PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成26年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
契約・調達・移行リスクの見極め方
システム再構築の検討では、契約条件、調達方法、移行計画が相互に与える影響を切り分け、責任分界と不確実性を確認しながら判断材料を整理することが重要です。個別の結論を急がず、前提の違いにも注意しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点として、作業や成果物の責任が誰にあり、変更や遅延が起きた場合に契約上どのように扱われるかを、調達から移行までの流れに沿って確認しましょう。個別の方式名や結論ではなく、役割と条件の対応に注目します。
視点
契約上の役割分担と、調達・移行に伴う不確実性を分けて捉え、関係者間で前提、責任、変更時の扱いが整合しているかを確認する。
確認ポイント
- 契約で定める責任範囲と、実際に担当する作業の対応関係を確認する
- 調達条件の変更や遅延が、後続工程へどのように影響し得るかを確認する
- 移行時の前提条件、受入れ基準、問題発生時の調整方法を確認する
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解説
現行システムの設計書に改修履歴が反映されていないため、仕様の不確実性が契約、納期、品質、移行に影響する事例です。
問題の全体像
10年以上運用され改修を重ねた現行システムを、業務機能を維持しながら新システムへ移行する事例です。しかし、設計ドキュメントが初期のままで改修履歴を反映しておらず、現行仕様が明確とはいえない。出題の狙いは、PMがこの不確実性を契約方式、再見積り、委託先選定、テスト、並行運用などの具体的なリスク対応に結び付けられるかを問うことです。
設問1(1)
契約窓口は、業務機能を変えずアーキテクチャを刷新するので仕様は明確だと考えている。一方、本文では現行システムが長年改修され、設計ドキュメントに改修履歴が反映されていない。したがって、ギャップは「仕様が明確という見解」と「設計ドキュメントに改修履歴が反映されていない現状」の違いです。40字以内なので、両者を対比して書く。
設問1(2)
現行仕様が不明確なまま全工程を請負契約にすると、開発中に改修で変更された機能が判明し、実装漏れや手戻りが起こる可能性がある。その結果、納期に遅れることがリスクです。公式解答例は、仕様の不確実性、機能の未実装、手戻り、納期遅延の因果関係を押さえている。
設問2
外部設計では現行システムを調査して、実際の仕様に基づく外部設計書を新たに作成する。したがって、外部設計終了時に仕様を確定させ、その成果物を基準に内部設計以降を進める条件として、「新たに作成した外部設計書に基づいて新システムを開発する」とまとめる。35字以内では、外部設計書を開発の基準にする点が重要です。
設問3(1)
X社への委託を希望するチームリーダに対し、B氏は複数候補から見積りを取るよう求めた。これは候補を比較して委託先を客観的に評価し、調達コストを適正化するためです。20字以内では、公式解答例にある「客観的な評価」または「調達コストの適正化」を簡潔に押さえる。
設問3(2)
実績照会機能は外部委託するため、価格や付き合いの長さだけでなく、納品後の品質を確保できる条件が必要です。本文ではA社の品質管理基準を理解するX社が候補だったため、評価基準には「A社と同様の品質管理基準を有すること」や「A社の検収条件を満たすこと」を加える。25字以内なので、品質基準または検収条件に絞る。
設問4(1)
総合テストで本番データを使って現行システムとの結果一致を確認しても、本番データが現行システムの全テストケースをカバーするとは限らない。そのため、未使用の処理や例外的な仕様の実装漏れを発見できない可能性がある。40字以内では、「本番データが現システムの全テストケースをカバーしない」点を理由として書く。
設問4(2)(リスク)
並行運用で対応する対象は、移行後に新システムの未確認仕様が表面化するリスクです。公式解答例では、実装が漏れている機能の発見、または現行システムと新システムの処理結果の不一致を挙げている。20字以内では、機能漏れまたは結果不一致のいずれかを端的に示す。
設問4(2)(対応策)
新システムで問題が見つかった場合に業務を継続できるよう、現行システムの処理結果を使う、または現行システムに切り戻す。これは、1か月の並行運用中に新システムの問題を検知し、現行システムを代替手段として利用する考え方です。20字以内では、結果利用または切戻しを具体的に書く。
学習のポイント
本文の事実を契約・調達・テスト・移行のリスクに結び付けて短く表現する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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