PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成24年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
要求整理の優先順位を考える視点
立て直しでは、関係者の要望を並べるだけでなく、目的への影響と実行上の制約を同じ軸で見比べ、何を先に検討するかを整理する視点が重要です。個別の表現に左右されない判断を意識しましょう。
この問題で問われていること
要求を評価するときは、誰の意見かや目立つ要望かではなく、プロジェクトの目的・成果・制約との関係を一つの観点から確認し、優先順位の根拠が一貫しているかを考えてください。
視点
要求同士を比較するときは、背景にある目的と、実現に必要な条件を切り分けて捉えます。そのうえで、判断基準が途中で変わっていないかを確認しましょう。
確認ポイント
- 要求が示す内容と、その背景にある目的を分けて捉えられているか確認する
- 優先順位を決める際に、影響範囲と実行上の制約を同じ基準で見ているか確認する
- 一部の意見や表現だけに引きずられず、判断理由を一貫して説明できるか確認する
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解説
本問は、途中で交代したPMがプロジェクトの状況を把握し、確定した要求を優先して納期を守りつつ、未収束の要求を整理する立て直しを問う。
問題の全体像
若手PMの下で、各部門の業務管理レポートの要求が拡大し、要件定義が収束しないプロジェクトにベテランのT氏が新PMとして就任した。経営管理レポートは社長の要求とデータ項目・データフローがほぼ確定している一方、業務管理レポートは部門ごとに項目や形式が異なり、要求範囲が広がり続けている。出題の狙いは、PMが状況を事実に基づいて整理し、納期に直結する範囲を優先し、未確定範囲には別の計画と要求収束策を設ける考え方を問うことです。
設問1(1)
目標が決まっている範囲は、H社社長が明確に指示した経営管理レポートの提出時期に対応する。したがって、翌月5営業日以内に提出することを目標として書く。30字以内なので、対象と期限を簡潔に押さえる。公式解答例でも、この提出期限が示されている。
設問1(2)
経営管理レポートについては、要求されるデータ項目の洗い出しが終わり、H社社長の承認も得られている。問われているのは、この確定範囲で適切に進んだ作業なので、データ項目の洗い出しと社長承認を答える。公式解答例もこの二点を挙げている。
設問1(3)
目標が決まっていない範囲は業務管理レポートであり、各部門の要求を確認するたびにシステム化の範囲が拡大している。改善すべき具体的状況として、要求内容の確認のたびに範囲が拡大していることを書く。単に要求が多いという表現ではなく、収束せず拡大している点が重要です。
設問2(1)
各部門の業務管理レポートの項目が、経営管理部の統一的な判断ではなく、各部門の業務担当者の判断に任されている。そのため部門ごとに要求が増え、全体として収束しない。公式解答例では、この要求項目の決定が各担当者に委ねられている点を原因としている。
設問2(2)
T氏の運営方針は、業務管理レポートの開発計画を後で定めるものであり、R社社長がH社社長に口頭で約束した「開始から1年後の稼働」を一部守れない可能性がある。そのため、方針変更についてR社社長の事前了解を得る必要がある。公式解答例も、1年後稼働の約束が一部守られないことを理由としている。
設問2(3)
経営管理レポートは、社長の要求、データ項目、データフローが確定しており、翌年1月の稼働開始を目指せる。一方、業務管理レポートは要求が未収束です。両者を分けることで、社長要求の経営管理レポートを来年1月までに完成させることを優先できる。
設問2(4)
業務上の効果と優先順位を要求と併せて記録すれば、要求を比較して採否や実施順を判断でき、業務管理レポートの要件を収束させる根拠になる。公式解答例でも、要件収束の根拠とするためと説明されている。
設問3
業務担当者から出される要求を各部門任せにすると、要求が増え続けて収束しない。そこでH社に対し、業務担当者の要求を取りまとめる責任者を決めてもらう体制面の対策を提案する。採点講評でも、単にチームを二つに分けるのではなく、要求を取りまとめる責任者の選任が必要とされている。
学習のポイント
要求の収束、優先順位付け、関係者調整、責任者設定を事例から読み取る力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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