PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

令和2年度10月 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問21

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

サービス提供時間帯が毎日 0~24 時の IT サービスにおいて,ある年の 4 月 1 日 0 時から 6 月 30 日 24 時までのサービス停止状況は表のとおりであった。システムバージョンアップ作業に伴う停止時間は,計画停止時間として顧客との間で合意されている。このとき,4 月 1 日から 6 月 30 日までの IT サービスの可用性は何%か。ここで,可用性(%)は小数第 3 位を四捨五入するものとする。
システムバージョンアップに伴う84時間の計画停止と,ハードウェア故障に伴う10時間の停止を示す表。
システムバージョンアップに伴う84時間の計画停止と,ハードウェア故障に伴う10時間の停止を示す表。

選択肢

  1. ア
    95.52
  2. イ
    95.70
  3. ウ
    99.52
  4. エ
    99.63
解き方のヒントを見る

可用性算出の前提条件を読み取る

可用性の算出では、どの時間帯を評価対象とするかという前提が結果を左右します。問題文が停止の種類や対象期間についてどのような条件を定めているかを、計算に入る前に自分の言葉で整理してから取り組みましょう。

この問題で問われていること

この問題で問われているのは、停止実績の数値そのものよりも、各停止をどの前提のもとで扱うかという判断です。問題文中の用語の定義や条件の記述を根拠として、評価の基準となる時間の範囲を確かめる姿勢が求められます。

視点

可用性は、サービスを提供すべき時間のうち実際に利用できた時間の割合として捉える指標です。ただし、何を「提供すべき時間」とみなし、どの停止を評価に含めるかは、サービス提供者と利用者の取り決めや問題文の前提によって決まります。そのため、一般的な印象で判断せず、与えられた条件文を根拠に対象範囲を確定させることが、この分野を学ぶうえでの基本的な検討手順になります。

確認ポイント

  • 問題文の中で、評価の基準となる期間や時間帯がどのように定められているかを確認したか
  • 停止の種類ごとに、問題文がどのような扱いを指定しているかを根拠となる記述とともに確認したか
  • 計算を始める前に、対象とする時間の範囲を自分の言葉で書き出して整理できているか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

期間の総時間は91日×24時間=2、184時間です。合意済みの計画停止84時間を除いた2、100時間を分母、故障停止10時間を引いた2、090時間を分子にすると、99.52%になります。

計算式

総時間:(30日+31日+30日)×24時間=2、184時間。サービス提供を約束した時間:2、184時間-84時間(合意済みの計画停止)=2、100時間。稼働時間:2、100時間-10時間(ハードウェア故障)=2、090時間。可用性:2、090時間÷2、100時間×100=99.5238…%。小数第3位を四捨五入すると99.52%です。

誤答との比較

分母を2、184時間のままにし、停止94時間をすべて差し引くと2、090÷2、184≒95.70%になり、イと同じ値です。分母2、100時間から、さらに84時間と10時間を分子で差し引くと2、006÷2、100≒95.52%になり、アと同じ値ですが、これは計画停止の二重控除です。エの99.63%は、表の停止10時間を使ったどの組合せからも得られません。

選択肢ア

これは不正解だよ。95.52%は、公式条件どおりに計算した99.52%(2,090時間÷2,100時間)とは一致しない。検算すると、分母を計画停止除外後の2,100時間にしたうえで、分子でも計画停止84時間と故障停止10時間を差し引くと2,006時間÷2,100時間≒95.52%となり、数値上はこの値と一致する。しかし84時間は分母で既に除いているため、この計算は二重控除になり条件に合わない。

選択肢イ

これは不正解だよ。95.70%は、期間の総時間2,184時間を分母とし、計画停止84時間と故障停止10時間の合計94時間を停止として扱った場合の値(2,090時間÷2,184時間≒95.70%)と数値上一致する。しかし問題文では、バージョンアップ作業による停止は計画停止時間として顧客と合意済みであり、可用性の対象時間から除くのが条件に沿うため、この値にはならない。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。4月30日+5月31日+6月30日=91日で、91日×24時間=2,184時間。合意済みの計画停止84時間を除いた2,100時間がサービス提供を約束した時間になり、そこから故障停止10時間を引いた稼働時間は2,090時間。2,090時間÷2,100時間×100≒99.5238%で、小数第3位を四捨五入すると99.52%になる。

選択肢エ

これは不正解だよ。99.63%は公式の数値条件からは得られない。停止率0.37%を逆算すると、停止時間は分母2,100時間なら約7.8時間、分母2,184時間でも約8.1時間になり、表の故障停止10時間より短い。10時間を正しく用いると2,090÷2,100≒99.52%、分母を2,184時間にして10時間だけ引いても約99.54%で、どちらも99.63%にはならない。

学習のポイント

合意済みの計画停止を可用性の対象時間から除き、計画外の停止だけを停止時間として数えるという考え方。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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