PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ
平成27年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問6
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アエンゲージメントが高まると,プロジェクトメンバは問題に対して自律的に対応するようになる。
- イ技術が発展し,高度な技術の利用が進むほど,人を中心にしたプロジェクトマネジメントが重要になる。
- ウ担当者の業務を可視化しなければ,いかに優秀なプロジェクトマネージャでも適切な管理はできない。
- エ遅延しているプロジェクトへの新規要員の追加は,更なる遅れをもたらすだけである。
解き方のヒントを見る
経験則の主張を因果で読み解く
人的資源に関する経験則は、名称だけ覚えていると取り違えやすい分野です。何を原因とし、どのような結果が生じると主張しているのかという因果の組を自分の言葉で言い直し、記述と照らし合わせる姿勢で検討しましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、経験則が実際に何を主張しているかの見極めです。主張の中心がどの要素に着目しており、その要素が変化したときに何がどう変わるとしているのかを切り分けて捉えることが、検討の軸になります。
視点
経験則は厳密な法則ではなく、多くのプロジェクトで観察された傾向を短く言い表したものです。そのため、一つの経験則は多くの場合、着目する要素(原因側)と、それに伴って生じる傾向(結果側)の一組の関係として述べられます。似た印象の経験則同士でも、着目する要素や結果の向きが異なれば別の主張になります。キーワードが表面的に一致するかではなく、この一組の関係が一致しているかで判断する習慣をつけると、取り違えを防ぎやすくなります。
確認ポイント
- その経験則が着目している要素(原因側)が何かを、一言で言い表せるか
- その要素が変化したときにどのような結果が生じると主張しているのかを、変化の向きも含めて説明できるか
- キーワードの一致だけで判断せず、原因と結果の組全体が対応しているかを確かめたか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
ブルックスの法則とは、遅延しているソフトウェアプロジェクトに人員を追加すると、教育や意思疎通のための負担が増え、かえって完成が遅れることがあるという経験則です。
理由
遅延中のプロジェクトでは、新しく加わった要員への説明や教育、作業分担の調整、情報共有が必要になる。その結果、既存メンバの作業時間も消費され、単純に人数を増やしただけでは遅延を解消できず、さらに遅れる場合がある。
比較
アはエンゲージメントと自律性、イは技術発展と人中心の管理、ウは業務の可視化に関する説明であり、遅延プロジェクトへの要員追加の影響を述べていない。エだけが、要員追加に伴う教育・調整負担によって遅延が拡大するという法則に合致する。
選択肢ア
これは不正解だよ。エンゲージメントが高まることで、メンバが問題へ自律的に対応するという内容は、組織やチームの意欲に関する説明である。遅延したプロジェクトに新規要員を加えたとき、教育や意思疎通の負担が増すというブルックスの法則を示していない。
選択肢イ
これは不正解だよ。高度な技術の利用が進むほど、人を中心にしたプロジェクトマネジメントが重要になるという主張は、技術と人的管理の関係を述べたものだ。遅延中のプロジェクトへの要員追加が進捗へ及ぼす影響を説明していない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。担当者の業務を可視化しなければ適切な管理が難しいという内容は、作業状況の把握や管理手法に関する説明である。新規要員の教育やメンバ間の調整によって遅延が拡大するというブルックスの法則とは論点が異なる。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。遅延しているプロジェクトに新規要員を追加すると、既存メンバによる教育、作業分担の調整、情報共有などの負担が発生する。そのため作業能力が単純に増えるとは限らず、追加要員が更なる遅れをもたらすことがある。
学習のポイント
要員追加による作業量の増加と、調整・教育コストの増加を区別して理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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