PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ
平成22年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
自身の経験を判断の根拠で整理する
自身が関わったシステム開発プロジェクトを振り返り、リスクについての判断を何に基づいて行ったかに着目しましょう。分析、対応計画、評価の記述を、その根拠が読み手に伝わるようにつなげて整理します。
この問題で問われていること
設問が求めるリスク分析、対応計画及び評価について、自身の経験の中でそれぞれの判断を支えた根拠を振り返ってください。行ったことの列挙にとどめず、なぜそのように考えたのかが伝わる説明になっているかを確認しましょう。
視点
「何をしたか」と「何を根拠に判断したか」を分けて書き出すと、自身の経験を整理しやすくなります。設問の各観点に沿って、判断と根拠の結び付きが説明できているかを見直しましょう。
確認ポイント
- リスク分析での判断を支えた根拠を説明しているか
- 対応計画を立てた際の判断とその根拠が結び付いているか
- 評価についての自身の判断を根拠とともに説明しているか
正解と解説を見る
解説
本問は、プロジェクトの立上げ時に存在したリスク要因から、目標を阻害するリスクを想定し、分析に基づく対応計画と実施状況・評価を論述する問題です。採点講評では、リスク要因とリスクの混同、想定したリスクではなく既存のリスク要因だけを分析する記述が指摘されています。
問題の全体像
本問には固定の事例がなく、自分が携わったシステム開発プロジェクトを対象に論述します。問題文は、新技術の未成熟による品質低下、未経験の開発方法論によるコスト増加、利用部門の参加未確定によるスケジュール遅延を例示し、立上げ時のリスク分析と対応計画の重要性を示しています。添付の公式資料は個別の論述答案を示す解答例ではなく、出題趣旨です。出題趣旨では、想定されるリスクの分析や対応策を具体的に論述し、PMとしてのリスク管理の知識と実践能力を示すことが求められています。採点講評では、別途記入する「論述の対象とするプロジェクトの概要」と論述内容との不整合や、設問の趣旨から外れた記述も指摘されています。特徴と目標、リスク分析、対応計画と評価を、同じプロジェクトについて一貫して記述することが重要です。
設問ア
問題文の「プロジェクトの特徴とプロジェクト目標」に着目します。800字以内で、対象業務や開発範囲などの背景を簡潔に示した上で、リスク管理に関係するプロジェクト固有の特徴と、達成すべき品質・コスト・納期などの目標を説明します。採点講評では、プロジェクトの特徴を問われているのに、プロジェクトの概要やシステムの特徴についての論述が多かったと指摘されています。そのため、機能紹介に字数を使い過ぎず、技術経験、開発体制、関係部門との調整条件などが管理上どのような特徴を生むかを示します。これは答案構成上の観点であり、全項目を列挙する必要はありません。自分のPMとしての立場も簡潔に示し、設問イで説明するリスクが、どの特徴から生じ、どの目標を阻害するのかが分かる土台を作ります。
設問イ
問題文の「立上げ時に存在したリスク要因」「プロジェクト目標の達成を阻害するようなリスク」「リスク分析をどのように行ったか」の三点に答えます。800字以上1、600字以内で、主要なリスクについて、既に存在していた条件、想定した将来の事象、目標への影響、分析方法と判断結果を順につなげます。採点講評では、リスク要因とリスクの定義を理解せず混同した記述や、想定したリスクではなく既存のリスク要因についての分析にとどまる記述が指摘されています。例えば、問題文の「新技術が十分に成熟していない」は要因であり、「品質の低下」は想定されるリスクです。未成熟である理由だけを説明しても、リスク分析の説明にはなりません。品質低下の発生可能性や、品質目標・修正工数・納期への影響をどう判断したかまで示します。定性的・定量的分析は、実際に用いた方法について、判断材料、評価の尺度、結果と優先順位を具体化します。問題文は両方の実施を必須としていません。
設問ウ
問題文の「設問イで述べたリスク分析に基づいて」と「実施状況及び評価」に着目します。600字以上1、200字以内で、分析結果から選んだ予防処置と、リスクが現実化した場合に影響を抑える対策を説明し、実際の実施状況と評価まで記述します。出題趣旨では、予防処置や発生時対策などの対応計画を策定し、リスクを管理する能力が重視されています。採点講評でも、想定したリスクの分析に基づいて策定した対応計画について、具体的な記述が多かったと述べられています。答案では、なぜその対策を選んだかを設問イの分析結果と結び付け、担当者、実施時期、対策を開始する条件などを必要な範囲で示すと、計画が具体化します。続いて、予防処置を実施した結果や、現実化時に行った対策の結果を、設問アの目標に照らして評価します。リスクが現実化しなかった場合も、その経過と予防処置の評価を説明できます。対策の列挙で終わらず、効果の判断根拠や残った課題まで示す構成が適切です。
学習のポイント
リスク要因とリスクを区別し、プロジェクト目標への影響、分析結果、対応策の選択理由、実施後の評価をPMの視点で一貫して説明する練習が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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