PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成25年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
要求とリスクのつながりに注目
計画を読むときは、要求として扱う内容がどの範囲に影響し、その不確かさがどのリスクにつながるかを一つの流れで整理し、記述同士の関係性に注目しましょう。用語の印象だけで判断せず、前後の因果関係が自然かを確認することが大切です。
この問題で問われていること
確認の中心は、要求・スコープ・リスクを個別に覚えることではなく、計画上のある記述が対象範囲をどう定め、その結果として不確実性や対応課題とどう結び付くかを追えるかです。
視点
計画内の記述を単独で読まず、対象範囲の定め方と不確実性の関係を順にたどり、内容同士の整合性を確認します。
確認ポイント
- 対象範囲との関係を確認する
- 不確実性とのつながりを確認する
- 記述同士の整合性を確認する
正解と解説を見る
解説
本問は、個別システム化計画を分析し、利用者要求、既存システムの課題、関係者の協力、新基盤採用のリスクを実行計画へ反映する力を問う。
問題の全体像
C社は、各事業部の業務システムからデータを集め、経営会議用資料を作成するモニタリングシステムを短期間で開発しようとしていた。しかし、事業部ごとに業務プロセスやデータ定義、基盤が異なり、データ整合性や新基盤の検証にも問題があった。S課長は、経営会議メンバへの確認を通じて本来の目的と要望を把握し、業務プロセス整理や既存システム改修を事前課題としてスコープとスケジュールを見直した。本問では、計画書のリスク発見、ステークホルダとのコミュニケーション、関係部門の協力確保、基盤採用に伴う要員・品質・納期のリスク評価が問われている。
設問1
計画書には、機能をデータ集計とレポート作成だけとし、各事業部との調整は不要とする前提がある。ところが、ヒアリングでは事業部ごとに業務プロセス、データ項目、更新時期、基盤が異なることが分かった。このため、公式解答例では、各事業部との調整が不要と想定している点を、プロジェクト管理上のリスクを含む部分としている。45字以内では、機能の限定と調整不要という前提を一体で押さえる。
設問2(1)
T課長から、既存システム間で類似データの整合性が取れていない可能性が示されている。一方、経営会議メンバは最終利用者であり、システムが何のために必要で、どのような情報を求めているかを判断する立場にある。したがって公式解答例では、最終利用者に対して、モニタリングシステム開発の目的とシステムへの要望を確認する点を挙げている。
設問2(2)
社長は、各事業部を同一指標で比較でき、整合性のある正確な情報を得たいと要望している。しかし、既存システムには同じようなデータ項目が複数存在し、更新時期も異なる。したがって、単に集計機能を作る前に、データ項目間の整合性を取ることが対応すべき課題となる。公式解答例もこの点を示している。
設問3(1)
モニタリングシステムのスコープに業務プロセスの整理と既存システムの改修を含めると、各事業部の業務内容やシステム仕様を理解している人の参加が必要になる。そのため、公式解答例では、新たなステークホルダを各事業部の業務担当者としている。
設問3(2)
各事業部の改修や開発は既にR社へ継続委託され、要員計画も固まっている。そこでD部長から事業部へ、モニタリングシステムの課題に対応する改修業務の優先順位を上げてもらい、各事業部の開発計画を見直して要員を割いてもらう必要がある。公式解答例は、この二つの協力内容を示している。
設問3(3)
新基盤は検証中で、利用予定機能に不具合があり、C社内にも詳しい要員が少ない。したがって、開発要員の手配では、W社のミドルウェアや新基盤に詳しい要員を確保できないリスクを書く。システムの品質では、ミドルウェアの不具合によって品質目標を達成できない、または品質が低下するリスクを書く。開発スケジュールでは、新基盤の開発標準の完成待ちで着手が遅れる、または検証遅延により年内に完了できないリスクを書く。公式解答例は、各観点についてこの原因と影響の組合せを示している。
学習のポイント
計画書の前提を検証し、リスクの原因と管理対象への影響を具体化する練習が重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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