PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ
令和6年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問30
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アシステム開発が長期間となることが予想されるので,開発要員の派遣期間を 3 年とする契約を結ぶ。
- イ派遣候補者の履歴書及び業務経歴書の提出を B 社に求め,書類選考を行い,面接対象者を絞り込む。
- ウ派遣された要員が大きな作業負担を負うことが見込まれるので,B 社に 20 代男性の派遣を求める。
- エ派遣労働者が A 社の指揮命令に対して申し立てた苦情に自社で対応せず,その処理を B 社に任せる。
解き方のヒントを見る
三者関係の役割分担で判断する
派遣に関する問題では、派遣元・派遣先・派遣労働者の三者がそれぞれどの契約でつながり、どの権限と責任を持つかを整理することが出発点です。検討する行為が誰の立場で行われるべきものかを意識して読み進めましょう。
この問題で問われていること
確認すべき観点は一つ、「その対応は派遣先が自ら行うべきものか、派遣元に委ねる・連携すべきものか」という責任の所在です。雇用関係と指揮命令関係を分けて考え、各行為がどちらに結びつくかを法の趣旨から検討します。
視点
労働者派遣は、雇用する者と実際に業務の指示をする者が分かれる特殊な就業形態です。そのため法令では、どの事項をどの当事者が担うかが整理されています。個々の対応を検討するときは、その行為が雇用に由来するものか、就業の場で生じるものかを区別し、当事者の立場と照らし合わせて妥当性を考えることが学習の基本になります。
確認ポイント
- 派遣元・派遣先・派遣労働者の間にどのような契約関係と指示関係があるかを図などで整理できているか
- 検討している対応が雇用に関わる事項か、就業の場での業務に関わる事項かを区別できているか
- その対応を行う立場に、判断する主体が法の趣旨から見て適切に位置づけられているかを確かめたか
正解と解説を見る
正解
ア
解説
労働者派遣法では、派遣先で受け入れる期間は原則3年が上限です。3年の派遣契約はこの上限内なので適切です。派遣労働者を特定する目的の行為、性別・年齢の指定、苦情処理を派遣元に丸投げすることは、いずれも適切ではありません。
正答の理由
労働者派遣法では、派遣先の事業所単位の受入期間も、同じ派遣労働者を同じ組織単位で受け入れる個人単位の期間も、原則3年が上限です。アの「派遣期間を3年とする契約」はこの上限内なので、法に照らして適切です。
誤答との比較
イの履歴書の提出要求・書類選考と、ウの性別・年齢の指定は、派遣労働者を特定することを目的とする行為に当たり得ます。この行為について、派遣先は紹介予定派遣の場合を除き、行わないように努めなければなりません(努力義務)。ウは性別による差別的取扱いとしても問題です。エについては、派遣先は苦情を受けたら派遣元と連携して適切かつ迅速に処理しなければならないと定められており、丸投げはできません。
選択肢ア(正解)
これは正解だよ。労働者派遣法では、派遣先の事業所での受入期間も、同じ派遣労働者を同じ組織単位で受け入れる期間も、原則3年が上限だよ。3年の契約はこの上限内なので、長期のシステム開発に対応する行為として法に照らして適切といえる。なお、3年を超えて受け入れるには、過半数労働組合等への意見聴取や組織単位の変更などが必要になる点も押さえておこう。
選択肢イ
これは不正解だよ。派遣先が派遣候補者の履歴書の提出を求めたり、書類選考や面接で人を絞り込んだりすることは、派遣労働者を特定することを目的とする行為に当たるよ。労働者派遣法では、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先はこうした行為をしないように努めなければならないと定めている。努力義務ではあるけれど、法の趣旨に反する行為なので適切とはいえないね。
選択肢ウ
これは不正解だよ。「20代男性」のように年齢や性別を指定して派遣を求めることは、派遣労働者を特定することを目的とする行為に当たり得るうえ、性別を理由とする差別的な取扱いとしても問題になるよ。作業負担が大きいことは、年齢や性別で限定する正当な理由にはならない。求める条件は、業務に必要な能力やスキルとして示すべきだね。
選択肢エ
これは不正解だよ。労働者派遣法では、派遣先は派遣労働者から苦情を受けたら派遣元に知らせ、派遣元と密接に連携して、誠意をもって遅滞なく適切かつ迅速に処理しなければならないとされているよ。とくにA社自身の指揮命令への苦情では派遣先が当事者なので、自社で対応せずB社に任せきりにするのは適切ではないね。
学習のポイント
派遣可能期間の上限、特定目的行為の努力義務、派遣先の苦情処理の義務を区別して押さえること。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問30(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針