PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成21年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
変更を扱う手順の見極め視点
契約や計画に関わる変更を検討するときは、関係者間の合意、影響範囲、記録と承認のつながりに注目し、個別の用語や順序を暗記せず、管理の一貫性を確かめる姿勢を持ちましょう。
この問題で問われていること
この問題では、変更や判断をその場の都合で進めるのではなく、誰が何を確認し、影響を整理し、合意内容を後から追える形で扱っているかという一点に絞って読み比べましょう。
視点
契約上の約束とプロジェクト運営上の判断は、関係者の認識をそろえ、変更の影響を見えるようにし、決定の根拠を記録へ結び付けて考えると整理しやすくなります。
確認ポイント
- 変更の発生から判断・記録までが、関係者にとって追跡できる流れになっているか確認する。
- 費用・納期・品質・責任分担などへの影響を、判断前に整理する考え方になっているか見る。
- 個人の判断だけで進めず、契約や合意された権限に沿って承認される前提か確かめる。
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解説
請負契約への変更を前提に、成果物と見積りを明確化し、仕様変更ルール、会議運営、ヒアリング方法を見直して、契約上のリスクとプロジェクトの負担を低減する問題です。
問題の全体像
M社は、従来の委任契約から、内部設計から結合テストまでを請負契約とする追加開発に移行します。N課長は、請負契約に適した成果物・見積り・報告のルールを整え、過去の追加開発で発生した残業や手戻りの原因も分析します。設問では、契約時の成果物不明確リスク、仕様変更時の見積りと報告、会議・ヒアリングの改善、問題発生時のエスカレーションが問われています。
設問1
請負契約では、作成すべき成果物や記述レベルが曖昧だと、契約後に想定外の成果物を要求され、費用や期間が超過したり、成果物の認識違いからトラブルになったりします。したがって、35字以内では「成果物が不明確なまま契約して後でトラブルが発生する」または「想定外の成果物要求で費用・期間が超過する」という因果を押さえます。
設問2(1)
本文では、外部設計開始から総合テスト終了まで見積もる点は変えず、報告内容を見直すとあります。公式解答例では、工程を外部設計、内部設計から結合テスト、総合テストに分けること、また請負契約部分は工数ではなく金額で提示することが示されています。請負対象を明確に分離する点が要所です。
設問2(2)
外部設計終了後なら、仕様や作業内容が具体化し、請負対象工程の見積り精度を高められます。また、当初見積りとの差を確認して作業内容や金額を見直せます。30字以内では「外部設計の結果に基づき請負工程を見積もるため」など、再見積りによって請負契約の精度・リスクを改善する点を書きます。
設問2(3)
請負契約では、委任契約のように工数実績を費用精算の根拠として定期報告する必要はありません。公式解答例は、請負契約部分の工数実績を報告せず、結合テストの結果を報告する内容を示しています。25字以内では、請負部分の報告対象を工数から成果・品質へ変更することを示します。
設問3(1)
N課長は、残業時間が多いという結果だけでなく、実際の作業の進め方やルールの整備状況を分析しようとしています。さらに、報告内容が似た進捗会議と連絡会が存在し、リーダが出席・準備に追われている事実を表2から把握しました。20字以内では、作業方法・ルール、または重複した定例会議の存在を簡潔に示します。
設問3(2)
リーダと担当者を集めた場では、リーダの発言が大半を占めました。そのため担当者が大勢の前や利害関係者の前では話しにくい内容を述べられない可能性があります。個別ヒアリングのねらいは、担当者が話しやすい環境を作り、表面化しにくい問題を聞き出すことです。
設問4(1)(a)
S主任は訪問時に「報告や連絡についての改善点があれば、提案をお願いします」と述べています。その発言を受け、進捗会議の目的に加えるのは「報告や連絡の改善提案」です。公式解答例では「仕様変更に関する調整」も示されていますが、いずれもQ社訪問時の相談事項に対応する字句です。
設問4(1)(b)
連絡会は原則月次ですが、急ぎの相談事項にも対応する必要があります。したがって、空欄には「必要に応じて随時」が入ります。定例開催に加えて、緊急性のある相談を遅らせない運営ルールを表しています。
設問4(2)
進捗会議では、すべての未決事項について毎回報告を求められ、資料作成と報告がリーダの負担になっています。改善案は、全件を報告するのではなく、優先度が高い、解決期限が近い、重要な動きがあった未決事項に絞ることです。20字以内では、報告対象を重要な未決事項に限定する趣旨を示します。
設問4(3)
仕様変更要求が多発し、S主任との調整だけでは解決が難しい場合には、より上位の責任者へ相談する必要があります。本文では、R課長と1対1で相談できる連絡会を設けています。したがって、別の解決手段は「連絡会でR課長に相談する」です。
学習のポイント
契約条件と作業ルールを対応付け、本文の事実から改善策の目的を簡潔に表現する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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