえで、導入後の運用を無理なく続けられるかという視点から比較します。
確認ポイント
- 業務の流れに沿って、前後の作業や担当のつながりを整理する
- 導入によって変わる負担や調整事項を、関係者ごとに確認する
- 導入後も継続して運用できる条件がそろっているかを見直す
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解説
自社開発から倉庫管理パッケージへ移行する事例を通じ、標準機能に合わせた業務設計、利用者の受入れ、性能検証、追加開発の抑制といったPMの計画・リスク対応を問う問題です。
問題の全体像
D社は、二つの既存倉庫を一つの新倉庫へ統合し、初めて倉庫管理パッケージMWSを導入する。既存業務には倉庫ごとの差異や保守上の問題があり、短期間で新業務プロセス、パッケージ設定、追加開発、テスト、教育を進める必要がある。出題の狙いは、PMが自社の導入経験不足、利用者の不安、過去の性能問題、予算上の工数制約を踏まえて、計画とリスク対応を具体化できるかを確認することです。
設問1
下線①は、M社に製品知識だけでなく、MWS導入プロジェクトの管理経験者も依頼した箇所です。D社にはソフトウェアパッケージの導入経験がないため、導入特有の計画・進行管理を補う必要がある。したがって、公式解答例では「D社はソフトウェアパッケージの導入経験がないから」としている。
設問2(1)
プロトタイプを利用部門へ公開するのは、文書説明だけでは新業務への理解が進まず、トレーニングが円滑に進まないリスクがあるためです。利用者に事前操作をしてもらい、MWS導入後の新しい業務プロセスへの理解を深めることを期待している。公式解答例もこの点を示している。
設問2(2)
過去に無線ハンディ端末で、稼働直前の総合テストになって性能問題が発覚し、稼働が遅れた経験がある。その再発を避けるため、本番機を早期に導入して結合テスト工程から性能や非機能面を検証する。公式解答例では「性能の検証」「非機能要件の検証」を挙げている。
設問3(1)
既存倉庫のキーパーソンは、新業務プロセス案の大枠には合意した一方、既存業務からの変更が多く、現場が受け入れられるか不安を表明している。この反応から、業務プロセス設計の途中で合意形成が進まず、作業が滞るリスクを想定した。
設問3(2)
見学先は、MWSの標準機能・標準プロセスに合わせて業務を変更し、成果を上げている企業です。その実例を見て管理者や実務リーダと議論することで、MWSの標準に合わせても業務運用できることを確認し、キーパーソンの不安を和らげる効果を狙った。
設問3(3)
F主任は追加開発チームのリーダです。業務プロセス設計の段階から追加開発の要件を把握させれば、追加開発チームを円滑に立ち上げられ、必要工数の見積りも早期に行える。公式解答例では、この二つの効果が示されている。
設問4(1)
追加開発の見積工数が投入可能工数を超えた場合、予算制約を無視して開発範囲を広げるのではありません。M社の支援を受け、MWSの標準機能で実現できないかを検討し、標準機能に合わせて業務プロセスを見直す内容を再検討する。
設問4(2)
システム化の方針では、新業務プロセスを業務の統合と効率向上の観点で定義し、最終決定時にも効率向上を十分評価することになっている。したがって、公式解答例では、方針への適合を「業務の効率向上が図られていること」としている。
学習のポイント
本文中の過去経験、不安、制約を根拠に、各施策の目的を説明する練習が重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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