PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

平成25年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問15

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

プロジェクトにどのツールを導入するかを,EMV(期待金額価値)を用いて検討する。デシジョンツリーが次の図のとき,ツールAを導入するEMVがツールBを導入するEMVを上回るのは,Xが幾らより大きい場合か。
ツールAとツールBの費用,効果額及び発生確率を示すデシジョンツリー。
ツールAとツールBの費用,効果額及び発生確率を示すデシジョンツリー。

選択肢

  1. ア
    120
  2. イ
    150
  3. ウ
    200
  4. エ
    240
解き方のヒントを見る

分岐構造と比較対象を整理する視点

意思決定の条件を問う問題では、計算に入る前に、どの分岐が意思決定者の選択で、どの分岐が不確実な事象なのかを見分けます。そのうえで、何と何を比較して条件を導くのかを整理しておくと、取り違えを防げます。

この問題で問われていること

問われているのが特定の値そのものなのか、ある代替案が他より有利になる境目なのかを読み取ります。そのうえで、比較の土台となる各代替案の期待金額価値がどの未知の要素に依存しているのかを把握することが焦点です。

視点

デシジョンツリーには、意思決定者が自ら選ぶ分岐と、確率に従って結果が分かれる分岐が混在します。条件を求める問題では、比較される代替案ごとに評価がまとまる地点を確かめます。さらに、未知の要素がどの枝に現れるかを追うと、何を比べて条件を立てるのかが見えやすくなります。

確認ポイント

  • ツリー上の各分岐が、意思決定者の選択なのか不確実な事象なのかを区別できているか
  • 最終的に比較される代替案がどれとどれか、またツリーのどの地点で比較するのかを特定できているか
  • 求める条件に関わる未知の要素が、どの枝の値や確率に含まれているかを確認したか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

ツールごとに結果の効果額へ確率を掛けて期待効果を求め、導入費用を差し引いたEMVを比較する。ツールAは、効果額Xを含めると、EMVが0.6X+0.4×90-120=0.6X-84万円となる。ツールBは、0.6×120+0.4×60-60=36万円です。したがって、AがBを上回る条件は0.6X-84>36、すなわちX>200万円となる。

理由

ツールAのEMVは、効果が大きい場合と小さい場合を確率で加重してから費用を差し引くため、0.6X+0.4×90-120=0.6X-84万円となる。ツールBは0.6×120+0.4×60-60=36万円です。AがBを上回るには0.6X-84>36を満たす必要があり、X>200万円となる。

比較

選択肢の数値は、二つのEMVを比較して得られる境界値と照合する。120万円や150万円ではツールAの期待値がツールBを上回る条件に届かず、240万円は境界を超える一例にすぎない。求めるのは具体例ではなく、AがBを上回るための基準値です。

選択肢ア

これは不正解だよ。120万円は、ツールAの効果額Xに入る値として比較すると、EMVの条件0.6X-84万円>36万円を満たさない。導入費用120万円を考慮したAの期待値が、導入費用60万円を含むBのEMVを上回る境界は、120万円より大きい値になる。

選択肢イ

これは不正解だよ。150万円をXに代入しても、ツールAのEMVは0.6×150-84=6万円となり、ツールBのEMV36万円を上回らない。確率付き効果額から各導入費用を差し引いて比較すると、150万円では条件を満たさないことが分かる。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。ツールAのEMVは0.6X+0.4×90-120=0.6X-84万円、ツールBは0.6×120+0.4×60-60=36万円である。AがBを上回る条件は0.6X-84>36なので、X>200万円となる。

選択肢エ

これは不正解だよ。240万円はXがこの値より大きければAがBを上回るという境界値ではなく、正しい境界を超えた具体的な値に当たる。EMVを等しくする条件は0.6X-84=36から求められ、基準は240万円ではない。

学習のポイント

確率付きの効果額から導入費用を差し引くEMV計算と、条件不等式の立て方を学ぶ。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問15(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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