PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ
令和2年度10月 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問22
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アアジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては,管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
- イ外部委託業務実施拠点に対する現地調査が必要と考えたとき,委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると判断すれば,現地調査を省略できる。
- ウ十分かつ適切な監査証拠を入手するための本調査の前に,監査対象の実態を把握するための予備調査を実施する。
- エ一つの監査目的に対して,通常は,複数の監査手続を組み合わせて監査を実施する。
解き方のヒントを見る
監査証拠の役割を整理する視点
システム監査で集める証拠が、監査の結論とどのように結び付くのかという一つの観点に絞って考えます。用語の暗記に頼らず、証拠を入手する目的と評価する目的を自分の言葉で説明できるかを確かめながら検討しましょう。
この問題で問われていること
問われているのが「証拠を集める段階」の話か「集めた証拠をどう扱い判断に使う段階」の話かを、まず問題文の言葉から見極めることが出発点です。段階を取り違えると、もっともらしい内容に引きずられやすくなります。
視点
監査証拠は、監査人が意見や結論を形成する際の裏付けとなるものです。学習の際は、何のために証拠を入手するのか、入手した後に何を基準に評価するのか、評価の結果が結論にどうつながるのか、という流れを一本の筋として整理しておくと、個々の用語に惑わされにくくなります。
確認ポイント
- 問題文が監査の流れのうち、どの段階について問うているかを確認する
- 証拠と監査の結論との対応関係を、自分の言葉で説明できるか確かめる
- 一般論として正しそうな内容でも、問われている段階に当てはまるかを見直す
正解と解説を見る
正解
ア
解説
システム監査基準(平成30年)では、アジャイル開発で体裁の整った管理用ドキュメントがなくても、作業記録として適切な情報なら監査証拠にできます。「体裁が整ったものだけ」と限定するアは適切でない記述です。
理由
基準の解釈指針では、アジャイル手法のシステム開発では管理用ドキュメントとしての体裁が整っていなくても、開発現場で使われるホワイトボードを撮った画像データや電子メールなど、作業記録として適切なものを監査証拠として利用できるとしています。アは監査証拠を体裁の整った文書に限定しているため、基準に照らして適切ではありません。
比較
イは、第三者の保証報告書に依拠できると監査人が判断すれば現地調査を省略できるという内容で、基準の考え方に合っています。ウは、予備調査で実態をつかんでから本調査で監査証拠を入手するという一般的な流れです。エは、一つの監査目的に対して複数の監査手続を組み合わせるという通常の進め方です。いずれも適切な記述です。
選択肢ア(正解)
これは正解だよ。システム監査基準(平成30年)の解釈指針では、アジャイル手法の開発で管理用ドキュメントとしての体裁が整っていなくても、ホワイトボードを撮った画像データや電子メールなど、作業記録として適切なものは監査証拠にできるとしている。体裁が整ったものだけに限る記述は適切でないため、この問題の答えになる。
選択肢イ
これは不正解だよ。基準では、外部委託先への現地調査が必要と考えた場合でも、委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると監査人が判断すれば、現地調査を省略できるとしている。監査人の判断を条件とした記述で、基準に沿った適切な内容なので、「適切でないもの」には当たらない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。監査手続は一般に予備調査と本調査に分けて実施する。まず予備調査で監査対象の実態を把握し、その結果をもとに本調査で十分かつ適切な監査証拠を入手するという流れは基準の考え方と合っている。適切な記述なので、「適切でないもの」には当たらない。
選択肢エ
これは不正解だよ。一つの手続だけでは十分かつ適切な監査証拠を得にくいため、通常は一つの監査目的に対して、ドキュメントレビュー、インタビュー、観察、突合などの技法を組み合わせて監査手続を実施する。基準に沿った適切な記述なので、「適切でないもの」には当たらない。
学習のポイント
監査証拠の範囲、第三者の保証報告書の利用、予備調査と本調査、監査手続の組合せを整理しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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