PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成25年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
検討の前提をそろえて考える
企業合併に伴うシステム開発の検討では、まず判断の前提に注目しましょう。提示された情報を受け取る際は、何が既に確定し、何がまだ仮定なのかという一つの観点で、考えるための足場を整えてください。
この問題で問われていること
検討の焦点は、判断に使おうとしている前提が、与えられた条件に基づくものかどうかです。一般的な経験や印象から補った内容が混ざっていないかを意識し、根拠のある前提と自分の仮定を区別しながら考えましょう。
視点
前提とは、検討を進める際に土台として置く条件です。自分で補った条件も明示された条件と同じものとして扱っていないか、情報の根拠を意識して整理しましょう。
確認ポイント
- 判断の土台にした条件を、与えられた情報に結び付けられるか。
- 明示された条件と、自分で補った仮定を区別できているか。
- 考えを進める途中で、根拠のない前提を追加していないか。
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解説
企業合併に伴う計画変更について、開発範囲が変わらない部分と、業務理解・運用テスト・データ移行への対応が必要な部分を見極める問題です。本文の状況から、各施策の理由や効果を具体的に説明することが要点となる。
問題の全体像
A社はERP導入による基幹システム更改の要件定義を終えているが、M社との合併が決まり、稼働開始を来年4月から6月へ変更する。合併後はA社が検討した新システムの業務プロセスに統一するため、M社の業務部門の理解とデータ移行を計画に追加する必要がある。公式の出題趣旨では、企業合併によるスケジュール変更という制約の中で、プロジェクトへの影響分析、全体計画の変更、リスクへの対応を問うとしている。各設問では、本文の具体的な事情とB部長の施策を結び付けて考える。
設問1
M社の業務部門が新システムの業務プロセスを十分に理解できなければ、運用テストで問題が発生する可能性があるという記述に着目する。理解のためのスケジュールは、運用テストを円滑に行う前提を整え、開始できる時期を確定するために必要となる。公式解答例では、この二つの観点が示されている。30字以内では、例えば「運用テストが開始できる時期を確定する必要があるから」とまとめる。
設問2(1)
合併後の業務プロセスを、既に要件定義を終えた新システムの業務プロセスに統一するという方針に着目する。M社の業務理解やデータ移行によって全体工数は増えるが、ERP導入と追加開発の要件は変わらず、開発範囲も変わらない。公式解答例では「開発のスコープは変わらないから」「要件の変更がないから」としている。20字以内では「開発のスコープは変わらないから」とまとめられる。採点講評では、「業務プロセスを統一するから」と設問の条件を繰り返すだけでなく、開発スコープが変わらないことを説明するよう求めている。
設問2(2)
M社の業務部門の理解が不十分な場合、運用テストで問題が発生する可能性があるという記述と、図2の運用テスト期間に着目する。稼働が6月へ変更されても、運用テストは3月から開始し、3か月間を確保する計画です。その目的は、テストで発生した問題に対応する時間を確保することにある。公式解答例に沿って、30字以内では「運用テストで発生する問題への対応時間を確保するため」とまとめる。
設問3(1)
A社の業務部門は当初、業務プロセスの変更に抵抗感を示したが、デモ環境で検討を重ねて納得したという経緯に着目する。要件定義で中心的な役割を担ったメンバは、その納得に至った理由や、業務プロセスを理解するポイントをM社へ伝えられる。公式解答例では、納得した理由を説明してM社の理解を得ることと、理解するポイントを伝えることが、それぞれ解答例として示されている。両方を答案に盛り込むことを必須とはしていない。40字以内では、例えば「新業務プロセスに納得した理由を説明し、M社の業務部門の理解を得る」とまとめられる。別の例として「新業務プロセスを理解するポイントをM社の業務部門に伝える」も示せる。
設問3(2)
「A社の経験から」という条件を、A社の業務部門が当初は変更に抵抗感を示したという記述と結び付ける。その後、検討を重ねて新しい業務プロセスに納得できた経験から、M社にも変更を前向きに評価する姿勢を求めると考えられる。公式解答例では、新たな業務プロセスを前向きに評価すること、又は変更に抵抗感をもたないようにすることを挙げている。30字以内では「新たな業務プロセスを前向きに評価すること」とまとめる。
設問4(1)
M社のデータ移行を担当する要員と、12月の定期改修を実施する要員が、どちらもM社システム管理課の要員であることに着目する。移行方式設計と移行ツール開発を来年1月末までに完了させるには、定期改修との作業の重複を避け、移行要員を確保する必要がある。公式解答例に沿って、25字以内では「M社のデータ移行のための要員を確保すること」とまとめる。採点講評では、設問がデータ仕様の凍結以外の理由を求めているため、仕様変更による手戻りの説明ではなく、要員不足とその原因を読み取ることを求めている。
設問4(2)
M社システム管理課の要員は、移行元のデータ仕様には詳しいが、新システムのデータ仕様を理解しておらず、移行方式設計に時間がかかりそうだという報告に着目する。新システムの開発を進めるA社と共同で設計すれば、M社が移行先のデータ仕様を早期に把握でき、設計の長期化への対策となる。公式解答例では、共同作業の理由を新システムのデータ仕様の早期把握としている。30字以内では「新システムのデータ仕様が早期に把握できるから」とまとめる。
学習のポイント
施策とその目的を因果関係で整理する。特に、開発スコープ、業務部門の理解、問題対応の時間、移行要員の確保を本文の根拠と結び付けて学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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