PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成24年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
判断に使う前提をそろえる視点
この分野を学ぶ際は、判断の土台となる前提に注目しましょう。結論だけを急いで決めず、与えられた情報のうち、何が明示され、何を自分で補っているかを分けると、考え方を整理しやすくなります。
この問題で問われていること
考える対象に対して、どの前提を置いて判断しているかを確かめてください。明記された条件と、自分の経験や印象から付け足した条件を混ぜずに捉えることが、今回の検討で意識したい一つの観点です。
視点
判断には、出発点として置いている条件があります。その条件の出どころを意識すると、与えられた情報と自分の推測が混ざっていないかを振り返りやすくなります。
確認ポイント
- 判断の前提としている条件を言葉にできるか
- その前提は与えられた情報のどこに基づくか
- 自分で補った前提を、明示された条件と区別できているか
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解説
外部設計で営業部との合意を形成し、品質・未解決問題・スコープ変動から状況と見通しを把握する問題です。レビュー数値の原因分析、影響を受けない作業の先行、要員確保、変更要望の効果と対応時期の調整を、事例に即して判断します。
問題の全体像
A社は翌年1月の稼働開始に向けて営業情報システムを構築しますが、外部設計の期間は営業部の繁忙期に重なります。B課長は営業部との合意形成を重視し、3月中旬に設計品質、問題の解決、スコープの変動を確認します。公式資料の出題趣旨では、内部設計以降のスコープ変動を極力抑えるための合意形成と、状況・見通しの把握、問題発生時の対処が主題とされています。各設問では、本文の原因や制約に対応する具体的な判断を示します。
設問1(1)
C主任の原案では、レビューをチームごとに実施し、結果だけを他チームへ電子メールで伝えます。着目するのは、本文の「チーム間の整合性を確保する」という目的です。結果の伝達だけでは、両チームの設計を突き合わせた確認が不足するおそれがあります。公式解答例では、他チームが担当する業務との整合性、又はインタフェースを挙げています。25字以内では「他チームが担当する業務との整合性」と、確認対象を具体的に示します。
設問1(2)
空欄aは、営業部に「組織として責任をもってもらう」対象です。業務を熟知したレビューアの参加だけでなく、内部設計に進む前に営業部として設計内容を確認する場を設ける点に着目します。公式解答例では「外部設計の内容」又は「レビュー結果」とされています。空欄には、最終確認会で営業部が責任をもつ対象として、例えば「外部設計の内容」を入れます。
設問1(3)
空欄bの直前には、営業部のレビューアの大半が「業務を熟知しているが責任者ではない」とあります。したがって、最終確認会に加えるべき人は、営業部として責任をもって確認できる立場の人です。公式解答例では「営業部の責任者」又は「営業部長」とされています。業務知識のある参加者を増やすだけでなく、組織としての責任を担う人の関与が必要だと読み取ります。
設問2(1)
本文では、各成果物の難易度に差がないため、同じ基準値を適用しています。Dチームの画面定義書は投入時間2.5分、指摘件数0.12件で、いずれも下限を下回ります。「業務を熟知したメンバが作成に関与した」という説明だけでは、画面定義書だけ短時間になった理由を十分に説明できません。公式解答例では、同じ基準値の適用、又は難易度に差がないことが理由です。25字以内では「各成果物に同じ基準値を適用しているから」とまとめます。類似画面をまとめてレビューできたことは、その後の分析で判明した具体的な原因です。
設問2(2)
Eチームでは、業務を熟知したレビューアの代わりに都度異なる代役が参加し、その場で意思決定できず、意見調整後の再レビューによって投入時間が増えています。指摘件数を再集計した結果、設計品質には問題がないと確認されているため、ここで改善する対象は繰り返しレビューすることによる非効率です。公式解答例では「レビューの効率」又は「作業の効率」とされています。採点講評では、この設問で複数の視点を列記した答案に不適切な内容や矛盾が見られたと指摘されており、空欄には「レビューの効率」と焦点を絞ります。
設問2(3)
下線①では、指摘の原因が外部設計の作業自体ではなく、前工程である要件定義の内容にあることに着目します。要件が不明確だったり矛盾していたりすると、それを基に設計する段階で問題が表面化します。公式解答例では、要件定義の不明確な点、矛盾する点、又は品質確保の不足による指摘を挙げています。30字以内では「要件定義の内容に不明確な点があることによる指摘」と、原因と指摘の関係を示します。
設問3(1)
問題1は、両チームに共通する月次処理の方針が確定しないことです。求められているのは、方針の確定を待つ間の「作業順序の工夫」なので、月次処理の問題に影響されず進められる作業を先に行います。公式解答例では「月次処理に関連しない作業を先に行う。」などとされています。この表現は25字以内に収まります。採点講評では、レビューアの交代や体制強化などの関係者との調整を答えた誤りが多かったとされており、実施順序の変更に絞って答えます。
設問3(2)
問題2は業務D1に限られ、検討が内部設計の期間にずれ込む見込みです。B課長は内部設計の終了までに遅れを取り戻すようスケジュールを見直し、その実行に必要な体制をX社に確認しています。「要員はひっ迫しているが、何とか対応できる」という回答からも、確認対象が要員の確保だと分かります。公式解答例では、見直したスケジュールに対応する要員の確保、又は内部設計期間の追加要員投入の可否を挙げています。30字以内では「スケジュールの見直しに対応した要員の確保の可否」とまとめます。
設問4(1)
前日時点の情報を表示する変更には、日次更新プロセスの新規構築が必要で、内部設計以降の総工数は想定を20%超える見込みです。工数の見積りはX社から得ているため、営業部には変更の優先度を判断できる業務側の情報を求めます。公式解答例では、変更による業務上の効果、予定どおり対応する必要性、又は対応しなかった場合の業務への影響を挙げています。30字以内では、例えば「変更要望に対応することによる業務上の効果」と、一つの判断材料を明確に示します。
設問4(2)
X社の開発要員の供給力を考えると、変更要望への対応を予定どおり終えるのは難しいという判断に着目します。そこで営業部と調整するのは、変更への対応時期を後ろにずらし、稼働開始時は要件定義どおり前月末時点の情報を表示することです。公式解答例でも、この二つの表現が示されています。30字以内では「変更要望への対応時期を後ろにずらす。」とまとめられます。変更対応の延期を答え、システム全体の稼働開始を延期するという内容に広げないことがポイントです。
学習のポイント
設問が求める対象と問題の影響範囲を区別し、本文の原因から具体的な対処を導く練習を重点にします。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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