PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成22年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
データ移行の検討で前提をそろえる
データ移行について考えるときは、判断の根拠となる前提が明確かという一点に注目しましょう。与えられた情報から確認できることと、自分の経験や印象で補っていることを区別すると、検討の筋道を整理できます。
この問題で問われていること
この分野では、ある判断がどの前提に基づいているかを意識して検討しましょう。一般に当てはまりそうだという印象だけで結論を急がず、その前提が与えられた情報に含まれているかを確かめることが、考えを整理する手掛かりになります。
視点
考えの根拠をたどり、明示された前提と自分が補った仮定を分けて整理します。仮定に気付いたら、確定した情報として扱っていないかを振り返りましょう。
確認ポイント
- 判断の土台にした前提を言葉にできているか
- その前提を支える情報が与えられているか
- 自分が補った仮定を確定した情報として扱っていないか
正解と解説を見る
解説
本問の要点は、200万件のデータを正しく移行し、本番移行を6時間以内に完了させる計画を作ることです。事前移行による作業軽減、現行システムの経験者の参加、実データに近いテスト、合同調査及び不具合対策の検証を関連付けて理解する。
問題の全体像
A社は契約情報管理システムを再構築し、4月1日に新システムのサービスを開始する。移行対象は200万件で、本番移行は6時間以内に終える必要がある。公式資料の出題趣旨では、制約の下でのデータ移行計画、関連作業との連携、新たな課題への対応が問われている。設問では、移行時間とデータの正しさを中心に、必要な体制、テストの進め方、発見された不具合への対策を説明する。
設問1(1)
案ロは変更されないデータを先に移行し、案ハは全データを先に移行して、その後に変更されたデータを本番移行する。どちらも本番移行で扱うデータを減らせるため、6時間制約に対するリスクを軽減できる。公式解答例では、時間短縮、作業軽減、対象データ削減が示されている。20字以内では「本番移行の時間短縮ができるから」のように、事前移行の効果を端的に表す。
設問1(2)
着目するのは、本番移行が必要なデータの「件数と種類」を基に、方式決定前に実現性を評価するという記述です。件数や種類に応じて必要な作業時間を見積もり、6時間以内に完了できるかを判断する。公式解答例では「本番移行の作業時間を見積もる。」と示されている。20字以内では、評価のために行う具体的な作業を答える。後工程の移行リハーサルと区別する。
設問1(3)
移行リハーサルでは、手順や作成データの確認に加え、本番移行を「制約の下で確実に実施できること」を検証する。その制約は、サービス提供時間帯を避け、6時間以内に終えることです。公式解答例では「本番移行が6時間以内で終わること」と示されている。20字以内では、単に時間を確認すると書かず、6時間以内という判断基準まで含める。
設問2
選任した部下に現行システムの開発経験者がおらず、設計書にもデータ項目の更新契機と更新内容のまとまった記述がない点に着目する。必要な情報を整理するには、現行システムを知る人材の参加が必要になる。公式解答例では「現行システムの開発経験者を参加させる。」と示されている。25字以内では、要請した人材の経験と参加させることを明確にする。
設問3(1)
総合テストの後半から、現行システムのデータを移行して作成した新システムのデータを使う点に着目する。このデータを使えば、本番で利用するデータに近い条件で業務機能をテストでき、稼働後に現れる不具合の発見につながる。公式解答例では「本番環境に近いデータでテストができるから」と示されている。25字以内では、テストデータを充実させる具体的な効果を表します。
設問3(2)
移行したデータを用いる総合テストでは、不具合の原因が移行作業にあるのか、業務機能開発にあるのかを調べる必要がある。両担当者の合同チームなら、双方の知識を使い、並行して調査できる。公式解答例では、原因の切分けの迅速化、両面からの並行調査、担当者の連携が示されている。40字以内では「移行作業と業務機能開発の両面から並行して原因を調査できるから」のように、迅速化の仕組みを書く。
設問4(1)
不一致が判明したのは2月最終週であり、200件に対応するには移行プログラムの多くの箇所を修正する必要がある。サービス開始までの時間が限られることと、修正範囲が広いことからリスクを考える。公式解答例では、修正が間に合わずサービス開始が遅延すること、デグレードによってデータ移行の見通しが立たなくなることが示されている。30字以内では、修正によって生じる具体的な支障を簡潔に述べる。
設問4(2)
案2は、本番移行の中で利用部門が業務機能を使い、対象データを個々に変更する案です。確実に実施できるかは、変更の正しさと作業時間から確認する。公式解答例では、実際の業務機能で正しく変更できることの確認、変更後のデータによる比較結果の一致確認、作業時間の測定による時間内実施の確認が示されている。35字以内では、例えば「作業時間を測定し、本番移行の時間内に実施できるか確認する」のように、行った検証を具体的に表す。
学習のポイント
作業時間の見積りとリハーサルによる検証を区別し、データの正しさ、担当者の連携、修正リスクを本文の条件から説明する練習をする。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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