PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ
平成23年度特別 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
見積りと予算の前提をそろえる
コスト見積りと予算管理について考えるときは、判断の前提となる条件に注目しましょう。扱う費用の範囲や対象期間がそろっているかを確かめ、条件の違いを見落としたまま結論を急がないことが大切です。
この問題で問われていること
考える際には、費用に関する判断がどの前提に基づくものかを確認してください。判断の対象とされている範囲や期間を意識し、異なる前提の情報を同じ条件のものとして扱っていないか、立ち止まって確かめましょう。
視点
ここで整理したいのは、判断に使う情報の前提です。個々の情報からすぐに結論へ進む前に、それぞれが何を対象とするものかを確認し、前提がそろっているかという一点に注目しましょう。
確認ポイント
- 費用の対象範囲を確認したか
- 対象となる期間を確認したか
- 前提条件の違いを見落としていないか
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解説
本問は、自身が携わったプロジェクトについて、コスト構成から見積り・予算作成、遂行中の差異把握と予算超過防止までを具体的に論述する問題です。プロジェクトの特徴、判断の根拠、実施した工夫や対策を関連付け、設問間の整合を保つことが要点です。
問題の全体像
本問には、特定企業の事例や比較用の数値は示されていません。自身が携わったシステム開発プロジェクトを取り上げ、PMとして予算を作成し、それを守るために行ったコストのマネジメントを論述します。問題文は、予算作成時の見積り精度向上と不確実性への備え、遂行中の差異把握と予算超過防止という二つの段階を示しています。添付の公式資料には答案例ではなく出題趣旨が示されており、見積り方法、精度向上の工夫、予算作成上の考慮、差異把握の仕組み、超過が予想される場合の対策を通じて、PMの知識と実践能力を評価するとしています。採点講評では、問題文の例を引用するだけの論述や、設問間で整合しない論述が指摘されています。各設問を同じプロジェクトの経験として結び付け、プロジェクト概要欄の規模や自身の立場とも整合させることが大切です。
設問ア
着目するのは、「プロジェクトの特徴」と「コストの構成とその特徴」の両方が求められている点です。800字以内で、開発対象や目的、規模、期間、自身の役割など、後続の論述を理解するために必要な情報を絞って示します。その上で、問題文が挙げる開発要員や開発環境などを手掛かりに、実際のプロジェクトで主要なコスト項目と、その構成上の特徴を説明します。項目の列挙だけで終わらず、どのコストが大きかったか、どの部分に見積りの不確実性があったかなどを、プロジェクトの特徴に結び付けると、設問イ・ウの判断の背景が伝わります。採点講評では、設問アの内容を正しく捉えず、設問イ・ウと整合しない答案が指摘されています。後続で扱う見積り対象や差異の発生箇所を、この設問で示したコスト構成と対応させましょう。
設問イ
800字以上1、600字以内で、「見積り方法」「精度を高める工夫」「予算作成に当たって特に考慮したこと」の三点を具体的に説明します。問題文では、各コスト構成要素を見積もること、開発要員のコストについて過去の類似プロジェクトから類推すること、生産性の基準値をプロジェクトの特徴に応じて修正することが示されています。これを手掛かりに、自身が何を根拠としてどう見積もり、その根拠を今回の条件に合わせるために何を工夫したかを書きます。類似事例を使ったと述べるだけでは、精度向上の説明になりません。設問アの特徴に照らし、過去事例や基準値をそのまま適用できない理由と、実際に行った補正などを明らかにします。予算作成上の考慮については、問題文の情報精度が低い場合の予算の幅や、リスクに備えた予備費に着目し、自身のプロジェクトでどの不確実性やリスクを考慮したかを説明します。これらは問題文の例であり、一律に採用する必要はありません。採点講評の指摘を踏まえ、方法名や例の引用にとどめず、採用理由と具体的な適用内容を示すことが重要です。
設問ウ
600字以上1、200字以内で、「差異を把握する仕組み」と「差異を把握した場合にとった予算超過防止策」を説明します。問題文では、各アクティビティの完了に要した実コストと予算を比較し、差異の原因と影響を分析して、完了時のコストを予測する流れが示されています。まず、自身のプロジェクトでどの単位の実コストを、いつ、どのように収集して予算と比較したかを示し、差異を把握できる仕組みを説明します。続いて、実際に把握した差異、その原因、残作業や完了時コストへの影響を述べ、その状況に応じてとった対策へつなげます。問題文には生産性改善や委託者・利用部門とのスコープ調整が例示されていますが、対策名だけでは具体性が不足します。何を変え、なぜその原因に有効と判断したかを、自身の経験に即して示しましょう。採点講評では、差異を把握した状況を踏まえた具体的な対策が期待された一方、一般的な論述も見られたとしています。仕組みの説明に偏らず、状況と対策の対応を明確にすることが重点です。
学習のポイント
見積りと予算管理を区別して整理し、プロジェクトの特徴から工夫の必要性を、差異の原因と影響から対策の妥当性を説明する練習をしましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度特別 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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