PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ
平成27年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提と根拠を確かめる
検討するときは、判断の前提となる条件に注目しましょう。目につく結果だけで結論を急がず、どの範囲で、どの条件を置いた判断なのかを確かめると、与えられた情報の受け取り方を整理できます。
この問題で問われていること
この問題では、与えられた情報から何かを判断する際に、必要な前提が確かめられているかを意識してください。自分で補った条件と、実際に示されている条件を区別し、判断の根拠がどこにあるかを丁寧にたどりましょう。
視点
同じ情報でも、前提の置き方によって受け取り方が変わります。まず明示された条件を押さえ、書かれていない条件を無意識に足していないかを点検しましょう。
確認ポイント
- 判断に使う条件は明示されているか
- 自分の思い込みで条件を補っていないか
- その前提を確認できる情報はどこにあるか
正解と解説を見る
解説
本問は、品質評価指標の実績値が目標範囲を逸脱した工程を題材に、評価基準の設定、原因と影響の分析、対応策と再発防止、計画の見直しと監視を、プロジェクトの目標や特徴に結び付けて具体的に論述する問題です。
問題の全体像
本問では、自身が携わった情報システム開発プロジェクトで、成果物の品質評価指標の実績値が目標範囲を逸脱した工程を取り上げる。問題文は、プロジェクトの目標や特徴を考慮した評価基準の設定から、逸脱の原因特定、他の成果物への波及などの影響分析、対応策・改善策の立案、スケジュールや開発体制の見直し、実施状況の監視までを求めている。添付の問2の資料は出題趣旨であり、特定の答案を示す公式解答例ではありません。出題趣旨では、この一連の活動を具体的に論述することで、PMとしての品質の評価・分析に関する知識、経験、実践能力を評価するとしている。採点講評では、論述する事象と関連しないプロジェクトの特徴や、目標・特徴との関連で具体性を欠く影響分析、対策と監視方法の関係がPMの視点で不適切な論述が指摘されている。設問アで示す前提が設問イの分析につながり、その分析結果が設問ウの施策と監視につながる構成にすることが重要です。
設問ア
着目するのは、「プロジェクトの目標や特徴」「実績値が目標範囲を逸脱した工程」「評価指標や評価指標値の目標範囲などをどのように定めたか」という要求です。800字以内で、プロジェクトの概要と品質管理に関係する目標・特徴、対象工程と成果物、評価指標と目標範囲、その設定方法・理由をまとめる。指標名や数値を列挙するだけでなく、何を把握するための指標なのか、なぜその範囲を採用したのかを説明する。過去の類似プロジェクトの実績などを用いた経験があれば、今回の特徴を踏まえてどのように適用・調整したかを書くと、設定の根拠が具体的になる。ただし、これは記述方法の例であり、出題趣旨が特定の設定方法を指定しているわけではありません。採点講評では、後続の論述と関連性がない、又は整合しない特徴が指摘されているため、設問イの原因・影響分析や設問ウの判断に関係する特徴を選んで記述する。逸脱状況の詳しい説明は設問イに配置し、ここでは分析の前提を明確にする。
設問イ
着目するのは、「どのように逸脱」「原因をどのように分析」「どのような原因を特定」「影響をどのように分析」という四つの要求です。800字以上1、600字以内で、設問アの指標・目標範囲に対する実績値を示し、逸脱の方向と程度を明らかにした上で、分析に用いた情報、分析の進め方、特定した原因、影響分析を具体的に述べる。問題文の例では、レビュー指摘密度が目標範囲を上回ったことを出発点に、指摘内容を調べ、要件との不整合が多いことから、要件定義書の難解な記述という原因を特定している。この例が示すように、指標の異常と原因の間に、調査で得た事実と判断の根拠を置くことが重要です。自身の事例でも、原因の結論だけでなく、なぜその原因と判断できたのかを書く。影響分析では、問題のある成果物だけでなく、同じ原因が関係する他の成果物や後続工程への波及を、どの範囲をどの方法で調べたかとともに説明する。採点講評では、プロジェクトの目標や特徴との関連で影響分析の具体性が不足した論述が指摘されている。したがって、品質上の影響が納期や業務上の目標などにどう関係するかを、自身の事例に即して示し、PMとして重要と考えた点を中心にまとめる。
設問ウ
着目するのは、「原因や影響への対応策」「再発を防ぐための改善策」「必要となった見直し内容」「実施状況の監視方法」という要求です。600字以上1、200字以内で、設問イの分析結果と各施策を対応させて述べる。対応策では、特定した原因を解消し、影響が及んだ成果物などを是正するために何を実施したかを書く。改善策では、同様の事象を再発させないために、作業手順やレビューの進め方などをどう改善したかを説明する。これらは記述の観点であり、特定の施策が一律に正答となるわけではありません。続いて、施策の実施に必要だったスケジュールや開発体制などの見直しを、その必要性とともに示す。監視方法は、各施策について、担当者、確認対象、確認頻度、完了の判断基準などを自身の実施内容に即して具体化すると、PMの管理行動が伝わる。必要に応じて、遅延や未完了を把握した際の対応も説明する。採点講評では、対策・改善策と実施状況の監視方法との関係がPMの視点で不適切な論述が指摘されている。「進捗会議で確認した」だけで終わらず、何を確認して実施状況を判断したのかまで示すことが重要です。
学習のポイント
品質指標の数値だけで判断せず、原因・影響の根拠と、対策・監視の対応関係をPMの視点で説明する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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